夕焼け金魚 

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除夜の鐘を聞きながら

2013-12-31 | 創作
いよいよ今日で本年もおしまいです。
お正月は楽しいような、寂しいような。
「お正月 あの世の道への一里塚」とも言いますから。
年末は一年を振り返るつもりで、アルバムの整理とかして過ごします。
久しぶりに高校時代の卒業アルバムを出してきて、見直してみました。
自分の卒業写真アルバムなのに、じっくり見たことが無かったのです。
みんなとの集合写真の中に一枚だけ、女の子が笑いながらこちらに向かっている写真がありました。
一人だけ写っているのに、この子が誰なのか覚えがないのです。
どうして、この子の写真だけ持っているのだろうと不思議に思いました。
午前中に一度見て、整理してからなんとなく午後にも気になって見てみたら、少し違和感がありました。
それがなんなのか分からなかったのですけど、テレビを見ていたとき分かったような気がしました。
もう一度、アルバムを見て、気になったこと確かめてみました。
やはりそうです、写真の女の子が近づいてきているような気がします。
一番最初に見たときは、女の子の顔がはっきりしなかったのに、今は顔がはっきり分かります。
最初から5時間程でこんなに近づいてきたのです。
これからどうなるのだろうと考えていたら、除夜の鐘が鳴り始めました。
除夜の鐘を聞きながら、不安になってアルバムを見てみると写真の中に女の子はいませんでした。
あれ、と思いましたがいなくなったらいなくなったので良いかなって思いました。
除夜の鐘が鳴り終わったのか、静かになりました。
そろそろ寝ようかなと思ったときに、ピンポンと玄関のベルが鳴りました。
今頃、誰が来たのでしょう。
静かな、お正月の夜です。

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