Sera の本棚

感動した本のことや映画を見たり、コンサートへ行ったりした感想、高槻の写真など記録できたらいいなあと思います。

四十一番目の少年ー井上ひさし作

2023-08-02 09:22:21 | 

井上ひさしさんの自伝的小説だそうです。父親は井上ひさしさんが5歳の時に亡くなり、貧困からカトリックの孤児院で育ちました。この本には3編集録されています。「四十一番の少年」「汚点」「あくる朝の蝉」の3編です。四十一とは孤児院での洗濯番号で、持ち物すべてにこの番号が使われます。カナダ人のダニエル院長はとてもやさしい良い方でしたが、先輩からいじめられます。殴られたり蹴られたり、孤独で怖かったことと思います。先輩のいうことには反発できません。反発できないまま怖い結末を迎えます。「汚点」は弟への愛情が感じられる作品です。ラーメン屋へ預けられた幼い弟からの手紙にはラーメンの汁のシミが付いていました。シミを見て学校には行かせてもらえず、店を手伝わされているのではと心配になるのでした。「あくる朝の蝉」では弟と夏休みに祖母の家に行き、ずっと置いてもらえないかと頼みます。祖母の家には祖母の家の事情があり、ここで一緒に住めないとわかると祖母へ書置きを残して弟と黙って孤児院へ帰ります。3編とも悲しい辛いお話です。それでも悲観的にはならず、夢を持って耐えられたのかなと思います。井上ひさしさんの優しさはこのような経験の上にあったのかと感動しました。

2023-8-2(水) 図書館資料 請求番号:B/913/イノ


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2 コメント

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井上ひさしさん (雷鳥)
2023-08-04 08:14:17
井上ひさしさんは、山形県の出身なので親しみを感じていました。
この方は、最初の奥さんが浮気をしてそれがワイドショーで連日
報道されていたのをよく覚えています。
「ひょっこりひょうたん島」はテレビ番組が面白く、大人も楽しみました。

名前ですが、タイトルが「井上ひろし」になっていてタイプミスかなと。

井上ひさし、井上靖、そして、井上ひろしは歌手がいて、ややこしいですね。
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ありがとうございます (Sera)
2023-08-04 08:39:37
雷鳥さん、教えてくださってありがとうございます。

本当にそそっかしくてよく間違えます。

今訂正しました。やれやれです(;´▽`A``

ありがとうございます。

井上ひさしさんはお優しいので奥様に浮気をされたときは苦しまれたでしょうね。

珍しいですね、女性の浮気とは!

作家なのでどんな経験も創作に生かされたのでしょうね。
返信する

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