瀬戸市民言論広場

明るい未来社会をみんなで考えるために瀬戸市民言論広場を開設しました。

議会運営委員会・議会改革推進特別委員会 傍聴報告

2016年05月31日 | お知らせ
5月30日議会運営委員会と議会改革推進特別委員会が開かれました。

議会運営委員会 傍聴報告
○ 今年も行政視察を行うことが全会一致で決まりました。

○ 愛知県後期高齢者医療広域連合会議会議員として長江秀幸氏を立候補者とすることに決定。(副議長を候補者とするのは慣例)

○ 反問権について
議論の結果、要綱案とおりとすることに決定。
反問権とは字のごとく「反」対に「問」う権利のことです。市長等(理事者)が議長の許可により議員の質問に対して論点・争点を明確にするため、議員に「逆に」聞き返すことができる権利のことです。
瀬戸市議会反問権実施要綱は下記のとおり

第1条 この要綱は、本会議または委員会における反問権の行使に関し、必要な事項を定めるものとする

(反問権)
第2条 市長及び執行機関の長並びに質問等に対し答弁を行うため、本会議及び委員会に出席する説明員(以下「市長等」という。)は、論点を明確化し議論を深める目的で反問することができる。
2 この要綱に掲げる反問権には、単に質問の趣旨又は根拠を確認し、議員の考え方を問い質すことだけでなく、反論権も含むものとする。

(反問権の行使)
第3条 市長等は、次に掲げる場合において反問権を行使できる。
 (1)代表質問
 (2)一般質問
 (3)緊急質問
 (4)議案質疑
 (5)本会議又は委員会における議員提出議案等の審議
2 市長等は、次に掲げる要件に該当している場合において、反問権を行使できる。
 (1)市長等が議員又は委員の質問、質疑の趣旨又は根拠を確認する場合
 (2)市長等が議員又は委員の考え方を確認する場合
 (3)市長等が議員又は委員の質問、質疑に対し反論する場合で、次に該当する場合
  ア 質問、質疑の内容が市政に直接関わらない場合
  イ 趣旨又は根拠を確認しても、なお理解が困難な場合や根拠が明らかにならない場合
  ウ 質問、質疑の中で議員からの提案に対し、対案を求める場合
 (4)市長等が本会議又は委員会における議員提出議案等の審議に際し、その趣旨又は根拠を確認する場合
 (5)市長等が本会議又は委員会における議員提出議案等の審議に際し、反論する場合
 (6)市長等が本会議又は委員会における議員提出議案の審議に際し、建設的な意見を述べる場合
3 議長等は、反問の内容が前項の規定にそぐわないと認めるときは、注意し、なお従わない場合は反問を制止することができる。
4 一般質問において、市長等の反問権の行使に伴う議員の答弁は、質問時間に含めるものとする。
5 本会議での議案質疑において、市長等の反問権の行使に伴う議員の答弁は、質疑の回数に含めないものとする。

(議員の責務)
第4条 議員は、反問権に基づく発言に対して誠実に対応しなければならない。

(その他)
第5条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、議会運営委員会において協議し決定する。
以上

5月30日現在6月定例会提出陳情は一件。
提出者が瀬戸市外在住のため、瀬戸市議会請願及び陳情取扱要綱第7条2の規定により委員会付託審査は行いません。
なお6月定例会請願・陳情締め切りは6月2日午後5時です。

議会改革推進特別委員会 傍聴報告
○ 議会基本条例について
長江秀幸副議長より昨夏行われた地方議員研究会の研修受講報告がありました。
議会の役割、議会基本条例とは何か、議会基本条例の論点整理等が講義内容だったそうです。
策定する議会側として議員の取り組みや考え方は、大いに研鑽を重ねていただきたいところです。

ところで、決まり文句のように出てくるのが「議会への市民参加」としての「住民の意思」や「民意」です。
言葉ではそのとおりなのですが、「住民の意思」や「民意」とはどこにあるのでしょうか。「これは住民の意思である」とだれが発してどこで受け取るのでしょう。

議会報告会のまずい例として、市民の質問や発言は苦情、陳情、不満だけ。議員に対し上から目線の物言いもあったりというのが「実態」だったりします。
どうすれば「住民の意思(議会への建設的意見)」を汲み取れるようになるのでしょう。

市民・住民とは「個人」のことではありません。
市民・住民は「主権者」であり、個人は「有権者」です。
「住民の意思」として主権者が政治参画するということは、有権者どおしが互いに議論をして「意見の合意形成を図った結果」であるはずです。
有権者間の「意見の合意形成」は地域や団体の会議の場で行われているハズです。
しかし議会報告会(広聴会)などでその結果としての発言はほとんどありません。

行政も議会も(議員ではありません)法に従って動いています。
これに対し、有権者個人は「私はこう思う」と発言するヒトが多いのです。
「私の思い」には「貴重なご意見、ありがとうございました」と応えるほかないでしょう。
行政や議会を「職員の思い」や「議員の思い」で動かせば大変なことになってしまいます。
まして「有権者個人の思い」で動かせるはずはないのです。

「有権者個人の思い」を「主権者の意見」とするにはどうすればよいのでしょう。
この課題を「あえて避けても」議会基本条例は制定できます。
議会への市民参加云々と書いておけばよいのですから・・。
研修報告に「意味のないアクセサリー条例」としないよう、議会報告会での市民との意見交換が大切との指摘がありました。

「住民の意思」とするための「市民間の会議のあり方」こそ、条例制定の根本課題でしょう。
瀬戸市議会はこの課題に向き合いますか、それとも「あえて避けますか」。
有権者個人のみなさんはどうします。
この課題に向き合いますか、避けますか。
日本の教育現場では「政治の制度」は教えますが、「個人間の意見の合意形成」はほとんどトレーニングしません。
政治参画や住民意識が問題となる一因ではないでしょうか。

読了いただきありがとうございました。




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続・傍聴報告

2016年05月27日 | お知らせ
常任委員会行政視察
 ~視察先の決定から成果の公開まで~

5月臨時会役員改選(5月19日)
  ↓
臨時会後の常任委員会開催(前号報告済み)
視察の有無を決定
所管事項における課題抽出を全員に投げかけ
  ↓
閉会中の委員会開催(必要に応じ複数開催)
所管事項における課題を委員会で協議
課題抽出後理事者等ヒヤリング
視察先の選定及び事前調査
  ↓
6月委員会で視察先の決定・委員派遣手続き
  ↓
閉会中の委員会開催
視察先の事前勉強会(質問項目の洗い出し等)
  ↓
7~8月 行政視察実施
  ↓
各委員がそれぞれ視察報告書を作成
  ↓
視察後、閉会中の委員会開催
各委員が視察報告書を持ち寄り意見交換
正副委員長で報告書を作成
  ↓
9月常任委員会で委員長から報告と
各委員の所感報告
理事者との質疑応答・意見交換
  ↓
報告書を市政情報コーナーに設置
議会ホームページで視察結果を掲載
議会報告会で視察結果の報告を行う


本日5月27日 厚生文教委員会が開かれ行政視察を議題に議論されました。
視察の課題として小中一貫校、地域包括ケアー、子どもの貧困、国保や介護保険問題など多岐にわたりました。
議論の結果、小中一貫校問題に絞り、教育プログラムと地域との係わりと跡地利用を大枠の課題として、各委員より関連課題を委員長に提出することとなりました。
視察先候補として茨城県つくば市、千葉県鴨川市長峡学園の2つがでました。
どちらにするかは相手先受け入れ等を考慮し、委員長一任となりました。
日程は7月中旬を予定。

総務生活委員会と都市活力委員会は6月6日開催予定です。
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常任委員会 傍聴報告

2016年05月25日 | お知らせ
5月24日、25日に3つの常任委員会が開かれ、担当理事者から各委員会の所管する事項説明がありました。
市のホームページに業務概要が公開されていますので、本稿では組織(幹部人事)をお伝えします。

(敬称略・順不同)

総務生活委員会
○ 経営戦略部
  部 長 加藤 慎也
  部次長 高田 佳伸
  参 事 涌井 康宣

 *秘書室
  室 長 林 敏彦
  主 幹 山井 利明
  補 佐 加藤 雅規
 *経営戦略室
  室 長 高田 佳伸
  補 佐 大岩 三明
 *人事室
  室 長 松崎 太郎
  補 佐 水野 守

○ 行政管理部
  部 長 加藤 仁章
  
 *行政課
  課 長 白木 秀典
  補 佐 梶田 耕平
 *財政課
  課 長 佐藤 友彦
  補 佐 竹内信一郎
  専門員 伊藤 哲成

○ 会計課関係
  会計管理者兼会計課長 長谷川利忠
  主 幹 水野 誠
  課長補佐 服部 保紀
  主 査 桐山 晃
  主 事 鈴木 麻里

○ 行政委員会事務局
  事務局長 加藤 隆克
  次 長  夫馬 周二
  専門員  鈴木 貞彦

○ 市民生活部
  部 長 加藤 眞二
  部次長 小島 敏男
  補 佐 磯村 玲子

 *生活安全課
  課 長 神野 哲
  補 佐 磯村 玲子
 *環境課
  課 長 上田 喜久
  補 佐 中桐 淳美
 *税務課
  課 長 小島 敏男
  主 幹 橋爪 裕夫
  主 幹 伊藤 照彦
  補 佐 篠田 康生
  専門員 渡邊 徳雄
  専門員 鈴木 金光
  専門員 井ノ口紀生
 *市民課
  課 長 熊谷 由美
  補 佐 大矢 敬裕
  専門員 西塚 友博
 *水野支所
  支所長 加藤 和浩
 *幡山支所
  支所長 佐野 伸二
 *品野支所
  支所長 伊藤 誠
 *クリーンセンター
  所 長 加藤 司

○ 消防本部
  消防長  矢野 研一
  消防次長 森山 修次

 *消防課
  課 長 鈴木 鉄馬(庶務グループ)
  主 幹 佐藤 拓哉(予防グループ)
 *消防署
  署 長 森山 修次
  副署長 栗木 清次(第一グループ)
  副署長 石川 徹 (第二グループ)
  副署長 河村 伸也(第三グループ)
  緊急対策室長 河路幸博
  通信司令室長 伊藤年男
  東分署長   伊藤博仁
  南分署長   渡辺義明

○ 市長直轄組織防災課
  防災監  説田 泰典
  防災課長 松井 繁
  課長補佐 加藤 守幸

厚生文教委員会
○ 健康福祉部
  部 長 瀧本 文幸
  部次長 山崎 康永
  参 事 福岡 秀明
  補 佐 鈴木なぎさ
 
 *社会福祉課
  課 長 水野 典雄
  主 幹 中村 清治
  補 佐 鈴木なぎさ
 *高齢者福祉課
  課 長 中桐 章裕
  課長補佐 田中 伸司
 *こども家庭課
  課 長 山崎 康永
  主 幹 小島 早苗
  課長補佐 鈴木 康夫
  家庭相談室長 高木 敦子
  交通児童遊園長 櫻井 環
  せとっ子ファミリー交流館長 鈴木 益子
  発達支援室長 松葉 啓子
 *のぞみ学園
  園 長 長江 啓子
 *健康課
  課 長 山下 峰司
  主 幹 水谷 守幸
  補 佐 樋口 照美
 *国保年金課
  課 長 春田 義満
  補 佐 駒田 一幸

○ 教育委員会事務局
  教育部部長 加藤 都志雄

 *学校教育課
  課 長 鈴木 勝広
  主 幹 早川 寿
  主 幹 阪本 有一
 *図書館・視聴覚ライブラリー
  館 長 鈴木 肇

都市活力委員会
○ 交流活力部
  部 長 横山 彰
  部次長 藤井 邦彦
  参 事 山田 真司(再任用)
  補 佐 稲垣 宏和
 
 *せとまちブランディング推進プロジェクトチーム
  参 事 藤井 邦彦
 *アグリカルチャー推進プロジェクトチーム
  主 幹 中村 浩司
 *産業課
  課 長 大森 雅之
  補 佐 稲垣 宏和
 *まるっとミュージアム課
  課 長 中村 宗仁
  補 佐 川原知佐栄
 *交流学び課
  課 長 田口 浩一
  主 幹 浅田 正巳
  補 佐 井上 紀和
 *文化課
  課 長 服部 文孝
  瀬戸蔵ミュージアム館長 武藤 忠司
 *地域活動支援室
  室 長 井村 厚仁
  補 佐 長谷川武宏

○ 都市整備部
  部 長 柘植 義昭
  部次長 加藤 幸介
  参 事 鈴木新一郎
  補 佐 冨田 和宏

 *都市計画課
  課 長 加藤 幸介
  補 佐 冨田 和宏
 *建設課
  課 長 内木 柔
  補 佐 長江 孝
 *維持管理課
  課 長 鈴木新一郎
  補 佐 前田 繁樹
 *下水道課
  課 長 石川 治
  補 佐 鈴木 和宏
 *水道課
  課 長 山内 徹
  補 佐 橋口 毅



行政視察について

各委員会とも今年も行政視察を行うことになりました。
今年から全委員で所管事項における課題を協議し、視察先を決定するそうです。
先の臨時会において「議会の閉会中における常任委員会の調査研究付託事件」が可決されました。
視察前も視察後も調査研究のため、勉強会、研究会等必要ならば何度でも委員会を開いて活発な議論を展開して下さること、そして
くれぐれも「慰安・・」などと揶揄されるようなことにならぬよう、切にお願いする次第です。

6月定例会は6月13日午前10時本会議開会です。
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特別委員会スタート

2016年05月23日 | お知らせ
議会改革推進特別委員会がスタートしました。

昨年度中は議会運営委員会の諮問機関だった議会改革推進委員会は、臨時会を経て特別委員会となりスタートしました。
議会改革の検討項目の協議状況は下記のとおりです。

1、議会運営に関すること
 (1)一般質問での再質問・答弁のあり方
    3月31日に開催された議員研修(講師:龍谷大学 土山希美枝教授)を皮切りに、
    議員個々のスキルアップを図る。
 (2)陳情審査のあり方
    瀬戸市議会請願及び陳情取扱が議会運営委員会で了承された。

2、議会の機能強化に関すること
 (1)議長の任期及び立候補制の導入
    今後協議
 (2)議決事件の追加
    今後協議
 (3)反問権・反論権の導入
    議会運営委員会で反問権導入を決定。6月定例会からの実施を目標に理事者と
    協議中。
 (4)決算審査にあたっての事業評価の導入
    決算附属資料備考欄における事業別内訳の記載、事業評価カードの作成について
    財政担当部署に求めた。当局は検討中。
 (5)常任委員会の任期
    未協議
 (6)専門的知見の活用
    協議中
 (7)議会基本条例の制定
    28年度中の制定を目指す。

3、議会の広報・広聴に関すること
 (1)議会報告会のあり方
 (2)議会だよりの充実
 (3)広報広聴委員会の設置
    広報広聴協議会が設置され広報部会、広聴部会でそれぞれ協議検討していく
    ことが決定。
 (4)視察報告の公開、視察後の取り組み・成果の公開
    常任委員会の視察先の決定、視察結果報告の公開、視察後の取り組み、成果の
    公開までの理想形をフロー図にまとめ協議。
    今後も引き続き協議する。

4、議会のICT化
 (1)議場へのPC・タブレット端末の持ち込み・利用
    議員全員にタブレット端末配布の予算要求を行ったが、理事者の理解が得られず
    予算計上は見送られた。今後も要求していく。

5、議会への市民参加
 (1)市民モニター制度の導入
    広報広聴協議会の協議事項として検討。


この特別委員会で重要な協議は「議会基本条例」制定です。
今後原則として週1回のペースで委員会を開催して議論を重ね、来春に条例案を上程したい予定。
工程案では今秋に市民との意見交換会も予定されています。(現未定)
私たち市民も「任せっぱなし」ではいけません。
勉強しなくてはいけませんし、イベントするような楽しさも無いでしょう。
いよいよ「市民意識」も問われてます。
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臨時会傍聴 人事報告

2016年05月20日 | お知らせ
議会6役(敬称略・順不同)

議長  戸田 由久
副議長 長江 秀幸

市監査委員 中川 昌也
陶生病院組合議会議長 三木 雪実
陶生病院組合監査委員 水野 良一
看護専門学校組合副議長 島原 治美

常任委員会(敬称略・順不同)

総務生活委員会
委員長  宮薗 伸仁
副委員長 西本 潤
委員 三木雪実・長江公夫・臼井 淳・山田伸夫・原田 学・伊藤賢二

厚生文教委員会
委員長  柴田 惠子
副委員長 池田 信子
委員 山田治義・戸田由久・高島 淳・朝井賢次・島原治美・森 英一・浅井寿美

都市活力委員会
委員長  冨田 宗一
副委員長 馬嶋みゆき
委員 長江公夫・水野良一・石神栄治・東 伸二・高桑茂樹・藤井篤保・中川昌也

議会運営委員会(敬称略・順不同)
委員長  三木 雪実
副委員長 島原 治美
委員 山田治義・富田宗一・東 伸二・臼井 淳・山田伸夫・原田 学

議会改革推進特別委員会(敬称略・順不同)
委員長  藤井 篤保
副委員長 長江 公夫
委員 池田信子・臼井 淳・中川昌也・浅井寿美

広報広聴協議会 広報部会(敬称略・順不同)
部会長 長江 公夫
会員 山田治義・水野良一・高島 淳・石神栄治・東 伸二・池田信子・高桑茂樹・
   馬嶋みゆき・中川昌也・藤井篤保・原田 学

広報広聴協議会 広聴部会(敬称略・順不同)
部会長 山田 伸夫
会員 三木雪実・冨田宗一・宮薗伸仁・西本 潤・朝井賢次・島原治美・森 英一・ 
   臼井 淳・柴田惠子・浅井寿美・伊藤賢二

組合議員(敬称略・順不同)

公立陶生病院組合議会議員
 長江公夫・三木雪実・宮薗伸仁・水野良一・石神栄治・東 伸二・臼井 淳・高桑茂樹・  
 中川昌也・山田伸夫・原田 学

瀬戸旭看護専門学校組合議会議員
 山田治義・西本 潤・高島 淳・島原治美・馬嶋みゆき・柴田惠子

尾張東部衛生組合議会議員
 冨田宗一・朝井賢次・池田信子・森 英一・藤井篤保

都市計画審議会委員(敬称略・順不同)
 山田治義・富田宗一・朝井賢次・池田信子・臼井 淳・柴田惠子

政治倫理審査会委員(敬称略・順不同)
 長江公夫・三木雪実・山田治義・富田宗一・東 伸二・森 英一・藤井篤保・原田 学
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垣隣の民意

2016年05月17日 | お知らせ
今回の追分通信は定形外増刊です。

「ことば」についてです。
私たちはことばを使って意思疎通を図ります。
もちろん文字やおしゃべり以外にも手話やボディーランゲージによる相手の意思や感情を受け止めることもします。

政治、行政、社会問題(地域問題)など「公」の議題について、大衆(市民)のひとりとして自分の意見を述べたり、他者の意見を聞いたりする場面で、「会話」として成り立っているのか否か疑問に思った経験はありますか。
話者と聴者間の疎通を図るうえで、「ことば」「単語」の定義付けを確認しあったことはありますか。

例えば「自助」「共助」「公助」。
いずれも{知っている}ことばですね。ではこれらのことばにどのような定義付けをしていますか、お手持ちの国語辞書に三語とも書かれているでしょうか。

ひょっとして、単語を{知っている}ということとお互いの{認識}は共通しているとの{前提}で会話してはいませんか。
「犬を思い浮かべましょう」といわれて、みな同じ{犬}を頭の中に描いているでしょうか。
犬種や色、雄雌、場所など条件を絞っていくと共有性が多くなっていきます。
上記の三つの単語も同じです。
参会者が議題を話し合う前に、お互いの共通{認識}となる定義付けをしなければなりません。
いずれの「単語」も違う概念を描いているかもしれないからです。

「ことば」「単語」を定義付けて概念の枠を固めるという確認作業をしないまま、往々にして「公」の議論をしています。
政治の世界でハヤリの「レッテル貼り」もこれが一因です。

日常でこのような確認作業をしなくても、営みに困ることはほとんどありません。
自治会、保護者会、議会議員との意見交換会、行政の審議会でさえ、議題の重要な「単語」を日常生活の会話のように{知っている}ことと{認識}は同じであるハズ。として会議は進んでいきます。

会議に登場する「単語」には囲いが必要です。
「ことば」を自由に羽ばたかせるのは、詩人や俳人がすることです。

なぜ「ことば」に拘るのか、それは重要な単語が「民意」であると考えるからです。
「民意」とは何か?

このブログは瀬戸市行政と市議会を取り上げていますので「民意」の対象を「市民」とします。
私たちの政治制度は民主主義である。と教えられています。(民主制度とはいいませんね)
なぜ「制度」が「主義」なのでしょうか。
「主義」はイズムですね。
ある方針とか思想の立場とか、あるいは政治の「体制」のことですね。
ならば「民主」つまり「市民」に主権があり、為政者に市民を統治させる体制のことです。

これには大きな前提があります・・。
主権者である「市民」は自立的、理性的判断によって行動し世論形成をして意思決定する。(ハズである。)
この主義(体制)で為政者となるには市民に選択してもらわねばなりません。
そこで考えてみましょう。
主権者は(前提のとおり)イズムで選択(意思決定)している(ハズ)のか否か。

民意を測るひとつに「世論」があります。
報道機関の調査は「個人の意見」を聴取したものを「世論」として発表します。
それはそのとおりなのですが、「輿論」とは違います。
正確な知識や情報をもとに「議論」と「吟味(言論)」を経て練り上げるのが「輿論」です。
議論と吟味を練り上げるという作業を行っているでしょうか。

どうやら市民意識を考えてみる必要がありそうです。

「お客さまは神様です」といった歌手がいました。
確かに商売にとって「お客さま」は飯のタネ。「神様」と崇めるのも理解できます。
「神様」にされたのは市民という消費者です。

「国民のみなさま」「市民のみなさま」「患者のみなさま」「保護者のみなさま」という神々の出現。
ではこれら神々を創り出したのは?
いくつもの原因があり、本稿で全てを考察できる見識を持ち合わせておりませんが、
大きく影響を与えている要因がマスメディア、報道機関であることは間違いないでしょう。

「国民からすれば・・」「国民の声は・・」とまるで己が国民意識を代表するかのように記事を書き、喋り、煽る、ジャーナリスト、文化人、タレントたち。
彼らがいうような「国民のみなさま」の実像はどこにもありません。
すべて彼らが創り出した「国民のみなさま」という虚像の神様です。
そして創り出された虚像の神様を見せられて、市民のほうが「国民のみなさま」という神様は実像であり、「わたしなのだ」と幻想してしまうのです。(これがやっかいなのです)

この神様は「思考」して誕生したのではありません。
虚像を創り出すことを「販売戦略」にしている人間たちが、市民たちに誕生させているのです。
こうして「市民」は政治や経済や文化に参加する(市民は参加しているつもり・・)より、消費者として納税者として「神棚」に祭り上げられたのです。

当然のように、行政機関、教育現場、医療現場にも神様は出現しました。
困ったことにこの神様は、未来よりも現在中心、情緒志向、余暇志向、私生活重視など「即時的価値感」という特性があるようで、
凡俗であることの権利を主張し、それをあらゆるところで押し通そうとする。喫茶店の会話から得られた結論を実社会に強制する(オルテガ・イ・ガセット)

しかし現実は「市民のみなさま」(神様)が直接行政に圧力をかけているわけではありません。
「民意」ということばであろうが「納税者の意向」といおうが、それは為政者や行政官僚によって解釈されたものであり、実在している「市民のみなさま」(神様)というよりもこの「ことば」こそが虚像であることを証明しているのですが、「仮想された民意」で動かしているのです。(そうせざるをえない)
「貴重なご意見をいただき、ありがとうございました」と為政者や官僚たちが言うしかない、神様たちの「民意」なのです。

さらに困るのは「市民のみなさま」たち、なかでも行政の意向を受け(補助金等税金を使って)活動している「市民」との会話です。元来「市民の活動」に「善悪の区別」はありません。「悪」なら当局により止められています。かといって「善」なのか、という議論がほとんど出来ない活動家が多いのです。
税を使うということは「使う目的と使った結果」が問われるのです。「なんのための活動ですか」「その活動により社会はどう変化しましたか」と。
「公のため善の活動に決まっている」と信じて止まない人々はこの次元で「思考」を止めます。
「悪いことをしているわけじゃないのに、あんたにとやかく言われる筋合いはない!」
あなたの周りにもいらっしゃいませんか。

「市民のみなさま」の意向を絶対化したようにする戦略は、この戦略を取り入れた側から取り下げることなどできません。
しかしその代償として「市民のみなさま」は、行政機関にも学校現場にも医療現場にも「消費者神」となって出現しました。
今や自治体は「サービスのコンビ二」と化してしまいました。
行政職員に対して、学校教職員に対して、医師看護師に対して、市民は「お客さま」という神様なのでしょうか。

日本社会を支えてきたのは「勤勉な堅気である」といわれてきました。
目立ちたいんじゃない。後ろ指をさされることもない。お天道様の下、恥じることなく暮らしていく。
こんな庶民たちが実像だった時代には、「どこでも消費者」神様はごくわずかな数しかいませんでした。

政治や行政に「民意」を発する作業は、お手軽で楽しいはずがないのです。

それから、行政職員は「市民」が選択した人たちではありませんが、政治家議員など為政者は「市民」が選択した人たちです。
お気に召さないのならば「お客様扱い」されて悦に入っていないで、イズムのいう「主権者」として選択するしかありません。

読了いただき、ありがとうございました。



















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議会傍聴報告

2016年05月13日 | お知らせ
このところ連日、議会運営委員会が開かれています。
傍聴報告だけではなく解説も交えながらお伝えします。

議会運営委員会とは地方自治法第109条により、議会運営の円滑化を図るために調整を測ることを担当します。
会期など議会の運営に関する事項、会議規則、委員会条例に関する事項、議長の諮問に関する事項について調査を行い、議案、請願等を審査します。また定例会(瀬戸市議会は年4回)や臨時会に先立って、会期中の議事運営の仕方について各会派の意見調整を行います。

連日協議されている事項は、常任委員会や議会運営委員会、議会改革推進特別委員会、広報広聴協議会の構成について、各組合議会議員、都市計画審議会委員、政治倫理審査委員についてなどです。

議会運営委員会は各会派からの委員で構成されており、協議事項について会派内で話し合った結果を委員が報告します。また委員会で協議課題となった事項を会派に持ち帰り、改めて会派内で話し合いをして次回の委員会で報告するという手順で進めていきます。

現在瀬戸市議会には「自由新政クラブ」「公明党市議団」「せと未来」「ネットワークせと」「日本共産党瀬戸市議団」「水曜会」があり、市のホームページで会派別議員名簿が公開されています。
瀬戸市議会での会派とは3名以上の議員で構成されるとなっていますが、例外的に2名の既成政党議員団であっても他の会派が承認すれば
会派と同様扱いとなります。
「日本共産党瀬戸市議団」は2名で上記に該当します。
「水曜会」はひとり会派です(会派と同様ではありません)。
常任委員会や広報広聴協議会、各組合議会委員は会派に属さなくても委員になれますが、議会運営委員会と政治倫理審査会は会派所属議員でなければ委員にはなれません。

各委員会や各組合議会委員の構成委員定数に対する議席配分と、常任委員会の正副委員長ポストなどを連日にわたり協議しているのです。
議席配分は会派所属議員数の「按分」によります。

「按分」とは基準となる数量に比例させて分けることです。
例えば総務生活委員会の委員定数は8人「自民新政クラブ」は11人所属の会派です。
まず比例人数というのを計算します。
瀬戸市議会議員は全26人ですから、11÷26=0.423。委員会の定数は8人ですので、0.423×8=3.38(小数点以下第3位を四捨五入)が「自民新政クラブ」の比例人数です。
按分では3人の委員を出せることを表しています。

会派からの委員申し出結果では委員会定数をオーバーしていることもあるので、議会運営委員会での調整が必要となります。
そして正副委員長ポストです。
予算決算委員会は副議長が委員長を、議会運営委員長が副委員長を務めます。議会改革推進委員会は特別委員会なので例外扱いです。

さて第一会派とは最大会派のことなので所属議員11人の「自民新政クラブ」ですが、問題は第二会派です。
現在「公明党市議団」「せと未来」「ネットワークせと」の3つの会派はいずれも4人。
議会運営委員会は第一会派から委員長を、第二会派から副委員長を選出することとなっていますので、暫し話し合いが長くなりました。
協議の結果「公明党市議団」を第二会派とし副委員長が選出されます。

ということで、5月13日現在の協議結果です。
○ 総務生活委員会(委員8人)
 自民新政クラブ3人、公明党1人、せと未来1人、ネットワークせと1人、共産党1人、水曜会1人
 正副委員長ともに自民新政クラブからエントリー。

○ 厚生文教委員会(委員9人)
 自民新政クラブ4人、公明党2人、せと未来1人、ネットワークせと1人、共産党1人
 委員長はネットワークせと、副委員長は公明党からそれぞれエントリイー。

○ 都市活力委員会(委員9人)
 自民新政クラブ4人、公明党1人、せと未来2人、ネットワークせと2人
 委員長は自民新政クラブ、副委員長はせと未来からそれぞれエントリー。

○ 議会運営委員会(委員8人)
 自民新政クラブ3人、公明党2人、せと未来1人、ネットワークせと1人、共産党1人
 委員長は三木雪実氏、副委員長は公明党で調整中。

○ 議会改革推進特別委員会
 自民新政クラブ1人、公明党1人、せと未来1人、ネットワークせと2人、共産党1人
 委員長は藤井篤保氏。

○ 広報広聴協議会
 会長は副議長、副会長は両部会長が兼務
 理事会は9名。内訳は正副会長3名、正副議長2名、議運委正副委員長2名、議会改革推進特別委正副委員長2名
○ 広報部会(会員12人)
 自民新政クラブ6人、公明党2人、せと未来2人、ネットワークせと2人、共産党1人
 部会長は長江公夫氏
○ 広聴部会(会員12人)
 自民新政クラブ5人、公明党2人、せと未来2人、ネットワークせと2人、共産党1人、水曜会1人
 部会長は山田伸夫氏

○ 瀬戸旭看護専門学校組合議会(議員6人)
 自民新政クラブ3人、公明党1人、せと未来1人、ネットワークせと1人

○ 都市計画審議会(委員6人)
 自民新政クラブ3人、公明党1人、せと未来1人、ネットワークせと1人

○ 政治倫理審査会(委員8人)
 自民新政クラブ4人、公明党1人、せと未来1人、ネットワークせと1人、共産党1人

*公立陶生病院組合議会(議員11人)は13人が希望しているため協議中。
*尾張東部衛生組合議会(議員5人)は6人が希望しているため協議中。 





地方自治法第120条「普通地方公共団体の議会は会議規則を設けなければならない。」

当然瀬戸市にも会議規則は設けられています。
今回お伝えした「会派」や「按分」という文言は瀬戸市会議規則には記されていません。

地方自治法第100条には政務調査費等で「会派」という文言は記されています。
しかし自治法が要請する会議規則には、定めるべき範囲は示されていないのです。

「会派」とは議会議員が(国政も地方も)共有する政策目的のため調査、研究、議論をする「政策集団」であり、存在の合理性は否定しません。
国政選挙ではほとんどの立候補者は政党から出馬します。無所属の場合ビラの枚数や選挙カーの制限など公選法でも不利です。
党の綱領や選挙マニフェストなどで候補者の政治理念や政策目的もある程度はわかります。
その「政党」でさえ憲法には明確な規定はなく、21条の「結社の自由」を根拠として最高裁判例で定着した「ことば」です。
政党助成法、政治資金規正法、公職選挙法などがありますが、統一的定義はありません。

昨春の瀬戸市議会議員選挙では立候補者34人中、21人は無所属でした。
改選後26議員中、政党公認議員は12人、無所属議員は14人です。

改選後に結成された「会派」とは?
政策目的や活動方針は何でしょうか?
私たち市民はこれらを知らされること無く、「会派を代表して」の本会議代表質問を聞かされています。
そして本稿でみてきた「按分」やポストです。

会議規則に記載がないとはいえ、会派結成や按分の委員配分が「法」に抵触しているわけではありません。
議会は規則だけではなく、慣例に従った運営でも行われるのは承知しています。
国会においても、政府閣僚が国会議員の資格で常任委員会(特に議事日程等を決める議院運営委員会)に加わることは「慣行」により否定されています(法の根拠ではありません)。政府提出法案の審議日程を内閣からの希望として表明できないのです(これらが国会法に定める正式機関ではない「国会対策委員長会談」に委ねられている一因)。

話を瀬戸市議会に戻しましょう。
議会改革推進特別委員会を中心に「議会基本条例制定」に向けて議論していくそうです。
「議会基本条例」は議会運営の理念とそれを具現化する仕組みを盛り込み、取分け「市民と議会との関係」を重視するために制定するものでしょう。
この機会に瀬戸市議会における「会派」の位置づけや、政策目的・活動方針を市民に対し明らかにされた上で「代表質問」や「按分」の合理性を議論していただきたい。
そうでなければ、広報広聴会を実施したところで「市民に開かれた議会」には及ばないと考えます。

5月19日より臨時会が開かれ、正副議長等議会役員人事が決まります。
ポストに関心を持つのもわからなくはありませんが「ポストに座って何をするつもりですか」が重要ですよ。

これからも傍聴報告を続けてまいります。
今回も読了ありがとうございました。







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