ふたりの生活。

東京の下町で暮らすふたりの生活

父の日⑨最終回。

2007-06-28 | 

「ち」の母は

『毎日料理を続けていれば もっと上手になるわよ』と言い、

父の手をひっぱるようにして帰っていった。

 

二人が去った後に 

私は母のセリフについて考えた。

 

私の料理は<もっと>上手になる余地がある。

言い換えれば そうたいして美味いものでもない、ということだ。

これは認める。

間違いない。

 

そして

毎日のように料理をしていた母だが、

決して 『ものすごくおいしい料理を作る』というわけではない。

実は料理に関するある資格を取得している母だが、

勉強したからといって 毎回おいしい料理が作れるというものでもないようだ。

 

努力はそれなりの成果を生むが

達人の域に達する人はごくわずかだ。

 

私は母の娘である。

「ま」さんのお母さんのようにはなれないかもしれない。(きっと無理だ)

ある程度は あきらめてもらうほか無い。

つか、もはや既にあきらめていて 

許せる範囲を『おいしい』と言ってくれてるのかもしれない。(その可能性はかなり高い)

 

とにかく、私はシアワセ者だ。

娘がシアワセに暮らしているので 父も母も安心だ。

 

めでたしめでたし。