1970~80年代に一世を風靡した伝説のロックバンド「クイーン」の希代のボーカリスト、フレディ・マーキュリーの伝記映画。「ナイト・ミュージアム」シリーズのラミ・マリックがフレディを演じ、「X-MEN」シリーズのブライアン・シンガーが監督を手掛けています。
ボヘミアン・ラプソディ (Bohemian Rhapsody)
事情により、久しぶりの映画記事です。本作は予告を何度も見てず~っと楽しみにしていた作品。私は熱烈なファンではないですが、クイーンを聴いた世代なので、どの曲もほんとうに懐かしかった。当時の自分と重ね合わせながら楽しく見ました。映画を見た後もクイーンの音楽が頭の中をずっと回り続けていて、心地よい興奮を味わっています。^^
驚いたのが、息子がクイーン世代ではないのに、ほとんどの曲を知っていたこと。そういえばクイーンの曲はCMやBGMにも何気なく使われているし、息子が大好きだった Happy Feet にもクイーンのカバー曲があったっけ。^^ 知らず知らずのうちに今も私たちにとって身近な音楽として息づいていたんだなーと実感しました。
私は音楽以外はほとんど知らなかったので、フレディの生い立ち、家族、恋人、仲間たちのことなど、いろいろ知ることができて興味深かったです。熱心なファンにとっては事実と違うこともあるかもしれませんが、バンドメンバーのブライアンとロジャーが製作に加わっているわけで、これは彼らが伝えたかった物語なのだと理解しました。
タイトルにもなっている、Bohemian Rhapsody の誕生エピソードも興味深かったです。予告にもありましたが、レコード会社が難色を示したのは6分という長さ。クラシックやジャズではめずらしくありませんが、当時のロックやポップスはそういえばだいたい3分前後で、テープに録音する時もそれで見積もっていたことを思い出しました。^^;
曲を作るのに、イギリスの田舎にある大きな農家の家にこもっていたのもおもしろかった。ああいう大らかな環境だったから、ふつうの枠には収まらない壮大な世界観の音楽が生まれたのかもしれませんね。ミュージックビデオも、今思えばその後のMTVの誕生を予感させるものでした。
それから Another One Bites the Dust は、当時のディスコミュージック・ブームを反映して作られた曲なんですね。マイケル・ジャクソンやドナ・サマーのダンスミュージックがチャートを席巻していたのもこの頃でした。そして We Will Rock You は、客席とステージが一体となるために作られた曲だったと知り、なるほど~と納得しました。
フレディを演じたラミ・マリックは「ナイト・ミュージアム」のエジプト王の人だったんですね。フレディに決して似ているわけではないのですが、途中からはもうフレディにしか見えなくなりました。特に歩き方と視線の当て方は、すごく研究しているなーと感動しました。
最初の恋人メアリーを演じたルーシー・ボイントンは、「シング・ストリート」でヒロインを演じた女優さんなんですね。ミュージシャンにインスピレーションを与えるミューズを2回も演じるなんてすごい。^^ フレディとメアリーは恋人としては別れてしまったけれど、最後までよき友人だったと知ってほっとしました。
そしてクライマックスは「ライブ・エイド」での20分のステージ! 完コピも圧巻でしたが、それよりなにより当時の臨場感たっぷりのステージに酔いしれました。”世界のためになる”というお父さんとの約束、”キスを贈る”というお母さんとの約束もちゃんと果たされて、Don't Stop Me Now で迎えるフィナーレ。最高のひとときでした。
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