父親的生活

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野菜高騰に思う

2010-04-24 17:02:38 | 出産・育児

春なのに寒いです。例年だとGW明けからスーツを夏ものに衣替えする暑がりな私でも、今年は気配すらありません。寝ぼけた朝にコートを羽織ってしまったりしています。釣り好きの社員に聞くと、例年は20度近くある水温も、今年は15度前後なのだそうです。

こんな天候が続き、ニュースでも話題になっていますが野菜が高いです。キャベツはまともに買うと玉あたり400円くらいするそうで、GW明けから台湾産の販売も検討されています。

果物は安いのですが、野菜がとにかく高いです。と、なると・・・・

数年前に起業された野菜工場は、さぞかし大人気なのだろうと、単純に想像してしまいますが、状況がちょっと違います。確かに、安定価格、安定供給ゆえに引き合いは強いです。ですが、これは一般野菜が高いが故ですので、相場が下がる場面があれば又同じく引き合いは弱くなると思われます。それに、安定供給先の多くは、ここ数年で苦労して集めた販売先(加工業者やこだわり売り場)であって、たとえ引き合いが強いからといって需要の旺盛なスーパーの店頭向けには安易に流せません。収穫量は一定だからです。相場が安い時も安定して買ってくれる先を裏切るわけにはいかないからです。

それに、一般野菜が高いといっても、スーパーも工夫をしていますので、たとえば、今朝のチラシを見ても198円以下の単価ですべて揃えていました。つまり、298円や398円といった工場野菜は、依然高値です。勿論工場野菜で98円商品もあるのですが、量が少ないので、バリューは感じられません。

そんなわけで、工場野菜は”少し良く売れている”程度なのだろうと認識しています。

もっと怖いのは、今回の相場上昇での一般消費者の反応です。キャベツ半玉が198円だと”恐ろしく高い”に認識されてしまっています。つまり、デフレです。つい10年ほど前までは、この程度の価格で普通に売られていて、98円均一なんて目玉の目玉だったのですが、いつの間にか100円を超えると”高い”と思われてしまっているのです。よく考えたら、牛丼だって、ハンバーガーだって、あ、Tシャツやジーンズもそうかな。10年前では考えられない価格で売られてしまっています。

背景には、外食産業のシステム化や、コスト削減等の小売業の血のにじむ努力があるのも事実ですが、それだけではないでしょう。特に食品は、輸入品比率が上がったのは確かだと思います。

輸入の是非や自給率は別の機会に譲るとして、私が今書きたいのは、”消費者マインド”です。一度安さを知ってしまうと、価格を上げることは相当な努力が必要です。野菜や果物、魚等は、”異常気象”等がキーワードになって、値上げを容認してもらい易い商材だったのですが、その野菜ですら、現在の価格を”高い”と言われてしまっているのです。

 昨年の経済危機や、頻発する異常気象時に、相場が少し上がると、大手の流通業はニュースですぐに”緊急大放出”と銘打ったニュースなのか、ニュースの時間を使った販売促進なのか理解できない取り組みを続けてきました。結果、”相場が上がるとすぐに対応されるだろう”的な考えが消費者には漠然とあるのではないでしょうか。大手は企業体力もあるし、情報発信力もあるので可能かも知れませんが、身を切っての商売なんて、地方の中小には無理な話です。実情には即していません。そして、結果、本当の価値が良く判らない状態・・・消費者の価格理解度を混乱させているのも確かです。

こんな状況では、工場野菜がお客様に”安くて良い”と思って頂くには相当な苦労を要するでしょう。

だから私は、今回の相場高騰を機に、その後撤退する企業が増えるのではないかと考えています。今回、利益が出なければ、絶対に利益を出すことが無理なのは賢明な経営者であれば判っていると思います。でも、価格高騰下の現在でも、契約価格を上げているわけでも無く、収量も大きく増えている訳ではないので、収益はあまり変化無いと思うのです。

数年前にファンドから集めた数億円を元手に、大型の野菜工場を建設し、鳴り物入りで商談に来ていた、古都にあるF社は毎年売り上げの数倍の赤字を計上し、挙句転売された先の企業の足まで引っ張って、残念な結果になっています。干拓地を借りてものすごい面積でコメの生産を始めた九州の外食企業の子会社は先月撤退しました。居酒屋チェーンの子会社農場は不振の責任を取って社長が変わったと人づてに聞きました。

ブームに乗って、補助金だけもらって、利益が出ないから撤退・・・・

野菜高騰は”農業なんてそんな甘いものではないのだぞ!”と商売の神様と、自然の神様が共同で忠告している様なものですね。


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