仙台バッハゼミナール

2000年4月24日、J.S.バッハの作品の解釈と演奏研究を通してその音楽への理解を深めることを目的として発足しました。

コンソート・リアスのコンサート♪

2019年08月14日 | 音楽四方山話

8月11日(日)に、常盤木のシュトラウスホールで素敵なコンサートがありました。

コンソート・リアスという、東日本大震災の被災地出身の若い音楽家たちによるものです。オーケストラと合唱からなり、指揮と指導は四野見和敏氏。彼自身も石巻出身ですが、若いメンバーたちとの熱いコラボがとっても素敵でした。

プログラムは、ヘンデルとバッハばかり。ヘンデルのオラトリオ《ソロモン》からシンフォニア「シバの女王の入城」、バッハはカンタータ第42番、第169番のシンフォニア、そしてミサg-mollなどなど…。私はオルガンを弾かせていただきましたが、それはそれは楽しくて!幸せな時間でした。

この時代、鍵盤楽器奏者の仕事は、ほとんどが通奏低音(数字付き)を弾きながら、右手にハーモニーに沿った即興を付けることでした。つまり、オーケストラの中で、指揮者と鍵盤楽器奏者だけがスコアを見ながら演奏するのです。全体を把握して、確かに縁の下の力持ちではありますが、音楽を進めていけるのは私たち。まずは音楽を理解できなければなりません。ソロを弾くときにも、(というか、その時こそ)このセンスが必要です。バスとハーモニー、そしてリズム。メロディは、そこへ自然に生まれてきます。でも、オケや合唱を引っ張っているんだ、という快感は、ソロを弾くのとはまた違う喜びです。どちらも味わえるなんて、贅沢ですね。

時代を進んで古典派、ロマン派、近現代…となっていくと、そのベースの上に、その時代その時代に即したスタイルが乗っていきます。音はどんどん増え、和音は厚くなり、リズムはより複雑になっていく。そういう音楽を理解するのに、まずベースのバロック音楽を理解できなくてどうしますか。ピアニストだからこそ、ピアノがなかった時代の作品をきちんと習得しないといけないと確信しています。

誰もが、こんな機会を持てると良いですね~♪


バッハ三昧

2019年07月13日 | 音楽四方山話

ご報告

7月6日(土)の午後、雨が降りそうで降らない、何となく涼しいお天気でした。

代官山教会(赤い壁の、かわいい教会です)で、建部さんと永沼さんと「バッハ三昧」行ってきました!

お二人は東京にご親戚やお友達がいて、色々な方に喜んで頂けそうだったのですが、本当にやって良かったです。教会には、1914年製のニューヨーク・スタインウェイがあり、最初はそのタッチや響きに慣れずにちょっととまどったりしましたが、最終的にはとても素敵な音になりました。前半は各自がソロを弾き(永沼さんが《平均律》第II巻のH-Dur、私が《フランス組曲》第1番、建部さんが《イタリア協奏曲》)後半は連弾です。皆さまお馴染みの《主よ、人の望みの喜びよ》を小さなコラールと一緒に。そしてメインの《ブランデンブルグ協奏曲》第4番。アンコールに《ゴールドベルグ変奏曲》のアリアを。この連弾がとても好評でした。ロマン派の作曲家たちによる、バッハの音楽の編曲。もしかすると、現代の私たちの耳には、古楽器で演奏される音よりもピアノ連弾での響きの方が馴染むのかもしれません。

何より、私たち自身が、”協奏曲”を連弾でリアライズすることによって、バッハの鍵盤音楽への見方が変わりました。オーケストラの音を想像しながら鍵盤に向かう。これって、バッハの鍵盤曲を弾くときには(ベートーヴェンやシューマンなど、古典派以降の作曲家ならまだイメージがわくでしょうけど)ほとんどあり得ない話です。でも!これはものすごい発見かもしれません。だって、バッハ自身が、コレッリなどの協奏曲を書き換えたりしたわけですよね。富田氏の講座でも、カンタータを聴いて発見があったように、もっともっと色々な視点からバッハを捉えて、その中のひとつとして鍵盤作品を眺めたとき…ピアノ(当時の楽器ではない)で演奏することが自然に感じられるようになるかもしれません。

もっとも、それにはバロック時代の音楽語法や演奏スタイルなど、色々なことを知っておかなくてはなりません。ピアノのタッチも、違います。今や、ピアニストは、電子ピアノからチェンバロ(クラヴィコード?)まで、あらゆる鍵盤楽器について「知らない」では済まされない時代になっています。

みんなで、たくさん学びましょう!自分の耳で、自分の指で、自分の身体で、音楽を感じていけるように。

 

  


先月のゼミ。そして…

2019年04月12日 | 音楽四方山話

 

先月のゼミでは、オルガニストとしても活躍されている飯塚由美先生に来ていただき、通奏低音について勉強しました。

メロディを邪魔せずなるべく自然な進行で…でも禁則は避けて…等と、実際にピアノで弾きながら、皆で考えました。

主にピアノを弾く私たちにとっては、あまり触れてこなかった通奏低音。
みんな四苦八苦してました。
そしてもっと勉強したいことが増えました。
今後も続けたいです。


そして明日は特別講座!
こちらも楽しみです✨
当日でも構いません。皆さんぜひ!


桑形先生の情報

2018年10月10日 | 音楽四方山話
♪すごい!意欲的な桑形さん情報♪
 
以前、特別講座にもお呼びした、桑形亜樹子先生の情報です。
 
 
①フランソワ・クーブラン著『クラヴサン奏法』桑形さんの翻訳本が出ました!
全音出版から好評発売中です。定価3,800円(税込4,104円)を3,600円で扱います。希望する方は田原までご連絡下さい。
メールアドレス: sendai_bachseminar@yahoo.co.jp
 
②桑形さんのリサイタル
12月12日(水)の19時から、東京・原宿教会にて。バッハのパルティータの4~6番とクーブラン《8つの前奏曲》。
一般前売り4,000円、学生1,000円です。
 
③桑形さんの《平均律》リリースされました。
よかったら下の記事からどうそご覧ください。
 

研究発表会vol.20無事終了しました

2016年04月30日 | 音楽四方山話
研究発表会も20回目を迎えました!
これだけずっと続けてこれたのも聴きに来てくださる皆様のおかげです。
ありがとうございます


今回のオープニングを飾ってくれたのは新人Hさん。
春らしい曲で会が始まりました♪


2巻17番の発表は、発表デビューのMさん。
初めてとは思えないくらい話が上手で良い発表でした


ホワイトボードを使っての移調の話は、楽しく聞いていただけたようです。


1巻17番の発表の様子。