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序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

本番・魔の二日目

2006-04-20 14:32:35 | 演劇

演劇の世界では二日目のジンクスというものがある。
何故か公演二日目は芝居の出来が悪いものだと言われている。

それは何故だろう。

初日を迎える役者の心境は結構ハードなものがある。
長い稽古の成果を初めて観客の前に披露するのだからその緊張は半端なものではない。果たして自分の目指して稽古していたものは正しいのか、どんな評価が下るのか、幕が上がるまでは気が気ではない。やがて初日の幕が否応もなく開く。そうなるとエイッと気合で自分をムリヤリ信じて舞台に身を投ずるのだ。
そして幕が降り、虚脱の時間が訪れる。

二日目。
緊張はしたが無事にやり遂げた初日の余韻に安堵感を持ち、ある余裕が生まれる。二日目の舞台の幕が上がる。
「昨日の感じでやればいいのだ、慌てる事はない」
・・の筈がどうもしっくりいかない。
終ってみると、どうも例のジンクスにまんまと陥ったようだと気付く。

何故そうなるのか。その答えは至極シンプルなものである。

その答えの前にここで敢えて言っておこう、我々劇団芝居屋にはその演劇界の二日目のジンクスはないと。

さてその答えは、役者自身が安心を求めるあまり初日の再現を目指す為である。
役割の再現に終始すれば、内的なものは置き忘れていかれるものだ。そこには劇的充足はない。

我々劇団芝居屋では現在の自分をよりクリアーにしていく作業が千秋楽まで続くのだ。終えた事の再現は求めない。そこに二日目のジンクスの入り込む余地はないのだ。


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