学会のお忙しいスケジュールの中を仙台にいらしていただき、もはや世界的権威といってもよいバッハ研究者の富田氏による講座は、本当に聴き応えのあるものでした。 彼の音楽に対する姿勢はいつも謙虚で、決して高圧的なものの言い方はなさらず…私たちのような小さな勉強会にも手を抜かず、惜しげもなく貴重な資料を示してお話をしてくださいました。 もともとはピアノ科の学生だった彼だからこそだと思いますが、単に学問的なアプローチではなく、手稿譜に見つけられる小さな小さな音符や記号の書き直しの痕跡から、バッハがそこに何を思っていたか、それを演奏にどう反映させるか…という実践的な視点が、私にはたまらなく魅力的です。 こういう幸せな時間を過ごすと、300年という時の流れの末端に自分が連なっているんだ、という実感を持つことができます。無数の人間が築いてきた、ひとつの”道”です。バッハに関わるということは、人の道に関わること…です。 S
彼の音楽に対する姿勢はいつも謙虚で、決して高圧的なものの言い方はなさらず…私たちのような小さな勉強会にも手を抜かず、惜しげもなく貴重な資料を示してお話をしてくださいました。
もともとはピアノ科の学生だった彼だからこそだと思いますが、単に学問的なアプローチではなく、手稿譜に見つけられる小さな小さな音符や記号の書き直しの痕跡から、バッハがそこに何を思っていたか、それを演奏にどう反映させるか…という実践的な視点が、私にはたまらなく魅力的です。
こういう幸せな時間を過ごすと、300年という時の流れの末端に自分が連なっているんだ、という実感を持つことができます。無数の人間が築いてきた、ひとつの”道”です。バッハに関わるということは、人の道に関わること…です。 S