瀬戸市民言論広場

明るい未来社会をみんなで考えるために瀬戸市民言論広場を開設しました。

視点・観点・論点 第14回

2016年12月27日 | お知らせ
第14回は「行政の体質改善」



ひとは見たいものから見ようとします。
ひとは興味あることから知ろうとします。
楽しければいいと思考を止めるひともいます。
難しいことは避けようとするひともいます。

行政は見て欲しいものを映さなければいけません。
行政は関心を持ってほしいことを示さなければいけません。
たとえ楽しくない話であっても。

その行政が見て欲しくないものを抱えているとすれば、
知って欲しくないことを隠しているとしたら、
市民は共に歩めません。
何かを暗示しようと書いているのではありません。
仮にの話です。
あしからず。



さて少子高齢化、人口減少が叫ばれて久しいのですが、
いくつか瀬戸市の現状を示す数字をご紹介します。
まず12月定例会に出された12月補正予算です。

●介護保険事業:91億8000万円(当初予算)
       +2408万8千円(9月補正)
       +988万7千円(12月補正)
 合計92億1397万5千円
 対前年同期比=104.6%

●後期高齢者医療:16億5800万円(当初予算)
        +12万円(12月補正)
 合計16億5812万円
 対前年同期比=107.5%

一般会計は対前年同期比=97.9%です

公共建築物とインフラ資産の修繕・更新に係る費用は、
『今後40年間で総額2953億円』と試算されています。
平均で年間約70億円も必要。

歳入は・・
市民税法人
 平成26年度決算額=15億855万1528円
 平成27年度決算額=14億5180万9500円
市税全体
 平成26年度決算額=180億8332万297円
 平成27年度決算額=180億6505万3402円
固定資産税
 平成26年度決算額=69億8234万6640円
 平成27年度決算額=69億503万4786円

暗い話ばかりで恐縮ですが、注目したいのは「公立陶生病院」の経営。
愛知医科大病院の増改築、高蔵寺徳州会病院の新築などの影響が現れているようです。
赤字経営となっています。

歳出のなかでも社会保障制度に基づいた「扶助費」は平成18年度44億5800万円でしたが、平成27年度83億9500万円と10年で倍増しています。

以前にもお伝えしましたが、行政がある程度自由に使えるお金は、大よそ一般会計予算の5~6%だろうといわれています。
瀬戸市の場合、約17,8億円でしょうか。

さてここからが論点です。

個別の事業は書きませんが、本市は政策効果の未来像(アウトカム)に対する精査がとても「甘い」。
第6次基本計画にある都市像。
コトバは綴られていますが、目標値の設定理由や根拠に対する議論が「甘い」。
市ホームページ、
中期事業計画【第6次瀬戸市総合計画 平成29年度実施計画】の策定について
をご覧下さい。

歳入確保の事業と謳いながら、将来いくら稼げる(税収が入ってくる)ようにしたいのか、なぜその事業が活力ある地域経済となる政策なのか。
肯定否定のまえに「本音の議論」を尽くしたのでしょうか。

どうも本市は「本音の議論」「核心の議論」を避けようとする体質のようです。
今まで都市経営が窮地になったことがない「恵まれたまち」だったからなのでしょう。
地方創生は限定的な資源しかない地域に成功例が多いといわれています。
「それしかないから」

失礼ですが、行政マンはお金を使うことしか知りません。
都市経営を本気で議論するのなら、そろそろイベントやセミナーは控えられたらいかがか。
PRパンフレットやリーフレットを作成するときも、マーチャンダイジングの観点があまりに希薄なようです。
ターゲットの戦略戦術がないので、作成してから「どこに置いておこう?」

極論を直言します。
行政がしなければならないのは「民間のひと探し」ですよ。
イベントやセミナーの企画ではありません。

まちをブランド化しよう!
で、それでどうするのですか?
販売戦略はだれが指揮するのですか。
まちのあらゆるリソースを商品化して市場に打って出ないのですか。
DMOは視野に入っていないのですか。
稼ぐ力とはしないのですか。

行政マンの資質を問うているのではありません。
行政ができることは限られているのです。
本気の議論ができる「場」と「空気」は庁内で確保されていますか。

瀬戸市は約700名の職員が働いています。
若手職員の企画議論は風通しよくできていますか。
既得権者に傾いてはいませんか。
中枢幹部で議論を牛耳ってはいませんか。
当ブログ、視点・観点・論点第7回「出羽守」でお伝えしたように、瀬戸市の行政公開は周辺市町と比べても遅れに遅れています。
そうしたのは若手たちではないでしょう。

平成28年度決算から統一公会計で行われます。
転入促進、企業誘致、ブランディング、起業促進、観光・・・。
もはや目標指数は「にぎわい」ではないでしょう。

話はそれますが、「まるっとミュージアム」はどうするのか、止めるのか、発展させるのか、市民に馴染まれているだけに今後どうするつもりなのか、丁寧な説明が求められます。

トップは個々の事業アイディアではなく「本気の議論」ができる組織作りに指導力を発揮していただきたい。
組織も身体も新陳代謝が必要です。
第6次総の10年は「坊ちゃん行政・菓子まき政策」では運営できないでしょう。

今回も読了いただきありがとうございました。

この一年、ご愛読いただきありがとうございました。
視点・観点・論点シリーズの年内投稿は終わります。
来年もよろしくおねがいいたします。

みなさま、良いお年をお迎えください。
                敬具












   

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視点・観点・論点 第13回

2016年12月21日 | お知らせ
第13回は「論点深化」

「事件撤回請求」は瀬戸市議会史上4回目だそうです
昭和30年代に2回、昭和50年に1回、そして本年12月定例会。
実に40年ぶりの議案撤回でした。

この定例会は多くの宿題を残したと考えます。
決して「終わったこと」にしてはいけません。
本稿では論点を深堀して、みなさんと今後の宿題を考えていきます。

政治家はコトバが命です。
長も同じです。
いかにして自らの信念や政策を説得し納得してもらうか?
この一点のためコトバを紡ぎ訴えます。
聞き手はそのまなざしに、その一挙一動に、一言一言に、話者の思いを計ります。

さる12月12日、瀬戸市議会初の連合審査会が開かれ、午前十時に始まった審査会は昼休憩を挟んで午後3時ころまで行われました。
この間、議案提出者である市長は、一言も発言されていません。
どうしても実行したい議案であったのならば、26人全議員に対しご自身のコトバでその必要性を懸命に説得し、納得してもらおうとされたのではないでしょうか。
心中のほどは推察する他ありませんが、なぜ部下に答弁を任せ、ご自身は一言も発せず説得を試みようとなさらなかったのか。
なぜ議員たちから厳しい質疑がでたのか。何が原因とお考えなのか。

政治、行政はマンパワーの結集で動きます。
機械仕掛けではありません。
最大限のマンパワーを結集するには、議論のコンセンサス、つまり意見の合意形成をどういう仕組みでどれだけ丁寧に行っているのか。というプロセスが重要です。

コンセンサスをとるのは「ひと」です。機械ではありません。
だから組織最適化のカギは人事です。
現市政は全体最適化になるような人事なのでしょうか。
部分最適化となってはいないでしょうか。
人事のことは、市民の負託を受けられた長が深くお考えになり、ご判断されるほかありません。
事務事業企画とは違い、絶対に職員たちが口にすることはありませんが、最も注視しているのが人事です。
職員たちの心の深淵は長がお聞きになるほかありません。
庁内のモチベーションが低下した状態は、納税者にとって損失なのです。
人事権を握る長が起こしてはいけないのが、職員のモチベーション低下です。
具体的数値化できないだけに、この状態になるとヤッカイです。

マンパワーを必要とする組織は適正が第一で、人間関係はその後の話です。
安倍首相でさえ第1次内閣時にはミスしました。
今回の撤回騒動は果たしてその議案内容が全ての原因だったのでしょうか。
庁内コンセンサスとプロセスに起因はなかったのでしょうか。




議案は議会に上程され、提出者は議案説明を行います。
瀬戸市の場合ほぼ全ての議案は行政執行部から提出されます。

議会は議案内容により審査する常任委員会に付託します。
付託された委員会で質疑、討論を経て採決が行われます。
本会議において、委員会での質疑、討論、採決の結果が委員長から報告されたあと、議決となります。
これが大まかな「流れ」です。

前回でも触れましたが、議案の撤回請求に関して地方自治法に条文はありません。
各自治体の会議規則によります。
全国791市と23区で構成する「全国市議会議長会」という組織があり、この会で「標準市議会会議規則」が作られています。
瀬戸市会議規則もほぼ標準市議会会議規則に従って策定されています。

事件(議案)撤回は瀬戸市議会会議規則第17条にあり、標準市議会会議規則第19条にある条文と同じです。
議案の撤回は他の自治体でも発生しています。
しかし会議規則の解釈や運用はそれぞれ自治体により異なっています。

地方自治法や条例は法なので、書かれているのは「ルール」です。
「ルール」は勝手に解釈したり運用したりできません。
しかし規則は「マニュアル」なので、解釈や運用は異なってきます。

同じ議案の撤回といっても、上記した「流れ」のどの時点で提出者が撤回したいと請求したかによって解釈や運用は違ってくるでしょう。
提出者が有する「撤回請求権」と、審査付託を受けた議会が有する「議決権、監視権」との問題をどう解釈するのか。

ここが論点です。

提出者(今回は行政側)に撤回請求権はありますが、受け取る議会側が「直ちに受け取れ」とは書いていません。
「議会の承認を要する」と書いてあるだけです。

今回の撤回請求は26人全議員が参集した連合審査会の直後に出されました。
委員会での審査が始まる前に出されたのではありません。
連合審査会終了と採決権のある総務生活委員会の開催に、時間的区切りがありました。
もし通常の常任委員会審査だったなら・・。
委員会審査は質疑、討論、採決と会議は進みます。
討論を打ち切り、採決に入ろうとする委員長を制止し「撤回請求します」とできたでしょうか。

議案を預かっていた総務生活委員会が議案を採決するか、あるいは撤回請求を委員会として承認するか、という運用ができなかったのか。
撤回請求の承認可否を本会議で表決するまえに、まず議案付託された委員会の意思を諮り、本会議で委員長報告をさせ、全議員で討論したのち表決した自治体もあります。

会議規則第17条の条文改正も視野に、瀬戸市議会としての意思を市民に示していただきたい。

行政も議会も、法を破っていなければそれで良いわけではないでしょう。
今回事件撤回した第67号議案「事務分掌条例の一部改正」。
この条例は地方自治法第158条に基づいています。
「普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務を分掌させるため、必要な内部組織を設けることができる。この場合において、当該普通地方公共団体の長の直近下位の内部組織の設置及びその分掌する事務については、条例で定めるものする。」

逐条解説で、この条文の規定は、少なくとも長の直近下位の内部組織の設置及びその分掌事務については、条例で定める必要があるとしており、これ以外の内部組織の設置及びその分掌する事務については、長の定める規則等で定めることが可能である。としています。

必ず議会の議決が必要な条例はいわば最小限にとどめ、実際の行政事務を担当する「課」は規則で変えようとしたのです。
そう、なにも法令に反してはいません。
どのような組織にしようといていたのか、その組織図案さえ市民は知らされていないのです。
「知らせる必要はないと当局は判断した。」そう解釈するほかありません。

伊藤市政は何を期待されて誕生したのか。
議会議員の権能とはなにか。

12月定例会は終わりましたが、宿題は残ったままです。
年末年始は市長、議員が挨拶する機会が多くなります。
みなさん、普段以上に関心をもって傾聴してください。

今回も読了いただきありがとうございました。

次回は年内最終稿「行政の体質改善」をお届けする予定です。















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視点・観点・論点 第12回

2016年12月13日 | お知らせ
第12回は「12月定例会その四 連合審査会」

はじめに。
本定例会から委員会、本会議はYouTubeでご覧になれます。
議会情報番組瀬戸市議会で検索してください。

12月12日午前10時から瀬戸市議会で初の連合審査会が開かれました。
瀬戸市議会会議規則第70条:委員会は、審査又は調査のため必要があるときは、他の委員会と協議して連合審査会を開くことができる。
この会議規則に基づき、全ての常任委員会委員(全議員)が参集して審査します。
今回は第63号議案「第6次瀬戸市総合計画基本構想の策定について」と第67号議案「瀬戸市事務分掌条例の一部改正について」を連合で審査することになりました。
この二つの議案は総務生活委員会に付託されたものなので、連合審査会に「採決権」はありません。
連合審査会では議案の質疑と意見交換を行い、可否の採決は総務生活委員会で行います。

審査会のやり取りはYouTubeでご覧ください。

5時間30分に及んだ審査会の後、行政側が第67号議案を撤回したいと突然申し出てきました。
連合審査会開催も初めてですが、行政側が議案を撤回するというのも本市議会での記憶にありません。





さてここからが本稿の「視点・観点・論点」です。

行政側からの申し出に対し、議会側の取り扱いについて1時間以上議員間で折衝が行われました。
結果から報告しますと、戸田議長は撤回申し出を受け入れました。

なぜ総務生活委員会を開き、粛々と採決に至らせなかったのか。
採決をせず、撤回を受け入れるのなら、長時間に及ぶ審査会の審査は何だったのでしょう。
議会は議決権、選挙権、監視権、意思表明権、自律権等、種々の権限が認められ、その行使を市民から負託されています。
だから住民の代表機関と位置づけられているのです。

中でも重要なのが議決権です。
これは行政側から上程された議案審査の結果を議決するという単純な権限ではありません。
執行機関の行政執行の事前・事後の統制機能という役割。
そして地方公共団体の最終的な意思決定、自治体の最終的な意思決定を行う権限なのです。

常任委員会での採決を経ないまま、行政側の都合で出された撤回を受け入れたということは、極論すれば議会の議決権放棄です。
なにより採決をしていないのですから、行政側への「議会の意思」は何も表明していないことになりました。
このような議会運営が許されるのなら、審査会など開かずとも、議長が各議員に議案に対する意見を聴取して「どうやら議案反対議員が多数のようですよ、撤回しますかどうされますか?」と執行部に聞いたのとさして変らないでしょう。

案の定、行政側の撤回理由は「さらに熟考すること」です。
「可決いただけないようですから」ではありません。
これからもっと考えたいというのが理由です。

この書類は表記からしておかしなものです。

瀬戸市議会議長 戸田由久殿 
           瀬戸市長 伊藤保徳

「事件撤回請求書」

理由
瀬戸市議会12月定例会において上程されました、第67号議案 瀬戸市事務分掌条例の一部改正につきまして、本日開催の連合審査会での様々な意見を踏まえ、その内容についてさらに熟考することと判断いたしましたので、本議案につきましては、撤回をさせて頂きたいと存じます。また、それに関連する「第68号議案 行政組織改編に伴う関係条例の整理に関する条例の制定について」、及び「第85号議案 平成28年度瀬戸市一般会計補正予算(第6号)」につきましても、同様に撤回させて頂きたいと存じます。

と書かれています。
筆者には意味不明です。
提出者が議会に事件の撤回を請求???

「議案撤回承諾依頼書」と書くのが日本語ではないでしょうか。

議会は採決することなく「さらに熟考したい」という要求を認めました。
ならば近日にも「さらに熟考したので、議案上程します。ご審議ください」と行政側が言えば議長はどうするのでしょうか。

今回の議会運営は法的手続きに齟齬はありません。
地方自治法は議案の撤回など想定していないので、自治法に規定はありません。
その取り扱いは各自治体の会議規則によります。

瀬戸市議会会議規則第17条:会議の議題となった事件を撤回し、又は訂正しようとするとき及び会議の議題となった動議を撤回しようとするときは、議会の承認を要する。

この規則に基づきます。

論点は法的根拠ではなく、議会が行うべき役割の意義を議会人がどう捉えているのかという「理念」なのです。

瀬戸市議会は議会基本条例を策定中です。
案文には、議会機能の強化を諮り、市民の負託に的確に応えて・・・公正で民主的な市政の発展に寄与・・。
市長等執行機関に対し、適切な市政運営が行われているか監視し、評価する。
などなど、教科書的な美しいコトバがちりばめられています。

この基本条例の文言に留まらず、具現を示す絶好の機会を逸したと言わざるをえません。

戸田議長は「撤回するなら委員会採決後にしていただきたい」となぜしなかったのでしょう。
本会議場において撤回したいということに15名の議員が賛成、10名の議員が反対しました。

どうして委員会採決をしないまま撤回を承認したのか、市民に対し明確な説明責任があります。
まさか「市長が取り下げたいと言ってるのだから、まぁいいじゃないかぁ」という訳ではありますまい。

当ブログは再三提言してきました。
可でも否でも、その職責を忘れず、いつでも市民に説明できる覚悟で権能を使ってくださいと。

また、伊藤市長はなぜ撤回に至ってしまったのか。
熟考と言われるのなら、なにが未熟であり、原因は何だとお考えなのか。
首長として市民への具体的説明責任があるでしょう。

議会も首長も、無かったことにはできません。

第67号議案、組織改編について
9月定例会一般質問に
「検討中、検討中、検討中です」と理事者答弁。
  ↓
連合審査会の質疑に
「精査、精査の結果です!」と理事者説明。
  ↓
審査会後
「熟考したいので撤回する」
議会
「わかりました承諾します」

みなさんご納得いただけますか?

議会は行政執行部のどこが、なにが問題なのか、
首長になにも言わないままに定例会を閉じるおつもりですか。
第67号議案に対し、議会は意思を示していません。
各議員が意見を言っただけです。(座談会だったのですかぁ)

今回も読了いただきありがとうございました。










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視点・論点・観点 第11回

2016年12月07日 | お知らせ
第11回は「12月定例会・その参」

議員15人の一般質問はすべて終り、常任委員会で議案審査が始まりました。
第9回、第10回でお伝えした連合審査会は12日午前10時から開かれることが決定しました。
12月定例会には第63号から第91号まで、計29本の議案が上程されています。
このうち第63号議案「第6次瀬戸市総合計画基本構想の策定について」と
第67号議案「瀬戸市事務分掌条例の一部改正について」は総務生活委員会での審査議案なのですが、他の常任委員会と連合して質疑や意見交換をしたほうがよいとなりました。

第67号議案は、第6次総合計画を実現するために必要な庁内組織改編、つまり「市役所の組織を変えたい」というものです。
交流活力部を廃止し、新たに地域振興部、こども未来部を設置。また上下水道部を本庁内に設置し、
さらに6次総における分野横断での連帯が必要な政策の達成のために、権限、責任、指揮命令系統を掌理する仕組みとして『政策推進監』というポストを新設する、というのが議案の内容です。

さらに第68号議案は「行政組織改編に伴う関係条例の整理に関する条例の制定について」というもので、組織改編に伴い水道事業の権限に属する事務処理は『都市整備部』から『上下水道部(新組織)』に。
文化施設運営委員会の庶務は『交流活力部文化課』から『地域振興部文化振興課(新組織)』に。
子ども子育て会議の庶務は『健康福祉部子ども家庭課』から『こども未来部子育て支援課(新組織)』に。
女性活躍推進・男女共同参画審議会の庶務は『交流活力部交流学び課』から『まちづくり協働推進室(新組織)』に。
空家等対策協議会の庶務は『都市整備部都市計画課』から『都市整備部建築課』に。
それぞれ所管が移行するという内容の議案です。

第63号議案の6次総を議会で可決して、第67号議案の実現するための組織改編を議会で可決して、第68号議案にある新組織へ所管を変える。
そのために必要なお金を第85号議案の補正予算として組まれています。
第63号、67号、68号、85号は深く関連した議案なのです。

12月7日の総務生活委員会で第63号と67号は12日の連合審査会で、68号と85号は審査会の事後に扱うことになりました。

第64号議案「瀬戸市デジタルリサーチパークセンターに係る指定管理者の指定について」は委員から、組織改編後に所管部署が変更されるとなっている。また指定管理者の選考審査会も部署変更を加味せずに審査したのではないか。
これらにより今日の時点で議案を審査することは合理性がない。という意見があり、審議手続き等を巡って委員会は約1時間30分ほど中断しました。
委員会休憩中に議会内折衝した結果、指定管理者との指定についてが審査内容であり、たとえ所管部署が変っても瀬戸市が指定契約をした事実に間違いない。ということで委員会審査を再開し、討議採決の結果賛成多数で「可」となりました。




議会は自治体に必設の議事機関です(憲法第93条)。
住民の代表機関として地域の問題を議論し、執行機関に対する監視・牽制を行い行政の公正・適正を確保する役割を担っています。
議会権限として特に重要なのが議決権です。
これは自治体の最終的な意思決定を行使する権限です。
しかし地方自治法第96条により、議決できる事項が定められています。
条例制定や改正は必ず議会の議決が必要ですが、「規則」「要綱」などは必要ありません。

ここが視点・観点・論点です。

上記の第64号議案は議案上程の審査内容という視点では、将来所管部署が変更されることは直接的に審査対象ではない。という論立てを意味します。
その一方で、議案外は行政権限に委ねることを議会が認めたという視点も成立します。
今回の事例では、指定管理者の指定が適格か不適格かだけを審査対象とする議案なので、議決後はどこの部署に所管を移しても行政側の権限でいいですよ。同じ行政内なのですからということです。

第67号議案の審査対象範囲はどこまでなのでしょう。
政策推進監を設けること、交流活力部を廃止し新たに地域振興部、こども未来部、上下水道部を設けること。
これが審査対象でしょうか。

行政組織の「最前線」は部ではなく課です。
各課の課長以下、課長補佐、主査たちが事業企画を作成して企画会議を行っています。
具体的に事務事業を作成しているのは「課」です。
「部」は管轄課を統制しているに過ぎません。
そして各課がどのような事務を処理し分掌するのかを定めているのは、
『瀬戸市行政組織規則』です。
条例ではなく規則です。

つまり議決が必要な条例さえ「可」となれば、規則や要綱は行政権限内となり議会の手を離れます。
もちろん人事もです。
「アトはお好きにどうぞ・・」と議会が認めるに等しくなります。
執行部側から視れば、議決事件さえ「可」としてくれれば「アトはこちらでやりますので・・」ということです。

常任委員会は上程された議案の審査と毎年恒例化している「先進地視察旅行」で善しとしますか。
本会議からの付託に関わらず、委員会の所管に係る事務の調査権限も行使できる(しなければならない)ことをお忘れなきよう。

12月12日午前10時から開かれる連合審査会は全議員出席での質疑、意見交換の場となります。

瀬戸市議会は議会基本条例を策定中です。
来年1月15日から基本条例の市民意見を公募します。
大学教授を講師とし、議員研修会も始めました。

議員のみなさんへ。
議案に対し、可であれ否であれ、
あなたの判断理由を市民に堂々と説明できる。と言えるまで熟慮して可否を決断いただきたい。
そうでなければ、議会基本条例はタダのフィクションと化します。

市民のみなさんへ。
機会があれば議員に可・否の判断理由を詰問してみてください。
次期改選時の投票選択の参考となるでしょう。

再度、言論広場から申し上げます。
可でも否でも、議員の職責と権能に従ってご判断いただきますよう。

今回も読了いただきありがとうございました。
















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