瀬戸市民言論広場

明るい未来社会をみんなで考えるために瀬戸市民言論広場を開設しました。

有為転変は世の習い

2019年12月28日 | お知らせ
光陰矢のごとし。

加齢とともに月日の流れは速くなる。と聞いてはいましたが実感できる齢になりました。

昨日と今日とでは何の変りも感じられませんが、身体も世間も確実に変っているようです。(筆者の抜け毛のように)

そういえば日本の正月の景色も変りました。(筆者は昭和生まれ)
祝日に国旗を掲げるお宅はほんとうに少なくなってしまいました。(元日は祝日です)
玄関先に注連縄(注連飾)を飾るお宅はまだ多いようですが、ナンバープレートの上に飾っている車はほとんど見かけなくなりました。

注連縄は特別の内と外を区別する結界を表すもので、祭祀における浄と不浄の印として新しい稲藁を左ないに綯います。
神道では神様の住む常世(とこよ)と私たちが住んでいる現世(うつしよ)を分けています。
地方地域によって飾り方は違うそうです。

注連縄は古事記に書かれています。
アマテラス大御神の弟であるスサノオの命(ミコト)が乱暴ばかり働くので、怒った大御神は天の岩屋戸に隠れてしまい、陽の光が出なくなってみんな困り果てました。
知恵者のオモヒカネのアイデアで、常世(とこよ)の長鳴鳥の唄にあわせてアメノウズメ(のちの猿田彦の奥様)が踊りました。
「何事・・?」とアマテラス大御神が覗いたところを、強力のアメノタジカラオが岩屋戸を開けました。
二度と大御神が岩屋戸に戻らぬように、ヤオヨロズのカミガミは注連縄を張りました。

景色だけでなく世態人情も変わっています。
「除夜の鐘がうるさい(騒音)という苦情があり、大晦日の夜に打つのを止めた」という報道にはとても驚きました。
驚いたというよりも、腹立たしく情けなくもなりました。

毎晩深夜に鐘を撞いているのではないでしょう。
一年でたった一晩、午前0時を挟んで大晦日から元旦にかけての108つの鐘の音は、私たちの苦悩煩悩を解脱させてくださる響きですよ。
ついにこのような苦情をいうひとたちが現れましたか・・。
まさしく「縁無き衆生は度し難し」です。

さて、筆者は今年も全ての本会議と委員会を傍聴しました。
市役所を訪れることが多いのですが、いつ頃から市民は役所の「お客様」になったのかと感じています。
納税者だからでしょうか、有権者だからでしょうか。

お客様のはずがないのです。
お客ならば気に入らない店(この場合役所)など行かずに別の店に行けばよろしい。
しかし、市民は店(この場合役所)を選べません。
いやなら市外に転居するしかないのです。

役所に対してだけでなく、教育現場や公立医療現場でも「自分は客だ」と思い込んでいるひとが増えました。
教育も医療も気に入らなければ別のところに行けばよろしい。
役所も教育現場も公立医療現場も「サービス業」ではないはず。
市民は客ではなくむしろ「株主」です。
モノ言うのならば、苦情文句ではなく「改善提案」を。


公務員という職業についているひとたちは、多かれ少なかれ「矜持」を抱いて採用試験に臨んだはずです。
安定性も志望動機のひとつでしょうが、ヤリガイと自らの矜持もあったはずです。(失ったとは思いたくありませんが)
役人や、警察、消防、海保、自衛官など公務員(官吏)に経済的(収入)インセンティブはほぼゼロです。
収入をアップさせるには「出世」するしかありません。
逆にがんばらなくても収入は直ちに減額しません。

だから、公務員組織のトップが絶対にしてはいけないこと!
それは職員のモチベーションを下げてしまうこと、矜持を失くさせることです。

選挙で当選した「政治家」が役所のトップに就きます。
キャリアもスキルも、まして部下からのリスペクトも関係ありません。
「選挙で勝った」ただそれだけです。

生き抜こうとする原動力は人さまざまでしょう。
アスリートのように勝負の世界で生きていくには「悔しさ」がパワーの源。
引退時「負けても悔しくなくなった」と多くの勝負師が語っています。

「キャリアをリベンジしてやる」というのも力の源でしょう。

有名大学卒業ではないから・・
大手企業の社員ではないから・・
たとえコンプレックスであったとしても、
発奮する原動力ならわからなくもありません。

漫才師の西川きよし氏が国会議員に当選しました。
「中卒になにができる!?」と揶揄されながら、
「よし、いまに見ていろ」と福祉行政を懸命に学んで立派に議員を務められました。

本当にキャリアをリベンジしたいのなら、公権力を手中に収めたあとの姿が問われます。
発奮した原動力のままに職権を振りかざすのは愚者のすることです。

役所に取り入れるべき民間手法はトップダウン命令ではありません。
投資した税(歳出)がいつ、いくら、どのようなかたちで行政にリターンするのかをキャッシュフローなどで解析し、事業計画を立てようとするのが民間手法です。
むしろ中小零細の創業家経営者のほうが有無を言わさずトップダウンできるでしょう。

役所はトップはじめ職員で儲けたお金を使っているのではありません。
税を徴収して事業を行っています。
だからコンセンサスが大事なのです。
納税者への説明責任が発生します。
市民という株主に(その代表である議会に)なぜその事業を行うのか、あるいは行わなければならないのか「丁寧に説明し納得してもらおうとする」のが職責です。
公権力で事業(部下たちの企画ではない)を行わせるときは(部下に事務執行を命じるのなら)、部下に頼らずトップ自らの口で市民という株主に説明するべきでしょう。

就いたポストがキャリアではありません。
ポストで何をしたかが『キャリア』になります。
学歴も同じで、卒業した学校がキャリアではありません。
何を学んだのかが『キャリア』です。

政治家は特にそうです。
長に就いたのがキャリアではありません。
長として何をしたのかが『キャリア』になります。
このことは議会でも同じです。
議会の役員人事に就いたことがキャリアではありません。

明確な政策もなく行財政の方向性も示さず、コンセンサスを無視して公権力を行使すれば組織は壊れてしまいます。
そして職員のモチベーションが下がってしまえば、労働生産性(マンパワー)が下がってしまうことを意味します。
つまり「株主」である市民からすれば、とんでもない損害を被っていることに他なりません。
機械化できない職員の作為で行う役所では顕著に現れます。
民間CEOなら役員会か株主総会で解職動議でしょう。


幼い子どもたちは政治参画の機会も権利も与えられていません。
私たち大人の判断や行動の結果として、政治行政の成果も負担も子どもたちが背負っていきます。
いま私たちの手中にある「株券」を子どもたちは受け継いでくれるでしょうか。

近い将来、本市ほどの規模の都市は「広域連携経営」で事業経営していくことになるでしょう。
(いまでも公立病院や可燃ゴミ処理は連携経営で行われています)
各自治体がフルスペックで都市経営を続けるのが困難だからです。
そのとき、どこの周辺市町が本市と連携するのでしょうか。
そういう時代をみなさんのお子さんやお孫さんが暮していきます。

お正月です。
お孫さんと過ごされるかたも多いことでしょう。
「孫はかわいい!!」
その子たちにどんな社会を残しますか。
価値ある瀬戸市の「株券」を譲渡できますか。

子どもや孫の笑顔を見ながら、自問自答するには良い時季です。

どうか善いお年をお迎え下さい。

来年もご愛読いただければ幸いです。

本稿も読了いただきありがとうございます。













コメント

斜日の追分町64番地の1

2019年12月19日 | お知らせ
令和元年5月14日に市議会臨時会で議決された「瀬戸市市税条例の一部を改正する条例」を公布していなかった問題。

地方自治法第16条に「普通地方公共団体の長は、前項(1項)の規定により条例の送付(議長から市長に)を受けた場合は、その日から20日以内にこれを公布しなければならない」とあります。

公布するというのは、市長署名のうえ条例の告示を行うことです。
本市は覚城寺の西側と3支所に掲示板が設置されています。
その他、Webデータベースに掲載し、例規システム(インターネットで見られます)に掲載するため業者に依頼します。

本年11月15日、税務課担当職員から例規システムに改正された条例が掲載されていない旨が行政課に連絡があり、公布手続きがなされていないことが判明しました。

議決された条例は20日以内に公布しなければ失効してしまいます。
このため12月定例会に第69号議案として再び上程し可決されました。

事務の未執行という事案に対し、執行部は事務改善委員会を計4回開催。
市長は監査委員会に監査を依頼。
これらの調査結果は本年12月17日、議会に報告されました。
原因や今後の取り組みについて報告されていますが、当ブログは職員モチベーションの影響が近因ではないかと推察しています。

昨年度も、春雨斎場の空調設備工事の発注を忘れていたという事務未執行が発生しています。


次は契約手続きに関する問題。

半月ごとに配布されている「広報せと」
平成31年度の「広報せと」作成業務は、本年3月8日、株式会社暁デザイン事務所と随意契約されています。
契約金額は2816万8292円、予定価格は3282万2496円です。
契約期間は平成31年3月8日から平成32年(令和2年)3月31日まで。
金額は全24号のうち、8号を20ページ、10号を24ページ、6号を28ページとし毎号53600部発行として算定されています。

市政90周年記念として10月1日号、10月15日号の表紙を上記契約者とは別の2業者に発注しました。
表紙を変えてはいけないなどという規則はありませんから、これは問題ではありません。

話は外れますが、市政90周年を迎えることは前からわかっていたことです。突然90周年になるはずがありません。
90周年記念の具体的な行事内容は未定のまま、とりあえずお金は確保しておこうと当初予算に1020万円計上しました。
その後、5月に将棋フェスティバル、10月に記念式典(なぜか10月1日ではなく5日でした)。
行事内容を算定し、必要なお金を歳出予算に計上するのですが、本市は「とりあえずお金。何に使うかはあとで。」としました。
財政難にありながらこの金銭感覚には驚愕しますね。
割れると指摘されたのに(見事に割れてしまいました)、陶生病院の陶壁取り外しにポンと900万円使ってしまう首長さんですからねぇ。

話を戻しましょう。
地方自治法第234条にしたがい、本市も瀬戸市契約規則が規定されています。

瀬戸市契約規則第5条(入札参加者の資格の告示)
市長は、令第167条の5(*令は自治法施行令のこと)の規定により一般競争入札に参加する者に必要な資格を定めたときは、一般競争入札に参加する者に必要な資格及び参加資格審査申請の時期、方法等を告示するものとする。
2.契約担当者は、前項の規定により告示した場合においては、その定めるところにより、一般競争入札に参加しようとする者の参加資格審査申請を待って、定期又は随時に、その者が当該資格を有するかどうかを審査しなければならない。
3.契約担当者は、第1項の資格を有する者の名簿を作成しなければならない。
(以下略)

この規定は一般競争入札のみならず、随意契約においても準用されます。
随意だからだれでもOKではありません。
入札資格者(業者の登録)は「あいち電子調達共同システム」の業者名簿に登録されます。
これはインターネットで見られます。

瀬戸市では業者登録の定時受付申請要領の冒頭に次のとおり明記されています。
瀬戸市が発注する物品の販売、製造の請負、買受け、リース等の競争入札(見積)に参加するには、あいち電子調達共同システム(物品等)の業者名簿に登録されていることが必須の条件となります。

市から発注するいかなる事業においても、金額にかかわらず審査を経た相手方の中から選定することを原則としています。

さて問題の事案ですが、表紙を変える(役所のどなたが発案したのか存じませんが)にあたり、随意契約者にその旨の通知(相談、提案)はしていません。
また複数業者からの見積書を取りませんでした。
契約金額が30万円以下だったため、一名のみの見積書でも規則違反ではありませんが、
瀬戸市契約規則第25条の2に、契約担当者は、随意契約による契約をしようとするときは、なるべく2人以上の者から見積書を徴さなければならない。とあります。

10月1日号を受注したAさんは業者名簿への登録はありませんでした。
入札参加資格審査もなく、業者登録もされていないまま随意契約を交わしたのです。

登録業者以外の者へ発注する場合、瀬戸市行政課は下記のとおり指導しているそうです。
随意契約であり、業者登録のない者に発注せざるを得ない相当の事情がある場合(例えば、一度きりの発注であり、当該相手方が県外在住等のため、愛知県内及び瀬戸市においてこの後に受注する機会が想定されないなど)がありますが、その場合でもその者に発注する理由(令第167条の2第1項の第何号にどのような理由で該当するのか)
その者が市の発注の相手方としてふさわしいこと(業者登録審査に代わり、市として及び担当課として、適切であることを証明する内容)を明記して決裁を仰ぐべき。

今年度の随意契約者も、同業他社も今回の90周年記念表紙の作成にはふさわしくなかったので、10月1日号はAさんと、10月15日号はB社が適切であると判断したのでしょうか?

理由はどうあれ、なぜこのようなやり方で事務を執行したのか、筆者にはまったく理解できません。
高額ではないにしろ、本年度契約者以外にお金を使ったのは事実です。


次は学校跡地利用の問題。

来春開校の小中一貫学校「にじの丘学園」にともない、5つの小学校(道泉・深川・祖母懐・古瀬戸・東明)と2つの中学校(本山・祖東)が廃校となります。

行政側は本山中学校跡地利用は「民間活力を導入しますよ」と推し進めてきました。
これに対し、「ちょっと待った。公立学校が閉校するなら土地所有者に返せばいいじゃないか」と市民から異論が出ています。
11月17日付、中日新聞朝刊なごや東版に記事が掲載されました。

市のスケジュールでは、
本年6月14日から「公募型プロポーザル」の募集要項を配布します。
6月17日から質疑の受付をします。
6月21日から図面の閲覧ができます。

(公募型プロポーザルってなに?)
プロポーザル(proposal)とは提案、企画のことです。
市が業務の委託先や建設物の設計等を選ぶときに、「うちのアイデアです。」と業者から提案してもらい、「ここのアイデアが一番いいね。」と選定するやり方です。

6月22日に現地見学会
8月26日から応募書類の受付
9月17日に優先交渉権者の決定
11月中旬に建物譲渡の仮契約
12月定例会の議会議決を経て、土地賃借と建物譲渡の契約
来年5月に土地と建物の引渡し

このように予定していました。

公募したのですが提案してきたのは、たった1社でした。
この会社の提案は「株式会社で学校(小学校等)経営したいんです。」という内容でした。
学校法人ではなく、株式会社で学校を運営するには、
「構造改革特別区域・教育特区」を国に申請し認可してもらわなければ開校できません。

申請の決裁権者は伊藤市長です。

国は各都道府県担当者あてに、
第49回構造改革特別区域の認定審査をするけど、申請するつもりの自治体(市町村)はありますか?
意向を調査してください。と8月29日に連絡しました。
「回答の期限は9月10日午後3時ですよ」「申請受付は9月13日から17日までですよ」

市は9月17日に優先交渉者を決定したんですよねぇ。
交渉者が決定するまえに、
「瀬戸市は教育特区の申請をする意向です。」と県に伝えたことになります。

9月4日に市は「公募型プロポーザル」の受付を締め切りました。
たった1社しかなかった提案で、しかも優先交渉権者であると決めるまえに、
伊藤市長は「株式会社の学校でいいね。国に教育特区の申請をしましょう。」と決めたのでしょうか。

ところが12月11日、国から「このお話、ちょっとまずいね。今回の申請は取り消してくださいね。」と通知が来たようです。
次の第50回構造改革特別区域の申請は来年1月10日。
県から「瀬戸市は次回どうするつもり」と聞かれているはずです。
どうするつもりなのか議会にも明確に報告されていません。(12月18日現在)

今回の「公募型プロポーザル」は非公開で審査されました。
市当局は審査内容はおろか、審査委員の情報公開を拒んでいます。

「この会社の提案でいいよね。」と合格させた審査会ですが、国は「ちょっとまずいよね。」と言ってきたのです。
どんな基準と採点で「合格!」と審査したのでしょう?

行政側は国の認可は大丈夫!と踏んで、12月定例会に関連2議案を上程するつもりだったようですが、国から待ったがかかったので議案は上程されずに18日定例会は閉会しました。

行政執行部はどうするつもりでしょうか。
あくまでも「この会社の提案」で押し切るのでしょうか。
どうするのですか、伊藤市長。
決裁権者はあなたですよ・・。


以前から当ブログは「決めること」より「決めかた」が大事と書いてきました。
伊藤市政は「意思決定過程」を丁寧に市民(議会)に説明することが不十分なのではありませんか。

市長と行政執行部に苦言を呈します。
市民(議会議員)はあなたたちとディベート合戦をしているのではありません。
市長はじめ、執行部の職責は「丁寧に説明し、納得してもらおうとすること」です。
決めたことを報告するのは説明ではありません。

「結果」よりも「過程」です。
リザルトよりもプロセスです。
コンセンサスを図るのがプロセスです。

大半の職員はがんばって仕事をしているのは承知のうえで、
今回はこのようなタイトルのブログをお届けしています。

読了いただきありがとうございます。




















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