瀬戸市民言論広場

明るい未来社会をみんなで考えるために瀬戸市民言論広場を開設しました。

思い込み・・

2017年10月29日 | お知らせ
本稿タイトル「思い込み・・」とはわたくしのことであります。
10月28日(土)第3回バイマンスリーフォーラム「人口問題について」を開催しました。
今年10月1日現在、瀬戸市の人口は130211人。
前年より305人減少でした。

突然ですがここで問題。
①市内20連区のなかで、対前年度人口減少(対比率ではありません)が多かった連区上位3つはどこでしょう?
②市内20連区のなかで、対前年度人口増加(対比率ではありません)が多かった連区上位3つはどこでしょう?
③瀬戸市からの転出と瀬戸市への転入、この差が最も多い(瀬戸市からの転出先)近隣市町はどこでしょう?
④瀬戸市からの転出と瀬戸市への転入、この差が最も多い(瀬戸市への転入元)近隣市町はどこでしょう?
答えは本稿最後に。

今年の人口130211人という数字は平成9年時とほとんど変りません(130469人)。
瀬戸市の人口減少は平成21年133518人をピークに平成22年から続いていますが、実は人口が減少すること自体が課題ではありません。
課題となるのは年齢別構成比です。

直近10年を比べてみましょう。
前の数字は平成20年、後の数字は平成29年のそれぞれ人口構成比率です。
*未成年人口(0~19歳)=18.6 17.7
*成年人口(20~64歳)=59.9 53.5
*前期高齢者(65~74歳)=12.6 15.0
*後期高齢者(75歳以上) =8.9 13.8

少子高齢化が表れています。
後期高齢者になれば医療や介護等の費用が多くなるといわれています。
もちろん自己負担も大変になるのですが公費負担も増大します。
「広報せと」10月15日号に掲載された決算のあらましをご覧ください。主な財政指標(普通会計)緑の折れ線グラフ『扶助費比率』がこれに該当します。
平成19年で約40億円、平成28年で約80億円と10年でおおよそ倍増しています。
そして2025年問題といわれていますいわゆる団塊の世代がこれから後期高齢者になっていきます。
この他「市民ニーズの多様化」など、人口減少問題とは財政問題にほかなりません。

人口問題(成年人口)を考えるには大きく2つの視点があるでしょう。
若者定住と転入者の促進です。
この議論でよく出てくるのが公共交通機関や大型ショッピングセンター、あるいは「小じゃれたお店」などです。
もちろんこれらも促進要素なのですが・・
「住みやすいまち」や「転入の決め手」要素は少々違うのではないか?

私も公共交通機関は大きな要素だと思い込んでいました。
ところが・・
フォーラムで知ったのは名鉄瀬戸線沿線の連区は軒並み「転出超で人口減」という事実です。
道泉・水南・コウ範・長根はいずれも減少しています。

瀬戸市からの転出先、瀬戸市への転入元(都市別社会増減)がもっとも多いのは「尾張旭市」です。
直近5年間(H24~H28)で瀬戸市からの転出は1964人、転入は1586人で-378人。
「あたりまえじゃないか、尾張旭のほうが名古屋に近いから」とも考えられますが、守山区には-47人です。

そして思い込んでいたのとは違っていたもうひとつの事実。
みよし市からは+178人、日進市からは+190人の転入超という統計でした。
山口、東明連区の転入増と関連しているのでしょう。
電車異動地区は減、車移動地区は増とも読み取れます。

十代の若者なら「小じゃれたお店」、高齢者なら「公共交通機関」は住みたいまちの要素かもしれませんが、20代~30代は地価や医療、教育環境のほうが決め手になるのかもしれませんね。
思い込みではなくデータや統計の事実を読み解いて議論しなければいけない。あらためて思い知らされたフォーラムでした。

冒頭問題の答え
①原山台△135人、萩山台△134人、八幡台△125人
②山口+152人、水野+103人、東明+94人
③尾張旭市△378人(瀬戸市へ転入1586人、尾張旭市へ転出1964人)
④豊田市+706人(瀬戸市へ転入1319人、豊田市へ転出613人)

豊田、日進、みよし 南部の自治体から多く転入しています。
知りませんでした。思い込みは要注意ですね。

11月4日(土)午後2時から第2回言論広場自修会
      パルティせと第1学習室

言論広場はこれからの財政を最重要課題としています。
現時点での財政指数はおおむね健全ですが、このまま将来も続くと保障されているわけではありません。
財政指数は例えるなら健康診断。人間ドックで精密検査をすれば隠れた数値がでてきます。

自修会テーマ「瀬戸市財政の動脈瘤?」
どうぞご参集ください。

今回も読了いただきありがとうございます。





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言論広場から2つのおしらせ

2017年10月23日 | お知らせ
第3回 BIMONTHLY FORUM

バイマンスリーフォーラムは行政執行部から瀬戸市の現状や課題の説明をうけ、私たちで話し合う会です。

今回のテーマは「人口問題について」

10月28日(土)午後2時から
 瀬戸蔵会議室5
 経営戦略室 大岩三明補佐・柴田 謙さん

 第1部:行政から説明
 第2部:質疑応答
  ~休憩~
 第3部:市民懇談会


第2回 言論広場自修会
 
自修会はブログでは書けない深層をお伝えし、みなさんと話し合う会です。

今回のテーマは「瀬戸市財政の動脈瘤?」

11月4日(土)午後2時から
 パルティせと4階第1学習室

フォーラムも自修会も
○中学生以上なら参加できます
○事前予約無用、参加費無料
○個人情報の記帳はありません
○乳幼児連れでもOK
○入退室自由
○会場内の録画録音は厳禁です
○その他言論広場参加規約を守ってください
○自修会の瀬戸市議会議員の参加はご遠慮ください。
 
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病院の病?

2017年10月12日 | お知らせ
10月11日、陶生病院組合議会を傍聴しました。
一般質問の一部を抜粋してお伝えします。
議長 山田治義氏

臼井淳議員
1、まず、事務局に伺うが当初本件損害賠償請求について、当病院顧問弁護士から過去の判例を照らし合わせて、本件契約締結上の過失の主張を退けることは、ほぼ不可能とする見解を受けており和解を図ることとしていたが、通知人(原告)が提訴することになった経緯と理由の説明を求める。

2、本件の通知人(原告)から訴状は届いているのか。

3、9月25日の全員協議会で配られたメール記録、時系列一覧から質問する。
内部統制の問題その①
経営戦略室担当職員は病院内のメールで、すなわち職務でメールのやり取りを通知人と頻繁に行っていた。業務としてそれなりにこの経過に携わっていたとして考えられないか。全員協議会での答弁はほとんどの項目で「知りません」「わかりません」としていた。本件契約を進める中で、管理職としての資質をどう考えているのか。

4、内部統制の問題その②
上記同様、経営戦略室長は、口頭での報告、上司からの指示では時々の決裁や記録、メモすら残すこともせずこういう事務処理がスタンダードだったとしておられるが、どうか。

5、メール記録から再度確認するが、本件の業務委託契約を2本に分けた理由は、金銭問題や構成市、議会対策等とのことでよいか。

6、内部統制の問題その③
2本の業務委託契約の内、契約を締結した経営改善支援業務について、現在当病院で業務を実施されているがどのような状況か。そして本件業務を進める上で、契約金額約985万円の変更はないか、本年度途中に増額変更はないものとしていいか伺う。

7、上記と同じく、本件契約については事務手続き上、単年度予算主義を逸脱したという自覚はあるのか。あるいは上司の承諾があれば問題はなかったと考えていたのか伺う。

8、発注者側(陶生病院)と受注者側(NPO法人)との契約締結に向けた経緯が非常に不明瞭な進め方と、癒着に近い関係ではないかと強く認識(判断)するが、このような手続きを事務局はどう見ているのか伺う。

9、今後の対策として、今回本件損害賠償請求が起きたことについて、契約手続きの何が問題だったと認識しているのか伺う。

10、これまでの上記質問から、当病院内のガバナンスに問題があることは明らかであるが、特に事務執行上必要な公文書の議事録や記録をとっていないことや、契約手続きを進める方法にも問題があり、決裁手続き、法令等の認識不足など現在の事務局体制に問題が生じていると思われます。
管理者(伊藤市長)に質問するが、現状の本病院組合の事務局体制(人員含み)についてどのように認識し、早急に事務局体制(3市で対応)の強化が必要と考えるが、どうするのか。
以上。

ドクターX(筆者)の所見では、ガバナンス・コンプライアンス・アカウンタビリティの数値がかなり悪化しておるようじゃ。さらに精密検査をして、必要とあらば患部の外科処置も視野にカンファレンスすることじゃ。このての病を甘く見ておってはいかん。手遅れにならぬうちにのぉ!
「わたし、ときどき失敗しますので!!」

この一般質問に対する当局理事者答弁は、
第2回言論広場自修会
11月4日(土)午後2時から パルティせと4F第1学習室
こちらで詳しくお伝えします。
どうぞご参集ください。
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もうひとつの議会

2017年10月08日 | お知らせ
一部事務組合
自治体関係者ならどなたでも知っていますが、一般市民の方にはご存じないひとが多いのでは。

複数の自治体がその事務の一部を共同処理するために設けられるのが「特別地方公共団体」です。
特別地方公共団体には広域連合と一部事務組合という2種類の組合があります(地方自治法284条)。

広域連合は、自治体の事務で広域処理が適当であり、事務の管理や執行の連絡調整と実際の処理を行います。
広域的、総合的な見地から異なる事務を担います。

これに対し、一部事務組合は、自治体間である事務の一部を共同処理するための組合です。
ごみ処理や病院、消防などの事務処理で設置されます。
多くの組合は一部事務組合です。(広域連合は少ない)

一部事務組合の規約は、共同で処理する事務、議会の組織・議員の選挙方法、執行機関の組織・選任方法、経費の支弁などが規定されます(地方自治法287条)。
議会の議員は公選によることもできますが、構成する自治体議会議員が兼務します。

というわけで、瀬戸市議会議員はもうひとつの議会「一部事務組合議会議員」も兼務しているのです。

それでは瀬戸市が関係する一部事務組合について見ていきましょう。
瀬戸市は3つの一部事務組合の構成自治体です。

公立陶生病院組合、公立瀬戸旭看護専門学校組合、東部衛生組合の3つ。
公立陶生病院組合と東部衛生組合は瀬戸市、尾張旭市、長久手市の3市で構成しています。

陶生病院組合に対する瀬戸市の負担金は平成28年度で12億335万9千円。
建設改良費の85.5%は瀬戸市の負担割合で、それ以外の負担割合は75.3%となっています。
現在工事中の新東棟ですが、当初計画時は90億円弱と見込まれていましたが、およそ200億円以上になるといわれています。

陶生病院は平成26年度は2954万円の黒字でしたが27年から赤字に転落。
28年度は16億6085万円の赤字計上となりました。

新棟が完成すると701床の許可病床数(一般651、結核44、感染6)です。
これはどれくらいの規模なのか、近隣病院と比べてみましょう。

豊田市(42万5600人)・豊田厚生病院606床
岡崎市(38万人)・岡崎市民病院715床
長久手市(5万7千人)・愛知医大病院900床
尾張旭市(8万2千人)・旭労災病院250床

瀬戸市、尾張旭市、長久手市3市合計で約27万人。域内3つの病院で合計1850床です。
ご存知のとおり、愛知医大は私立、旭労災は独立行政法人。
陶生病院は公立です。
つまり私たちの税金を投入して運営していかなければならないのです。

上記のように瀬戸市は12億円以上負担していますが、病院側は20億以上は必要だとしているそうです。

それだけではありません。現時点では取材不足なので詳細は書けませんが、嘱託職員の採用や給与支払いについて議論されているようです。

市の職員は7百数十名、陶生病院は1200名。
瀬戸市の一般会計予算額は約340億円ですが、陶生病院はこれに匹敵するほどの規模です。

公立病院に掛かる金額は莫大な額です。
経営を悪化させれば瀬戸市の財政体力を奪いかねません。
事実、市立町立の病院経営が原因で財政悪化を招いた自治体は全国に例があります。

財政が悪くなれば、政策的事業に費やせる余裕が無くなっていきます。
将来の財政確保のための産業政策などです。
民間企業に例えるなら新たな事業展開を期す投資ができないという状態です。

とは申せ、市民の健康生命に係わる重要な施設であることに違いありません。
重要な施設であるがゆえに、将来も持続してもらわねばならないのです。

東部衛生組合の晴丘ゴミ焼却施設センターも老朽化が進み、長寿命化を図る計画です。
20~30億円掛けて10~15年は持続しようというものです。
新たな設備に建て替えるなら200億とも300億とも必要だといわれています。
瀬戸市の負担は平成28年度3億9729万円でした。

いかがですか?
一部事務組合のことをどれだけご存知ですか?
全くといっても過言ではないほど、私たちは知りません。

公立陶生病院組合議会の議員として11名が、東部衛生組合議会の議員として5名がそれぞれ瀬戸市議会議員が兼務しています。

何より大事なことは、私たち市民が関心を持つことです。
子供たち次世代も安心して暮せる街であり続けのは大人の責任。

瀬戸市議会事務局は市のホームページでこれら組合議会の開催予定日を公開しています。
瀬戸市議会活動予定表をご覧ください。
各組合議員の名簿も公開されていますのでご欄ください。
組合議会は傍聴できます(全員協議会は不可)。

ちなみに次回会議の開催予定は、
東部衛生組合議会は10月10日午後2時
公立陶生病院組合議会は10月11日午後2時
瀬戸旭看護専門学校は10月12日午後2時です。

まちをよくする原動力、それは私たちの関心です。
任せっぱなしではいけません。

言論広場は陶生病院議会を傍聴取材し、お伝えしていくつもりです。

今回も読了いただきありがとうございます。



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