ユニセフ大使をしている芸能人は

今年もクリスマスがやってきます。
クリスマスの時期になると、随分昔のことですが、ある芸能人のことを思い出します。
ユニセフの大使とかになって、アフリカの恵まれない子の為に寄付を募っている人なのです。
それで、その芸能人に交通遺児の為のチャリティー講演会を頼むことにしたのです。
芸能事務所に頼むと当然のことですが、交通費と出演料を要求されました。私どもからすればちょっとお高いかなと思う金額ですが、芸能事務所によれば、チャリティーの趣旨を理解しての格安料金だそうです。
それでも、彼女を呼んでの講演会をすれば、私達の活動が広く人に知らせることができると言うことで、いろんな人がボランティアでそれこそ手弁当で駆けつけて来てくれました。
出演料も先払いというのでみんなの協力で交通費と出演料を送金して、ポスターを作っていろんな処に協力依頼をして、それなりの募金が集まって、何とか募金の目標百万円を集めることができるという時になって芸能事務所から連絡がありました。
芸能事務所の言い分は「出演料と交通費は頂きましたが、実は彼女、子供を産んだばかりで、そちらに行くのにはベビーシッターを頼まなければならないのでその費用を持って欲しい」というのです。
出演料もそこそこ取っているのに、なおかつベビーシッターを雇う費用を持てと言うのです。しかも、講演まで１ヶ月前の時期になってから連絡してくるなんて。今更、講演中止というわけにはいかないので仕方ないと諦めたのですけど、なんとその費用が百万だというのです。東京からこちらに来て一日講演して帰るのに雇うベビーシッターの費用が百万。
どう説明されても納得できる金額ではないのですが、この時期に講演中止となると中止のための費用もかかるし、なんと言っても先払いの出演料等が違約金として没収になるのです。普通出演料にそんな費用含んでいるのが本当でしょう。
それか、最初から出演料と同額程のベビーシッターの費用がかかると言われていたら、最初から頼まなかったのに、この時期になって追加費用を要求するなんて、と皆が憤りを覚えたのです。
仕方なく支払って、予定通り講演会は行いました。
当の芸能人が「皆様、よろしくお願いします」と言われても誰も返事もしないのでした。
もちろん当日はスタッフ全員にお弁当を配りましたが、芸能人とスタッフには何も用意しませんでした。
芸能人側のスタッフが「なんだ、ここは弁当の用意もしてねぇのか」と言うので「百万のベビーシッター料を取る方に、どんなお弁当を上げればいいかわからねぇので」と言うのが精々の嫌みでした。
交通遺児のために集めた寄付金は、全てその芸能人と芸能事務所に取り上げられたのです。
今でもその芸能人は、私の街では二度と呼ばれることがないと言われています。