広報せと2月1日号はお手元に届きましたか。
いろいろ指摘したいところがあるのですがそれは後日の話とするとして、
今回は遠そうで実は身近な話題から。
別冊市議会だよりNo.77の04ページをご覧下さい。
12月定例会の主な議案概要
条例及び単行議案
第49号議案 組織の改編についてです。
①から⑥に分けて主な内容が書かれています。
各項目に○○課を設けるとあります。
例えば①には産業課及び交流学び課を再編して産業政策課・ものづくり商業振興課・スポーツ課を設けるとあります。
③には市民協働の推進のため、交流学び課及び地域活動支援室を再編してまちづくり協働課を設けるとし、
⑥にはまちづくり協働課及びシティプロモーション課を市長直轄組織とする。
だ、そうです。
みなさんわかりましたか?
課を作るのはわかりますが、そこはいったい何するところ?
さっぱりわかりませんよね。
第49号議案とは「瀬戸市事務分掌条例の一部改正について」が正式な件名です。
条例は必ず議会の議決を経なければなりません。
なので条例改正案を議会に上程し、議会は賛成多数で可決しました。
事務分掌条例は「部の設置」に関することを定めているだけです。
では「課の設置」については?
それは「瀬戸市行政組織規則」で定められます。
何がどう違うの?
条例と規則のことを「法規文」といいます。
違いは、条例は議会の議決を経て制定される法規。
規則は地方自治法第15条に基づき、市長が制定する法規。
つまり課の設置(何を担当するのか)は市長の権限なのです。
議会に議案として上程する必要はありません。
まちづくり協働課って何するところ?
シティプロモーション課って何?
おそらく職員に尋ねても詳細はわからないでしょう。
市長が「直轄にする」と言ったのですから。
議決されたので今更ですが、「まちづくり協働」とか横文字でプロモーションとか、庁舎内や学術関係者で使うのならともかく、高齢化が進んでいる市民にとって何だかよくわからないことを「直轄」にして市長自ら動かしたいとおっしゃる。
市長が直轄で指揮するのは、団体自治の代表が市長であり他の自治体との連携が必要不可欠な事務に限られているのが多いのです。
防災や災害時の対応事務がこれに相当します。
大災害時には県や国、周辺自治体との連携が不可欠だからです。
しかし「まちづくり」は住民自治です。
「こんなまちづくりをしたい。」という住民の意思である住民自治に関する事務を直轄で動かしたい。というのは筆者の知る限り極めてまれな事例です。
話をもどしましょう。
市民生活と直接関わるのは「課」です。
各課は何をするのか市民に周知していただかねばなりません。
規則は行政管理部が原案を取りまとめて市長決裁を仰ぎます。
市長は変更訂正箇所があればそれを指示します。
そして各担当者で構成する審査会で決めて、市長決裁となります。
決まった規則の法文は(株)ぎょうせいに出され(愛知県は名古屋市錦にあります)印刷物となり、瀬戸市例規類集に綴じられて、初めて市役所1階で閲覧できるようになります。
法的には4月1日公布で問題はありませんが、見てきたように新しい課や直轄の課もあるので、早く市民に公表して新年度までに周知徹底させるのが市長としての説明責任であり、政治責任です。
少なくとも筆者の周囲に「市長直轄にしてほしい」と要望した市民はひとりもいません。
とくに直轄組織の分掌内容は、おそらく執行部内で議論を重ね合意形成を経たというプロセスではありますまい。
ここでは深く書きませんが、「聞くこと第1」とおっしゃるわりに、コンセンサスとプロセスをなおざりにする傾向が強いようにお見受けいたします。
一日でも早く改正した「瀬戸市行政規則」を公開すべきです。
次は議会の話題。
今年度は例年よりも多くの自治体議会が行政視察に瀬戸を訪れています。
悪い話ではありませんが面映い気もします。
先日1月25日には千葉県流山市議会の方々と瀬戸市議会の議会改革推進特別委員会との合同勉強会が開かれ、筆者の傍聴も許可されました。
わたしの感想?
聞けば聞くほど、現行の議会規則や運営慣例と「乖離」していくようで・・
「有言実行できます?・・」と独り言ささやいております。
今後も注視していきます。
その議会改革推進委員会はあす30日と31日、福島県会津若松市議会を行政視察します。
本年度に議会基本条例を制定したばかりの本市議会とは内容、経験ともにまだ相当差がありますから、文字通り参考、勉強の視察となるでしょう。
ご存知のように会津若松は今も「維新」とは言わず「戊辰」と言います。
会津藩校日新館では文武両道、医学、天文学などトップレベルの教育を行ってきました。
鶴ヶ城のそばには日新館天文台跡の遺構しかありませんが、少し離れた高台に博物館でもある現代の「会津藩校日新館」が建てられています。
会津藩は地域を区分けして藩校に入る前の子どもたちに10人ほどのグループ「什」を作らせ、しつけを学び自分たちで反省会も開いていたそうです。
この基本の教えが7か条からなる「什の掟」です。
有名な「ならぬことはならぬものです」という教えです。
今も「あいづっこ宣言」として子どもたちに受け継がれています。
視察に行かれる委員のセンセたちにご助言、というかお願い。
「風土がつくる市民意識について」を、
ぜひ意見交換会の場で、一献酌み交わしながら会津若松市議たちとお話してください。
地方自治は行政議会の制度設計だけが課題ではありません。
首長、議会議員を選択し、負託された政治家たちがどう仕事をするのか(させるのか)。
この基本となるのが住民意識であり、その意識を醸成させるひとつが風土ではないだろうかと考えています。
会津の酒は美味しいですよ。(福島に勤務したとき何度か会津を訪ねました)
2次会に行かれるなら、堀内孝雄の「愛しき日々」をおススメします。
今回も読了いただきありがとうございます。
いろいろ指摘したいところがあるのですがそれは後日の話とするとして、
今回は遠そうで実は身近な話題から。
別冊市議会だよりNo.77の04ページをご覧下さい。
12月定例会の主な議案概要
条例及び単行議案
第49号議案 組織の改編についてです。
①から⑥に分けて主な内容が書かれています。
各項目に○○課を設けるとあります。
例えば①には産業課及び交流学び課を再編して産業政策課・ものづくり商業振興課・スポーツ課を設けるとあります。
③には市民協働の推進のため、交流学び課及び地域活動支援室を再編してまちづくり協働課を設けるとし、
⑥にはまちづくり協働課及びシティプロモーション課を市長直轄組織とする。
だ、そうです。
みなさんわかりましたか?
課を作るのはわかりますが、そこはいったい何するところ?
さっぱりわかりませんよね。
第49号議案とは「瀬戸市事務分掌条例の一部改正について」が正式な件名です。
条例は必ず議会の議決を経なければなりません。
なので条例改正案を議会に上程し、議会は賛成多数で可決しました。
事務分掌条例は「部の設置」に関することを定めているだけです。
では「課の設置」については?
それは「瀬戸市行政組織規則」で定められます。
何がどう違うの?
条例と規則のことを「法規文」といいます。
違いは、条例は議会の議決を経て制定される法規。
規則は地方自治法第15条に基づき、市長が制定する法規。
つまり課の設置(何を担当するのか)は市長の権限なのです。
議会に議案として上程する必要はありません。
まちづくり協働課って何するところ?
シティプロモーション課って何?
おそらく職員に尋ねても詳細はわからないでしょう。
市長が「直轄にする」と言ったのですから。
議決されたので今更ですが、「まちづくり協働」とか横文字でプロモーションとか、庁舎内や学術関係者で使うのならともかく、高齢化が進んでいる市民にとって何だかよくわからないことを「直轄」にして市長自ら動かしたいとおっしゃる。
市長が直轄で指揮するのは、団体自治の代表が市長であり他の自治体との連携が必要不可欠な事務に限られているのが多いのです。
防災や災害時の対応事務がこれに相当します。
大災害時には県や国、周辺自治体との連携が不可欠だからです。
しかし「まちづくり」は住民自治です。
「こんなまちづくりをしたい。」という住民の意思である住民自治に関する事務を直轄で動かしたい。というのは筆者の知る限り極めてまれな事例です。
話をもどしましょう。
市民生活と直接関わるのは「課」です。
各課は何をするのか市民に周知していただかねばなりません。
規則は行政管理部が原案を取りまとめて市長決裁を仰ぎます。
市長は変更訂正箇所があればそれを指示します。
そして各担当者で構成する審査会で決めて、市長決裁となります。
決まった規則の法文は(株)ぎょうせいに出され(愛知県は名古屋市錦にあります)印刷物となり、瀬戸市例規類集に綴じられて、初めて市役所1階で閲覧できるようになります。
法的には4月1日公布で問題はありませんが、見てきたように新しい課や直轄の課もあるので、早く市民に公表して新年度までに周知徹底させるのが市長としての説明責任であり、政治責任です。
少なくとも筆者の周囲に「市長直轄にしてほしい」と要望した市民はひとりもいません。
とくに直轄組織の分掌内容は、おそらく執行部内で議論を重ね合意形成を経たというプロセスではありますまい。
ここでは深く書きませんが、「聞くこと第1」とおっしゃるわりに、コンセンサスとプロセスをなおざりにする傾向が強いようにお見受けいたします。
一日でも早く改正した「瀬戸市行政規則」を公開すべきです。
次は議会の話題。
今年度は例年よりも多くの自治体議会が行政視察に瀬戸を訪れています。
悪い話ではありませんが面映い気もします。
先日1月25日には千葉県流山市議会の方々と瀬戸市議会の議会改革推進特別委員会との合同勉強会が開かれ、筆者の傍聴も許可されました。
わたしの感想?
聞けば聞くほど、現行の議会規則や運営慣例と「乖離」していくようで・・
「有言実行できます?・・」と独り言ささやいております。
今後も注視していきます。
その議会改革推進委員会はあす30日と31日、福島県会津若松市議会を行政視察します。
本年度に議会基本条例を制定したばかりの本市議会とは内容、経験ともにまだ相当差がありますから、文字通り参考、勉強の視察となるでしょう。
ご存知のように会津若松は今も「維新」とは言わず「戊辰」と言います。
会津藩校日新館では文武両道、医学、天文学などトップレベルの教育を行ってきました。
鶴ヶ城のそばには日新館天文台跡の遺構しかありませんが、少し離れた高台に博物館でもある現代の「会津藩校日新館」が建てられています。
会津藩は地域を区分けして藩校に入る前の子どもたちに10人ほどのグループ「什」を作らせ、しつけを学び自分たちで反省会も開いていたそうです。
この基本の教えが7か条からなる「什の掟」です。
有名な「ならぬことはならぬものです」という教えです。
今も「あいづっこ宣言」として子どもたちに受け継がれています。
視察に行かれる委員のセンセたちにご助言、というかお願い。
「風土がつくる市民意識について」を、
ぜひ意見交換会の場で、一献酌み交わしながら会津若松市議たちとお話してください。
地方自治は行政議会の制度設計だけが課題ではありません。
首長、議会議員を選択し、負託された政治家たちがどう仕事をするのか(させるのか)。
この基本となるのが住民意識であり、その意識を醸成させるひとつが風土ではないだろうかと考えています。
会津の酒は美味しいですよ。(福島に勤務したとき何度か会津を訪ねました)
2次会に行かれるなら、堀内孝雄の「愛しき日々」をおススメします。
今回も読了いただきありがとうございます。