父親的生活

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みかん山で思った事

2004-10-25 17:05:55 | 出産・育児
土曜日はみかん狩りでした。
このみかん狩り、去年も好評で、今年も決行したのですが、秋晴れの良い天候にも恵まれ、子どもたちには非常に良い経験になったのではないでしょうか。
良く、スーパーのバイヤーさんたちと上がるみかん山は、もっと急斜面なのですが、皆さん口を揃えて「こんなところで毎日作業していて凄いですね」と感心されます。でも、みかんはまだまだ作りやすい方であって、夏に作ったトウモロコシなんて、本当に難しかったですし、お米や白菜、キャベツ、レタス、普通にスーパーに売っている野菜達も、本当に作るのは大変です。

野菜の収穫量が減って相場が高くなると、キャベツやレタスは輸入されてきます。そうやって需給バランスを何とか保っていますから、店頭から野菜が消える事はありません。だからだと言ってしまえばそうなのですが、私も時々工業製品と同じ様に、いつでも手に入る様に錯覚してしまう事があります。でも、違うんですよね。野菜だって、米だって、肉だって、努力してやっと収穫できているんですよね。輸入が良いか悪いかは別としても、世界中で多くの生産者の方が作っておられるから、我々は今日も、明日も食べたい物が食べられるんですよね。

それに、農村には街では得られない空気や、風、太陽の光、雰囲気があります。農産物を作りながらそうやって環境を作っているのも農村の大切な役割だと思うんですよね。
普段は、スーパーに行けばいつでも買えると思っている野菜や果物も、そうやって実際に農村で収穫してみれば、できれば種まきから体験すれば、価値がわかってもらえるのだと思います

資本主義社会においての企業のプライオリティは「利益を上げ、組織を存続させる」事にあります。その観点で、少しでも競争に打ち勝てるように野菜は輸入されます。ですから安易に「輸入はダメ」とも言えないのも事実です。某ハンバーガーチェーンのレタスはずっとアメリカ産です。そうやってお手軽な価格を維持し、特に若い世代に(小さな子どもを持つファミリーに)絶大な支持を得ているのも確かです。”レタスが高騰していますから、ハンバーガーは1000円です”なんて無いですよね。

では、国産の農産物をそれでも使ってもらおうと思ったら、どうすればいいのか、
○ 法律で輸入を止める
○ 農産物に補助金を出し、流通価格を輸入よりも下げる
これは、今まで主に政府が行なってきた政策ですよね。コメの関税は200%、柑橘の輸入は禁止みたいな感じです。それからコメの政府買い上げ制度等もそうですよね。盛んに見直されている制度です。
この考え方は、日本としてはそれでよくても、国際的には通用しませんよね。テレビや自動車は輸出しているのに、海外からは買いませんというのは、少しおかしいのでは??という事です。

○ 国内産地の競争力をつけ、輸入農産物に勝てる商品を作る
書いてしまえば簡単なのですが、これが大変なのです。もしも全ての農産物で実現できれば、自給率はもっと上がります。

農業規模を大きくして、海外並みに大規模にし、競争力をつけようという政策や、環境に優しい生産者を推奨し、海外さんとの”価値”の差をつけようとういう政策等、様々な試みがなされています。重要な事だと思います。
流通の改革も大きな課題です。

例えば我々が作っているみかん。
先ず、一般に農協に出荷する場合は、小さいサイズや、大きいサイズ、それに傷のついたみかんは出荷できません。人によっては折角収穫しても、半分しか出荷できない人もいるくらいです。
でも、スーパーではそんなみかんも十分に売れます。それらを売るだけでも、生産者の方の収入はもっと増えます。つまりその分だけ全体的に値下げできるのです。
次に、流通経費。農協→経済連(農協の上部団体)→市場→仲卸会社→小売店という流れが標準的な流れです。各社の手数料の合計は50%程度です。これに運賃や箱代も必要ですから、皆さんが普通に買っているみかんの生産者の手取りは、半額以下です。これらをもっとシンプルにするだけでも、もっと安くする事は可能でしょう。

どちらも多くの人々が関わっていますし、市場が要らないという事はありえませんから、もしかするとこの仕組みは変わらないかも知れませんが、物によっては少しずつ変える事は可能だと思っています。
例えば、韓国や、中国からみかんを輸入する場合の価格は、50~100円/キロ です。
国産みかんがその価格になれば、あえて輸入なんてしませんよね。生産者の方の収入を減らさずに、その価格に近づけられるように努力しています。私の感覚では、みかんは、もう一工夫でそのレベルまで出来るのではないだろうかと思っています。
その時、皆さんに協力してもらいたいことは一つ
「大きくても、小さくても、少し傷があっても、買ってください」 
それだけです。
みかんを買うときには、みかん畑で見たみかんを思い出して、買って欲しいのです。多分、それだけで随分変わると思います。



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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
そうですね ^^ (カフェマスター)
2004-10-25 17:28:26
そうですね ^^
余程、良い商品とか気に入っている商品は別にして、私は出来るだけ地元の商品を買うようにしています。態々、遠くの商品を買うということは物流のコストや、その分エネルギーの消費や二酸化炭素を排出しているのですから。
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昨晩テレビで(たまたまやっていたので番組名は不明) (pinpin)
2004-10-25 18:30:21
昨晩テレビで(たまたまやっていたので番組名は不明)
バナナ生産者が取り上げられていました。
日本人は少しでもキズがあると買ってくれないから、とたくさんのバナナが潰して捨てられていました・・・。
何と言えばいいか。
歯痒い気持ちになりました。
どうせむいて食べるのにね。
>「大きくても、小さくても、少し傷があっても、買ってください」
これはわたしにも出来ることですね。
心にきちんと刻みました。
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こどもたちも、農村留学とか、社会科見学は農村へ... (ロココ)
2004-10-25 18:57:34
こどもたちも、農村留学とか、社会科見学は農村へ行ってみるとか、もっともっと、そんな機会があるといいのにね。
農家の人たちと、わたしたちの生活は、つながっている。そんなきもちを忘れないようにしたいです。
seuratさん、がんばれ!
ここは、産地への窓です。大きく開け放って、いろんなことを教えてくださいね。
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こんばんは、みかんがりのことをどこかのブログで... (piano)
2004-10-25 21:58:49
こんばんは、みかんがりのことをどこかのブログで読みました。ひでぽんさんかな?
主人の実家もみかんを作っています。知り合いの農家は農協を通さないで、ある大手のスーパーと提携していて、メリットとデメリットがあるといっていました。
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一成く~ん、おばちゃんの事、覚えてるかい? (どんママ)
2004-10-25 22:28:31
一成く~ん、おばちゃんの事、覚えてるかい?
ますます可愛くなって!
フワフワって感じですね。一成くんは。可愛い~。
まとめ読みして思ったことは、笑顔の写真が多い!
優しい一成くん一家の様子が、よく伝わってきますね。
子ども達が食べ物の大切さや、作ってくださる方への感謝の気持ちとか、
私たち親が、ちゃんと教えてあげないといけませんね。
やまけんさんって、ライブドアの社長さんのブログでもお見かけしました。
すごいですね!
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今回の台風で水に浸かってしまった野菜たちを前に... (ゆたぽんママ)
2004-10-25 23:33:27
今回の台風で水に浸かってしまった野菜たちを前に「こりゃだめですわ」と苦笑いで話すおじさんをTVでみて、そうだ当たり前じゃないんだよなって思っていたところです。
先日、パパが台風リンゴを買ってきたのでseuratさんが書いておられたことを話すと、ものすごく納得していました。
>大きくても、小さくても、少し傷があっても、買ってください。
本当にそうですね
seuratさん、また色々教えてください
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わたしたち主婦にもできることですね! (SAKI)
2004-10-26 00:38:28
わたしたち主婦にもできることですね!
seuratさんのおかげで結姫のいい母になれそうです。seuratさんに教えてもらったこと、結姫にそして未来に生まれてくる予定の子どもや孫に、伝えて実行していくことが私の役割かと思います。
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そうですね。日本の、いや世界の農業を大きく変え... (篠田耕一)
2004-10-26 10:25:48
そうですね。日本の、いや世界の農業を大きく変える人。
それは、総理大臣でも大企業の社長さんでもないですよね。
消費者の皆さんこそ、日本の食の未来を決定する大切な皆さんだと感じます。
産地の偽装など不正は許さない。でも、味や安全に関係のない部分では、少しの大小やキズにこだわらない。
そういう賢い消費者の皆さんが、たくさん増えればいいなぁと思います。
seuratさんのblogは勉強になりますね♪
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そうですね。私にも出来ることですね。 (piyomama)
2004-10-26 11:10:24
そうですね。私にも出来ることですね。
これからもいろいろと教えてくださいね。
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色んなこと考えさせていただいたのでトラックバッ... (pinpin)
2004-10-26 17:19:57
色んなこと考えさせていただいたのでトラックバックさせていただきました・・・m(_ _)m
返信する

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