しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「覗く」 デイヴィッド・エリス 

2011年03月29日 | 読書
「覗く」 デイヴィッド・エリス  上/下巻   講談社文庫
 LINE OF VISION        中津悠・訳

投資会社に勤務するマーティー・カリッシュは、ボランティア活動を通してレイチェル・レイナードと知り合う。
レイチェルの夫デリックは高名な外科医だったが、彼女は虐待されていると、打ち明ける。
丘の上に建つレイナード邸の裏庭から、レイチェルの様子を見ていたマーティーはその虐待の光景を目にする。
レイチェルを救うためその場に飛び込んだマーティー。
デリックは撃ち殺され、死体も運び出され始末される。
レイチェルは、見知らぬ男が侵入したと話す。
しかし警察はレイチェルに愛人がいたことを付き止め、疑い始める。
マーティーも取調べを受けるが、事件当時のアリバイ工作をしていた。
しかし、レイチェルが逮捕されるなら、自分が犯人だと名乗り出るつもりでいた。
マーティーには、友人の紹介で、優秀なポール・タイラーがつく。




マーティーの一人称で語られる物語。
マーティーとレイチェルの関係が、真実なのか妄想なのかはっきりしない。
レイチェルに対するマーティーの気持ちは、かなり自分本位に解釈されている感じがするから。
裁判での様子が面白い。
無罪を主張しつつ、レイチェルに疑いが戻るようなことは出来ない。
裁判は、真実を明らかにするところではなく、言葉を操るところ。
しかし、物事の見方は色々だということも分かる。
そして、これは騙し合いの物語。
ラストの真相が分かるところは、かなり意外なことが分かる。
みんな頭がいい。
最後に、あんなに思っていた心が切り替えられたことが、ちょっと不思議な気がするが。
それも、相手を油断させるカモフラージュのひとつなのだろうか。
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