ゆうべ、デザートに笹にくるまれた大福のようなものを用意した。
白いやつとヨモギ入りの2つ。中にこし餡が入って70円。
どちらかを1個づつ食べてもいいし 半分に分けて2種類食べてももいい。
「ま」さんにどうするか決めてもらうようにした。
フォークを添えずに出したので
「ま」さんはそれぞれの半分を食いちぎり
『70円とは思えないね』と悦に入っていた。
残された食べかけが 私の分である。
私はとりあえず 白い方を食べた。
たしかに 70円とは思えない。
それから ヨモギ入りの半分の半分を食べた。
残りは四分の一。
なんとなく、「ま」さんが モノ欲しそうな表情をしていた。
心が広い妻である私は 『半分あげる。』と言った。
四分の一の半分を分け合うつもりだった。
(それくらいで<心が広い>をアピールしようとした私も私である。)
「ま」さんはとても喜んだ。
目をキラキラさせて
初めて逆上がりに成功した子供のように輝いた表情をした。
そして 一気に 残りを全部 ほおばった。
私は驚愕した。
半分あげるとは言ったが その半分とはすなわち八分の一である。
四分の一では決して、ない。
固まった私を見て 「ま」さんは
<まずいことをしでかしたかもしれないと気付いた子供>の顔をした。
咀嚼をやめ 口を開け
ヨモギとこし餡と唾液がぐちゃぐちゃになった塊を見せた。
そして 舌で若干前方に押し出した。
『これでよければ返すけど。。。』という意思表示だ。
そんなものを返却されても 受け取れない。
いくら夫婦でも それはできない。