goo blog サービス終了のお知らせ 

しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「シンデレラの罠」  セバスチアン・ジャプリゾ 

2021年01月26日 | 読書
「シンデレラの罠」  セバスチアン・ジャプリゾ   創元推理文庫   
PIEGE POUR CENDRILLON        平岡敦・訳

わたしはミ(ミシェル)、20歳の娘。
火事で大火傷を負い顔も焼かれ、皮膚移植の末、一命をとりとめたが、記憶を失った。
そして自分がミだと知らされた。
一緒にいたド(ドムニカ)は焼死したという。
真相を知るのは、わたしだけのはずなのに、自分が誰なのかわからない。
ホテルで宿泊カードにドムニカと署名したのはなぜ?
わたしは大金持ちの伯母から遺産を相続するという。
本当にわたしはミなのか?
死んだのがミで、わたしはドなのではないか……?
わたしは探偵で犯人で被害者で証人なのだ。
     <文庫本1頁目より>






前に1度読んでいるが、良く分からない所もあった。
新訳が出て、分かり易いと言うのでもう1度読んでみる。
確かに、読み易くなって、物語もストレートに入って来た。
1人称で書かれた物語。
記憶を失った自分が誰なのかは、周りにいる人間が決めたこと。
それは2人を知るジャンヌ。
ジャンヌの計画で進められた事件。
記憶を失った事で、始めはジャンヌもミかドか確かめようとしたはず。
ジャンヌが出した結論と、ホテルで書いた名前。
無意識でした行動が本当のことを表すと思うので、ドムニカだと思ってその後は読んでいた。
記憶を失っても、本来の性格は変わらないだろう。
それを考えると、やはりドムニカに近い気がした。
最後に記憶を取り戻したとして、オーデコロンの名前が出て来る。
それが証拠と言われても、なんだか納得できない。
『1人称で書かれた物語だから、それが真実とは限らない』
解説にそのように書かれていて、その様に考えてもいいのかと思った。
しかし、それでは真実は分からない。
最後まですっきりしないのは、新訳版でも同じ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。