しましましっぽ

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「終わりなき道」  ジョン・ハート 

2022年01月21日 | 読書
「終わりなき道」  ジョン・ハート  ハヤカワ・ミステリ文庫  上・下巻
 REDEMPTION ROAD        東野さやか・訳

刑事のエリザベスは、少女監禁犯を拷問の上で射殺したとして、激しい批判にさらされていた。
州警察が内部調査に乗り出すが、彼女には真実を明かせない理由があった。
同じ頃、元警官のエイドリアンが刑務所から仮釈放された。
ある女を殺した罪をみずから認め、服役していたのだ。
しかし同僚だったエリザベスは尊敬する彼の潔白を信じていた。
エイドリアンは嘘の証言をしたのか?
刑務所の外には、彼を待ち受ける銃口が……。
    <文庫本上巻裏カバーより>

エイドリアンの出所後間もなく、女性の絞殺体が発見された。
しかも、かつて彼が殺人を犯したとされる同じ教会の同じ祭壇でだ。
これは連続殺人なのか?
疑惑の目がエイドリアンに集まる。
エリザベスは停職中ながら、彼の無実を証明すべく無謀な捜査を進めるが……。
様々な秘密を抱えた女と男の道はやがてひとつに繋がり、邪悪な真実が明かされる!
     <文庫本下巻裏カバーより>





始めからマイナス要素が多く、厳しく重苦しい中で進んで行く物語。
それは最後まで続き、明るさはない。
犯人を射殺した事が問題になるのは政治的な問題もある。
社会は複雑で、理不尽。
そこに、あまりにも常軌を逸する人物が2人登場。
その人物が権力を持っていると、こんなにも悲惨なことになってしまう。
1人目の連続殺人の犯人の動機は今一つはっきりしない。理解出来ない。
どうして、そういう思考になってしまったのだろう。
心を病んだと思うしかないのか。
もう1人の常軌を逸した人物は、もうめちゃくちゃとしか言いようがない。
こんな人物、本当にいるのだろうか。
作り物過ぎて、それが物語にのめり込めない要素になった気がする。

エリザベスは本当に立ち直れるのだろうか。
エリザベスが慕うエイドリアンもだが、この物語に中では刑務所で過ごした後だからか魅力は感じられない。
エリザベスがチャニングに掛ける言葉は安易な慰めでなく心に響く。
人生、自分の気持ちとは向かい合って行かなければならないのだ。

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