仙台バッハゼミナール

2000年4月24日、J.S.バッハの作品の解釈と演奏研究を通してその音楽への理解を深めることを目的として発足しました。

桒形先生 特別講座

2016年09月19日 | 今日のゼミ
7日の富田氏の特別講座に続き、本日は桒形亜樹子先生の特別講座を行いました。

今日のテーマは「Tempo」です。
まずは1600年頃まで一般的だった音符の種類やいわゆる「メンスーラ」(音符同士の比の関係)など、ピアノを専門とする私たちには
不思議で新しい知識がイッパイでした。
現代の私たちが「全音符」と呼んでいる音符(白い丸の音符)は、当時はBrevisという大全音符の1/2にあたり、決して"長い"音符として扱われてはいなかった、ということや、ジョスカン・デ・プレの不思議な楽譜を解読!?したりしました。

また、かつて「完全」と呼ばれていた数は「3」だったことや、その分割を記号で表すと〇になること。私たちが4/4拍子、と習ったCはもともとそんな意味ではなく、「不完全」ということで2分割を指し、〇に穴が開いている形になったこと、などなど面白いお話がたくさんありました。
また、平均律第I巻の中でCの拍子記号を持ったものがたくさんあること、基本的にそのテンポは同じようなものに取られるべきで、慣習的に同じCでもとてもゆっくり弾かれたりとても速く弾かれたりしているが、それはもしかしたらちょっと違うかもしれないね…というようなお話でした。
現在私たちが当たり前のように使っている様々な音楽の用語やその扱われ方は、ルネサンスあたりからの変遷を眺めてみると全然違う意味を持っていたりするようです。

私たちも、基本から学び直さなくてはならない…改めて、音楽の奥深さ、面白さに触れた半日となりました。

次回は3拍子系を学ぶ予定です。