しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「震度0」 横山秀夫  

2007年09月24日 | 読書
神戸で震度7の地震があった朝、N県警察本部の不破警務課長が行方不明になる。
妻の静江は「夕べから戻っていない」といい、不破の車が前勤務地、東山市に路上駐車しているのが見つかった。
失踪と事件の両面が考えられたが、騒ぎ出すのは早いという慎重論も聞かれた。
不破の不在から、N県警は揺れ動き始める。
椎野本部長、冬木警務部長、藤巻刑事部長、倉本生活安全部長、間宮交通部長、それぞれの思惑から、腹の探り合いが始まる。
そんな中、堀川警備部長は神戸の地震対策で心と頭を痛める。


暗く重い物語。
でも面白く、先が気になり一気に読めてしまう。
神戸・淡路大震災の被害状況が明らかになるのと平行して進んでいくことで、より人間の醜さが見えてくる感じがする。本当に大事なものは何だろうと。
自分に直接被害が及ばない地震よりも、自分の地位やプライドが大事。
そうなのかも知れないが、それが社会を守る警察の中のこととなると、ちょっとそれはないだろうと思える。
警察の暗部が題材になることが多いが、警察って本当にそんな組織なのかと思うと嫌になる。
一言でいえば権力争い。
本来の仕事が疎かになってしまうほどの事に地震を絡めることで、より醜さがあらわになる。
最後にちょっと救いを持たせた物語だが、暗い気持ちになる。

先日、WOWOWでドラマがあり、そちらを先に見たが、ドラマとはちょっと雰囲気が違った。
本の方が変なひねりのなくわかりやすく、ストレートだった。
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