父親的生活

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差別

2007-11-22 15:58:23 | 出産・育児

 和歌山の縫製業を営む会社が、外国人技術研修制度を利用した中国人研修生の残業代不払い等の疑いで労働基準監督署の強制捜査を受けたと言うニュースがあった。

 良く似た話で、木材加工業の会社も夏頃、中国人研修生との残業不払いで調停を受けていた。いくら研修生とは言え”労働”をしてもらっているので対応は日本の労働者と同じ扱いになるそうで、労働組合もあるらしい。当然労働争議には一般と同じ対応となっているらしい。聞く所によると、残業代が1時間200円であったとか、毎日5時間以上残業した等と聞く。経営者には会った事も無いので詳しくは知らないが、以前別の付き合いで同じ研修制度を使って中国人を引き受けている社長さんと話した時は”彼らなんて月に10万円も稼げれば大喜びだ、安い賃金でいくらでも働く”といった様な事を言っていてびっくりした事がある。

 中国にはいわゆる”斡旋ブローカー”なる人が存在していて、法外に(50万円くらいが相場だと聞く)手数料を得て日本への斡旋を行っているらしい。先の調停の中国人も証言で”ブローカーに払うお金は借金していて、それを払うまでは帰りたくても帰れない”と言っていた。中国からこの制度を活用して技術取得に来る中国人がどの地域の人なのかは知らないが、おそらく地方の労働者なのだろう。いくら中国が発展しているとはいえ、所得格差がウン十倍の中国だから、年収何万円という程度の人々が多いのではないだろうか。そんな人達から50万円もの仲介料を受け取るブローカーもブローカーだし、見逃している日本と中国政府もどうかなぁと思う。研修生は労働が辛いからといって1年やそこらで帰ってしまっては逆に借金だけが残るそうなのである。結局”良く働く”のではなく”働かなければならない”のだろう。明治時代の女工哀史が頭をよぎる。

 大阪にシャープの液晶工場が出来るそうだ。雇用は1万人以上。殆どが契約労働者となるのだろうが、1万人も労働者を持っていかれるとおそらく和歌山の雇用状況も変わるだろう。今でも兆候はあるが人材の確保は難しくなってきている。時間給も上昇傾向にある。工場内での作業等の一般作業に従事する人員の不足が懸念される。余り技術を要しない弊社ではおそらく65歳以上の高齢者の方や、障害を持った方等の比率が今以上に上がるだろう。外国人受け入れは最後の選択肢だとは思うが・・・・

 10年後は団塊世代も完全リタイヤしているだろう。日本の労働状況ってどうなっているのか。本当に外国人労働力に頼らなければならない状況になっているかも知れない。受け入れ制度の整備、企業経営者のマインドの変化等まだまだ改善される点は多いだろう。

 さて、前述の調停が済んで、経営者から不払いの残業代を受け取った中国人研修生はすぐに帰国していったそうだ。きっとお土産は嫌な思い出だけだろう。そして、経営者は二度と研修生受け入れはしないだろう。何だか悲しい話ではある。


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