仙台バッハゼミナール

2000年4月24日、J.S.バッハの作品の解釈と演奏研究を通してその音楽への理解を深めることを目的として発足しました。

近頃思うこと…

2014年07月12日 | ゼミ雑談帳
皆さま こんばんは。
今年も、ふと気づけば半分以上が過ぎているではありませんか。何という時間の経過のスピード!

今日、大学でショパンのスケルツォをレッスンしているときに、院生が「何でこんなに同じことをくり返すんですかね」ということを言い出して。思わず私は「他に楽しいことがなかったからよ」と一言。
バッハの時代はもちろんですが、19世紀だってまだまだ…テレビもレコードもゲームもなかったんですよ。
せっかく、素敵なショパン様のコンサートなんだから、リフレインが何度出てきたって文句を言う客なんか一人もいなかったはず。しかも半分は即興でしょうから、楽譜になんか書いていないヴァリエーションがきっと楽しめたことでしょう。なんと贅沢で、そしてはかない時間…

皆さんはまだ考えられないでしょうけど…私は最近、本当によく”残された”時間のことを考えます。
中世からずっと気の遠くなるような時間をかけて作られてきた音楽。今の私たちが眺めているのは、その氷山の一角なんてもんじゃない、ほんのひとかけらだと思います。でも、その中に浸ることのできる幸せ。
あとどれくらい、この幸せを味わえるのかな。その時間を大切にしたい、とつくづく思う今日この頃です。