しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ヒポクラテスの試練」  中山七里

2021年01月22日 | 読書
「ヒポクラテスの試練」  中山七里  祥伝社    

浦和医大法学教室の光崎藤次郎教授に、城都大の内科医南条が訪ねて来る。
南条の患者、権藤要一が肝臓がんで死亡するが、その過程に納得がいかないと言う。
権藤は68才の元都議会議員で、それまで自覚症状もなかった。
南条は死因をはっきりさせる為に解剖を提案するが、唯一の親族、甥の出雲誠一は解剖を拒んでいると言う。
南条は光崎の強引さを頼りに話を持ち込む。
興味を持った光崎は、古手川刑事に死体を持って来る様にけしかける。
古手川は何とか事件性を見つけて、解剖は行われる。
そして意外で大事になる事実が発見される。





今回は連作短編ではなく、ひとつの事件を追う長編。
ただ、その内容がちょっと地味。
盛り上がりも今一つ。
大きな謎があるように進んで行き、真琴がキャシーと一緒にニューヨークに行くことでスケールを大きくしようとしているが。
関係者たちが隠している事は予想が出来る。
その謎も2重にあるが、それも同じ。
逆に公的な立場で訪れて、それはないのではないかと思ってしまう。
誰かに頼まなくてはならない秘密は、身分が分かっていたらリスクは大きい。
まして真琴たちが行った時は摘発されていた施設なら、もう謎ではないだろう。
そして、その先にもまたひと捻りがあるのだが。
ペギョンの気持ちも分かるが、解決策はそれではないだろう。
どうしても、最後に驚かせようと無理をして作っている気がしてしまう。
「ヒポクラテス」シリーズは3作目。
今回は今一つ。

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