瀬戸市民言論広場

明るい未来社会をみんなで考えるために瀬戸市民言論広場を開設しました。

残暑お見舞い申し上げます。

2023年08月13日 | お知らせ
立秋までは暑中お見舞い、立秋過ぎれば残暑お見舞いですが、今年は「酷暑お見舞い」と申し上げたい日が続いています。
読者のみなさまはお変わりございませんか、どうぞご自愛ください。

さて、当ブログは瀬戸市行政と議会のことを中心に綴っています。
特に夏期には財政をテーマにして書いてきました。
これは国からの次年度地方交付税が決まること、9月定例会で決算審査があるためです。
地方交付税法第10条に、
 総務大臣は、毎年度交付すべき普通交付税の額を遅くとも、毎年八月三十一日までに決定しなければならない。
と定められています。

財政や決算審査については過去に当ブログで取り上げてきましたので、詳細は下記バックナンバーをご参照ください。
2020年8月1日付 「葉月は予算の季節」
同年 8月3日付 「前稿の追加」
2021年7月20日付「財政の季節」
同年 8月29日付「令和3年9月定例会」

新型コロナウイルス感染症対策として、政府は令和2年4月「緊急経済対策」、令和2年12月「総合経済対策」、令和3年11月「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」、そして令和4年10月「地方公共団体が地域の実情に応じて、きめ細やかに必要な事業を実施できるよう、『新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金』を創設」をそれぞれ閣議決定してきました。
予算総額は18兆3260億円(令和2年第1次補正から令和5年3月閣議決定まで)の規模です。
地方創生臨時交付金は、コロナ対応の取組である限り、原則、地方公共団体が自由に使うことができます

これらの経済対策により自治体の一般会計は、当初予算より大幅に歳入歳出が増加しました。
瀬戸市も
令和2年度当初予算387億4千万円から552億4千万円に増加。
令和3年度当初予算390億2千万円から462億円に増加。
そしてこの9月定例会で決算審査される令和4年度は、
当初予算401億円から456億円に増加しました。
これら年度途中の増加は一般会計補正予算としてその都度議会に提出され可決した結果です。
令和4年度中に13本の一般会計補正予算が出されました。

出納の正誤ではなく、執行された各事業がその目的とした施策効果を得られたのか否か、市民代表機関として議会(議員)は執行部と議論することが「決算審査」です。
上記のとおり、地方創生臨時交付金は自治体にとって「極めて使い勝手の良い」お金でした。
9月定例会は8月18日招集告示、同月29日本会議開会、9月21日までの日程が予定されています。

【参考】
『財務状況把握の結果概要』より 令和4年12月21日 東海財務局理財部融資課

瀬戸市の財務状況把握結果の総合評価
今後の見通し(令和7年度)債務償還能力→やや注意 資金繰り状況→注意
 行政経常収支率と積立金等月収倍率が少々低下しているため

留意点として
 財政面において、フロー面では、行政経常収支率は足元では改善がみられるものの、扶助費や公立陶生病院組合に対する負担金の増加により、低下傾向にある。また、ストック面では、実質債務はにじの丘学園建設事業に伴い令和元年度に一時的に大きく増加したものの、総じて減少傾向にあり、令和3年度は積立金等の増加などにより、平成30年度の水準まで改善した。

 今後、直近において工場等の新規立地が予定されているものの、長期的には少子高齢化の進展による減収や社会保障関係経費の増加が見込まれる。さらに、保有する公共施設の約5割が既に築40年を経過していることから、公共施設の維持・更新とその財源確保が課題となっている。

 こうした中、貴市では平成27年度に財政運営の指針として「新財政規律ガイドライン」を策定し、健全性の確保と持続可能な財政運営に努めている。また、毎年度更新する「中期事業計画」において、公共施設の集約化や事務事業の見直しなど財政基盤強化の取組みとともに、地域資源を活かしたシティプロモーションの展開や土地区画整理事業の実施など地域活性化に向けた取組みを進めている。

 引き続き、目指す将来像「住みたいまち 誇れるまち 新しいせと」の実現に向け、「中期事業計画」に基づき、公共施設等の総合管理や歳入強化・支出削減のための施策の着実な推進に努められたい。
(以上、一部抜粋)

今年もまもなく市の財政課から、瀬戸市の財政状況・決算カード(普通会計)・基金決算額(普通会計)・決算に係る主要な施策の成果に関する報告書等が公表されるはずです。

志高く、市議会議員となられた諸氏の定例会発言に期待しつつ、筆を置きます。

今回も読了いただきありがとうございます。





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定例会詳報 平易版

2023年08月02日 | お知らせ
前稿でお伝えした補正予算(第44号議案)の内容や採決について、もう少し分かり易く説明してほしいとのご要望をいただきましたので、あらためてお伝えします。

市の予算は一年単位で作成されます。毎年3月定例会に市長側から議会に提案されます。
これを当初予算(本予算)といいます。
当初予算が成立したあとに、追加すべき事業が発生したり、当初予算を作成するときに予測できなかったことが生じたりします。
この場合、予算を変える必要があります。(主に歳出予算を増やすとき)
市長側から議会に提案され、議会の議決(承認)を経て成立します。
これが補正予算です。
*予算については必ず議会の議決(承認)が必要です。

補正予算は瀬戸市が独自に行う事業だけでなく、国県が実施すると決めた事業が市に委託されてくることもあります。
新型コロナウイルスの影響でここ数年、国県から委託される事業が増加しています。

それでは今回の令和5年第44号議案 瀬戸市一般会計補正予算(第4号)の内容を見てみましょう。
補正総額 13億2147万5千円の案でした。

◎消防費
 〇名古屋市等との消防指令業務共同運用 182万8千円
  この事業は名古屋市等と消防救急デジタル無線を共同で運用するため、整備に必要な基本調査に係る費用。
 〇消防庁舎施設管理 670万円
  消防庁舎の老朽化に伴い、消防新庁舎に係る基本構想・基本計画の作成のための費用。

◎教育費
 〇菱野団地小中一貫校整備費 1956万9千円
  令和8年度の小中一貫校の開校に向け、八幡小学校校舎の長寿命化改良工事に係る設計業務委託費。
 〇適応指導推進 2346万9千円
  増加傾向にある支援を必要とする子どもが安心して過ごせる居場所づくりのため、県の補助金を受け支援員、相談員等を配置。
 〇小学校施設整備 1578万5千円
  效範小学校の長寿命化改良工事に係る設計業務委託費用。
 〇中学校施設整備 1998万7千円
  増加傾向にある支援を必要とする子どもが安心して過ごせる居場所づくりのため、国庫補助金を受け中学校の空き教室等に空調設備設置などの環境整備費。
 〇地区公民館等施設整備 2673万円
  長寿命化計画に基づき、八幡公民館の長寿命化改修工事に係る費用。

◎衛生費
 〇会計年度任用職員 337万9千円
 〇資源ごみ分別処理 8644万5千円
  燃えるごみ・燃えないごみ手数料を改正するため、手数料表記の変更に係る委託費用や人件費。
 〇燃えるごみ・燃えないごみ処理手数料(歳入減額1億8303万5千円)
  燃えるごみ・燃えないごみ処理手数料を改正することにより、見込んでいた手数料収入を減額。

◎民生費 
 〇電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金 5億37万7千円
  住民税非課税世帯に対して1世帯当たり3万円を給付(政府決定事業)
 〇せと電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援金給付 3億円
  住民税非課税世帯に対して1世帯当たり2万円を給付(瀬戸市独自事業)

◎教育費
 〇学校給食調理 4590万円
  エネルギー・食料品等の物価高騰対策として、学校給食費の値上げをすることなく給食を提供するため、賄材料費を増額。

◎商工費
 〇まるっとミュージアム推進 100万円
  本市への誘客を図り、市内観光事業者を支援するため、おもてなし観光タクシー料金等の一部補助。

◎衛生費
 〇予防接種調査委員会委員4人 5万9千円
 〇新型コロナウイルスワクチン接種 1億7083万8千円
  新型コロナウイルスワクチンの追加接種を円滑に実施するため必要な経費。
 〇新型コロナウイルスワクチン接種支援事業補助金 1920万円
  新型コロナウイルスワクチンの個別医療機関での接種を促進するため、要件を満たす回数の接種を行った診療所に対する補助金。
 *この衛生費は国・県からの支出金です。(瀬戸市独自事業ではありません)

上から3番目の「◎衛生費」がごみ袋値上げ凍結に関連した事業で、凍結賛成の議員たちから出された修正案が可決し、約4740万円の支出を削減しました。
前稿でお伝えしたとおり、本会議ではこのごみ袋凍結に関連する衛生費とその他の事業案とを分離して採決が諮られました。
ごみ袋値上げ凍結に反対した12名の議員は、分離して採決が諮られたその他の事業案(原案)にも反対しました。
上記の通り、原案には政府が決めた給付金やワクチン接種なども含まれていました。
また本市独自事業として、給食費値上げを避けるための賄材料費の増額や、公共施設の維持管理など市民生活に直結したものばかりです。
これら原案のうち、どの事業のどの部分に反対だったのかなど、その理由を私たち市民は一言の説明も聞かされることなく12名の議員は反対を投じました。

筆者は政治家が覚悟と信念をもって議案に反対することに何ら異を唱えるものではありませんが、反対した理由を表明することなく定例会が閉じられてしまったことに強い疑義を抱いています。
「結果的に可決したのだからそれでいいだろう」ならそれは違うと申し上げたい。
政治家は市民に対し説明責任があります。
もしも反対多数で原案が否決となっていたなら、国が決めた生活支援給付金もワクチン接種も事業執行ができない状態に陥っていました。

広報せと8月号 別冊議会だよりには第44号議案瀬戸市一般会計補正予算は修正可決(賛成多数)とだけ掲載されています。
第35号議案「ごみ袋凍結案」について大きく取り上げられているのは当然としても、読者のみなさまには市民生活に影響を及ぼす補正予算原案に対し、その理由を表明することなく12名もの議員が反対したことにも、関心を持っていただきたいと思います。

補正予算原案に反対した議員は下記の12名です。(敬称略)
自民新政クラブ 黒柳知世・颯田季央・山内精一郎・高島淳・西本潤・朝井賢次・小澤勝・宮薗伸仁・冨田宗一・三木雪実
無会派 高桑茂樹・伊藤賢二

今回も読了いただきありがとうございます。






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