しましましっぽ

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「ハリー・クバート事件」  ジョエル・ディケール 

2015年09月10日 | 読書
「ハリー・クバート事件」  ジョエル・ディケール    東京創元社 上・下巻
 LA VERITE SUR L‘ AFFAIRE HARRY QUEBERT   橘明美・訳

2008年、ニューヨーク。
1年半前、デビュー作がヒットして有名になった27歳の作家マーカス・ゴールドマンは次作が書けずに苦しんでいた。
マーカスは助けを求めるように、恩師であり友人でもあるハリー・クバートに連絡を取る。
ハリーは1976年に『悪の起源』でベストセラー作家になり、ニューハンプシャー州オーロラに住んでいた。
環境を変える事を勧められ、マーカスをハリーの元を訪れる。
そこで、マーカスは、ハリーの秘密を知ってしまう。
それは33年前、マーカスが34歳の時、15歳のノラ・ケラーガンと恋に落ちていたと言う事実だった。
ノラは1975年8月30日姿を消し、その後全く行方が知れなかった。
その数か月後、ハリーの家の敷地内から遺体が発見される。
それは行方不明だったノラ・ケラーガンで、ハリーが殺人の容疑者として逮捕される。
ハリーの潔白を信じるマーカスは、ハリーの疑いを晴らすために、再びオーロラを訪れる。







現在と、ハリーとノラの時、ハリーとマーカスの時。
時代が行ったり来たりして、最初は少々戸惑った。
物語が進んで、それぞれの時代に馴染みが出来ればそれはすんなり入って来る。
不思議な出来事や、不審な行動など伏線が沢山で、それが少しずつ分かって行く。
“ああ、そういう事だったのか”とすきっりしたと思ったら、また謎が登場。
事件を調べるマーカスと同じ気持ちで、明らかにされる真実に驚く。
それぞれが誰かの事を思って、秘密にしたり行動を起こす。
かなり複雑な事情が、あちらこちらで起こっていた。
かなり悲惨な状況もある。
悲しい物語でもある。
そして、15歳と34歳の恋。
後5年もすれば、なんの問題もなくなるのだが。
ノラの一途さは、裏側にある物にも影響されていたのだろうか。
登場人物の心情も丁寧の書かれていて、めり込んでいける物語。
面白かった。


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