石田衣良作「池袋ウェストゲートパーク」を読みました。主人公は工業高校を卒業した真島誠、家業の果物屋を手伝ってお小遣いを稼ぎ、空いている時間は池袋西口公園のベンチに座って、ただぼんやりと過ごす19歳の青年です。学校の成績は悪かったようですが、頭は抜群にいいなと思いました。何が起こっても臨機応変にすばやく対処できるのです。私には19歳だとはとても思えません。そして人脈が広く、警察からやくざ、風俗嬢、頭脳明晰ひきこもり青年まで。仲間を適材適所に配置して見事に事件を解決していきます。文章はやわらかく、スピーディーでとても面白かったです。石田衣良さんが、もちろん取材されたからでしょうが、若者に詳しく、流行に詳しく、ところどころに出てくる流行物が新鮮でした。やさしい穏やかな印象の石田衣良さんが書かれた小説というのがちょっとピントきませんでした。でも、頭が良く、冷静で洞察力がある方だと思いました。
お気に入り度:★★★★★ 知人の本:文庫本
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