
お知らせ。
【劇団芝居屋は本年10月26日~30日にポケット上演で企画しております、記念すべき第40回公演の出演希望者のワークショップを行います。まだ感染状況などで確定ではありませんが3月中ほどを目安に募集する予定です。
沢山の皆様のご応募お待ちしております。
詳しくは劇団芝居屋HPにてお知らせいたします。
劇団芝居屋HP http//www.gekidanshibaiya.sakura.ne.jp】
第三場でございます。
キートンが文化祭クラス対抗演芸コンクールの台本と演出を担当する事になって数日後。
自分の構想を確かめる為に男子だけに召集を掛けその構想を披露するんですな。
集まったのはマサル、シュンジ、タケシの三人。
まあ、まともに受け止めるのはマサルのみ。

話が佳境に差し掛かった時、時江が気を利かしたつもりで茶菓子を持って来ます。
でもね、この辺りの年齢は男同志の会話に母親なんか入って欲しくないもんですよ。

絹代が行った後も話の腰を折られたキートンは意気消沈といった態です。
しばらく沈黙がつづきますが、こうなると話の流れが男と女の話になるのは必然ってやつです。
シュンジ 「派手って言えばな、あそこも結構派手らしいぞ」
マサル 「何の話よ」
シュンジ 「裏山よ。あそこ頂上に街を見下ろす展望台があるだろう」
タケシ 「ああ、あるな」
シュンジ 「あそこな、夜になるとすげえ数のアベックが来るんだと」
マサル 「本当か」
キートン 「そうらしいぞ。何だかスゲエんだって」
マサル 「ど、どんななのよ」
シュンジ 「結構大胆に抱き合ったりしてるらしいぞ」
マサルに抱き着く。
マサル 「抱き合ってるのか!」
シュンジ 「それどころか、チュッチュチュッチュしてるらしいぞ」
キートン 「本当か!」
マサル 「チュッチュチュッチュしてんのか!」
シュンジ 「もっとイロイロやってんだぞ。たまんねえな!」
マサル 「嗚呼、チクショーッ!」
キートン 「マサルも関心あったんだな」
マサル 「当り前だべや」

こんな話から台本の構想なんてもうどうでもよくなりましてな、恋愛の相談の場となります。
最初に口火を切ったのがなんと恋愛に無関心と思われてたタケシだったのは驚きです。
先ほどの展望台の話で鼻血ブーとなったタケシがノッチンに恋している事を話す。
その想いが結婚を考える程の深さであることを知ったキートン・マサル・シュンジの三人はノッチンに告白すべきだと勧める。

自分が一人前ではないので今はその時ではないと頑なに拒否するタケシに。

シュンジ 「そりゃあ、そうだべ。卒業したら世の中に出るんだぞ。そしたらいろんな男に会うべや。あぶねえぞ」
タケシ 「け、けどノッチンは看護学校に行くし、看護学校は女だけだし・・・」
シュンジ 「甘い、甘いよな」
マサル 「うん、甘い。看護学校たってお前の目の届かない所に行くんだぞ」
シュンジ 「学校ったって一日中勉強してる訳じゃねえベ。暇な時もありやあ休みもあるべや。そうしたらどんなのと会うかわかんねえんだぞ」
タケシ 「そ、そうか。そうだな・・・けどいきなり言うのもな」

マサル 「とにかく、お前の気持ちをノッチンに知らせる事だ。お前の事を男として意識させるんだよ」
キートン 「そうだよ。今言わなきゃ」
タケシ 「お、俺頑張ってみるよ」
マサル 「大丈夫だ、みんなで応援するから」
タケシ 「あ、ありがとう」
こういう熱狂というものは相乗効果というものを生むものでしてな、固く閉ざしていた唇も緩むもんです。

マサル 「あらあら、いるんだ。誰だよ?言ってみろよ、応援してやるから」
キートン 「本当か?」
タケシ 「お、俺も応援するよ」
シュンジ 「応援するから誰か言えよ」
マサル 「キートン、誰だよ。俺達の知ってる奴か?」
シュンジ 「もしかしてタケコだったりして」
三人ウケる。
キートン 「・・・チーコ」
照れるキートン。
凍る一同。
第三場はおしまい。
第四場へと移ります。
撮影鏡田伸幸
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