しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「献心 警視庁失踪課・高城賢吾」  堂場瞬一 

2014年08月15日 | 読書
「献心 警視庁失踪課・高城賢吾」  堂場瞬一   中公文庫    

綾奈の死の真相を知る―決意した高城に長野が目撃者情報を持ち込む。
十数年を経て得られた新しい証言。
しかし会社員だというその男は一転証言を曖昧にした上で、弁護士を通じて抗議をしてくる強硬さだった。
不可解な態度を不審に思いつつ、地道に当時の状況を洗い直す高城は、綾奈の同級生母子を追って一路東北へ向かう。
   <文庫本裏カバーより>

高城賢吾シリーズ、第10弾・最終







シリーズ最後で、高城はやっと娘の綾奈の事件に真正面から取り組む。
他のシリーズの主人公の刑事も登場してオールキャストの様相。
ただし、それ程活躍する訳でもないが。
結末は、誰にとっても遣り切れない辛いものになる。
まあ、明るく終わるはずはないのだが。
前作にあった、心の整理をつけて行く為に犯人を憎む事の必要性、という点では全く反対なものになってしまう。
ラストの高城の行動は、どうなのだろう。
一般人だったらそれもあるかも知れないが、刑事としては。
今すぐでなくても、ある時期を待って公表するというのでよかったのではないかと思うが。
自分ひとりで捜査して来た訳ではないのだから。
黒原弥生の生き方が心に重くのしか掛かる。
間違いを正せない人生は、やはり間違っている。
勇気のなさが、子どもの人生まで狂わせてしまう。
それでも、弥生が取ってしまった行動も分かる気がするのだ。
誰かに促されれば、手助けがあれば。そう思わずにはいられない。


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