仙台バッハゼミナール

2000年4月24日、J.S.バッハの作品の解釈と演奏研究を通してその音楽への理解を深めることを目的として発足しました。

バッハ三昧

2019年07月13日 | 音楽四方山話

ご報告

7月6日(土)の午後、雨が降りそうで降らない、何となく涼しいお天気でした。

代官山教会(赤い壁の、かわいい教会です)で、建部さんと永沼さんと「バッハ三昧」行ってきました!

お二人は東京にご親戚やお友達がいて、色々な方に喜んで頂けそうだったのですが、本当にやって良かったです。教会には、1914年製のニューヨーク・スタインウェイがあり、最初はそのタッチや響きに慣れずにちょっととまどったりしましたが、最終的にはとても素敵な音になりました。前半は各自がソロを弾き(永沼さんが《平均律》第II巻のH-Dur、私が《フランス組曲》第1番、建部さんが《イタリア協奏曲》)後半は連弾です。皆さまお馴染みの《主よ、人の望みの喜びよ》を小さなコラールと一緒に。そしてメインの《ブランデンブルグ協奏曲》第4番。アンコールに《ゴールドベルグ変奏曲》のアリアを。この連弾がとても好評でした。ロマン派の作曲家たちによる、バッハの音楽の編曲。もしかすると、現代の私たちの耳には、古楽器で演奏される音よりもピアノ連弾での響きの方が馴染むのかもしれません。

何より、私たち自身が、”協奏曲”を連弾でリアライズすることによって、バッハの鍵盤音楽への見方が変わりました。オーケストラの音を想像しながら鍵盤に向かう。これって、バッハの鍵盤曲を弾くときには(ベートーヴェンやシューマンなど、古典派以降の作曲家ならまだイメージがわくでしょうけど)ほとんどあり得ない話です。でも!これはものすごい発見かもしれません。だって、バッハ自身が、コレッリなどの協奏曲を書き換えたりしたわけですよね。富田氏の講座でも、カンタータを聴いて発見があったように、もっともっと色々な視点からバッハを捉えて、その中のひとつとして鍵盤作品を眺めたとき…ピアノ(当時の楽器ではない)で演奏することが自然に感じられるようになるかもしれません。

もっとも、それにはバロック時代の音楽語法や演奏スタイルなど、色々なことを知っておかなくてはなりません。ピアノのタッチも、違います。今や、ピアニストは、電子ピアノからチェンバロ(クラヴィコード?)まで、あらゆる鍵盤楽器について「知らない」では済まされない時代になっています。

みんなで、たくさん学びましょう!自分の耳で、自分の指で、自分の身体で、音楽を感じていけるように。