しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「急行奥只見殺人事件」  西村京太郎 

2020年09月12日 | 読書
「急行奥只見殺人事件」  西村京太郎    角川文庫    

只見線は、上越線の小出駅から、会津若松までを走るが、急行「奥只見」は、浦佐から出発し、小出を経て、会津若松まで行く。
その浦佐で27歳になる男が殺された。
一方、会津若松の鶴ヶ城では、東京で宝石商を営む男の死体が発見された。
彼には再婚したばかりの若い美人妻が。
また浦佐と会津若松の間の奥只見郷でも、男の水死体があがった。
只見線で何かが起きている!?
捜査にのりだした十津川警部の前に、地元警察の厚い壁が…。トレイン・ミステリー。
      <文庫本カバーより>






まず事件かどうか分からない所から、十津川警部の「これは事件」と」言う勘から捜査が始まる。
列車トリックには、実際に乗って確かめるので、自分もそこにいるような気分になれる。
何も知らない場所より、知っている場所の方がより面白味が増す。
ピンポイントでなくても近くに行っていたなら、似たよう場所を想像して。
いつか只見線にも乗って見たい。
物語は、テンポよくサクサクと進んで行く。
必要なこと以外は省いている感じが、2時間ドラマっぽい。
自分も一緒に推理が楽しめる。
小道具も、ラムネのお菓子とか、何だか可愛く印象的。
そして割と単純に、結末を向かえるのだと思ったら、もうひとつ捻りが。
十津川警部が違和感を覚える所を、自分はさらりと読んでしまい、「えっ、どこが違和感?」となる。
“なるほど”と感心しながら読み終える。
しかし、クラブ『泉』と言う「紳士クラブ」なるものが出て来るが、これには違和感。
そのクラブのメンバーが次々と殺されていくのだが。
男だけのクラブで、そのクラブを特別に大事に思う男たち。
真面目に経済や政治の話をしたいからと。
女には政治や経済の話は出来ないと決めて掛っている男たちの集まりと考えると、たいした事ないだろうな。
政治や経済の話は、さあ、話しましょうと言って始まるものなのか。
日常の会話にも自然と出て来くるものなのではないのか。
現代も「政治の話をしては駄目な人」がいると思っている人たちがいる。

十津川警部の名前は2時間ドラマのタイトルで見た記憶がある。
しかし、ドラマは見た事がない。西村京太郎さんも初めて読んだ。
そう言えば2時間の推理系ドラマ、昔々は随分見ていたのだが、いつから見なくなったのだろう。
「火曜サスペンス劇場」や「金田一耕助シリーズ」とか。





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