しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「白夜行 1部」  Studio Life

2005年10月04日 | 観劇
「白夜行 1部」  Studio Life

原作ファンとしては、原作が一番好きと思っているから、あまりに変えて欲しくはないし、変えるなら全くの別物にして欲しい。別物なら関係ないと思えるから。
でも、スタジオライフは原作に忠実な道を辿り、成功しているから、期待していた。
そしてその通りだった。
原作と同じという安心感の中で、舞台としての面白さを楽しめた気がする。
一度目に見た時は、本と比べながら、ここはこう表現したのか、あそこを飛ばしていても分かるなーとか、分析?しながら舞台を追っていたので、終わった後、よく纏まっていると感心したけれど、それで面白かったのだろうか、と考えてしまった。
しかし、帰りの電車の中でいくつも場面が浮かんで来て、面白かったと思う。
その後何度か足を運ぶが(何度かは内緒)、3時間と言う長さが感じられないくらい集中して見ていられた。
スタジオライフの「白夜行」は面白かった。

原作の雰囲気やミステリー性を壊さずに、テンポも良く、とてもうまく纏まっていた。
舞台ならではの演出があるんだと、感心するばかり。
映像も上手に使って、年月の流れやどこの場所か、分かりやすかった。
役もそれぞれはまっていて、自分のイメージと違った人も、こういうのも有りだと納得出来るものだった。
一応一部でも完結した感じもある。
謎は謎として残るが、最後まで読んで、すべてが明らかになる物ではないし、これで終りと言われれば、終われる。ラストに決め台詞もあるし。
「資産家と望みの結婚をしたヒロインと、それを見届けた、陰で支えたヒーローは自分の問題から静かに姿を消す」終われないかな…。まあ、実際は続きがあるから。

読んだ時はあっさりと読み進んだ、友彦と奈美江の2人のシーンが凄く心に響いた。
特に奈美江のやり切れない心情が伝わって来た。こんなシーンだったんだと思って、本を読むと、また違った深い気持ちで読めるから不思議だ。
これは林奈美江さんの力もあると思う。
菊池と秋吉の場面も好きだった。友達の空気感がすごくしっくり来た。
今回はお母さんが、4人登場する(義理の母は除いて)が、それぞれ年代の違う母が、それらしくてぴったりだったと思うし、母親らしい心情が表現されていた。
文代はちょっと状況が違うけど…母親とも言えないかも知れないし。                   
スタジオライフはWキャストで今回も性格の違いが見られて面白かった。
同じ台詞を言っているから、どちらが好きかは、好みの問題だと思う。
私は、「杳」が好きだ。
亮司と雪穂のイメージはこちら。雪穂は明るく、亮司は暗い。エビとハゼならぬ、
表と裏、光と影だったと思うから。
山本亮司は中学時代は、もさーとした感じで、顔を見るとカッコイイんだけれど、目立たないと言うのが分かる亮司だった。高校になっても暗い感じで、淡々としているのが亮司だと思う。
雰囲気が凄くあって秘めた力を感じる。
笠原亮司は活動的でちょっと柄の悪い亮司。でも、目立ちそう。
奈美江の時や何かする時、企んでいる表情を見せる。奈美江の時もホテルを出る時から嫌悪感を表していた。鋭さを感じさせる亮司。しかし、私のイメージはもっと暗く物静かなので、その点は山本さんの方が合っているが、立ち振るまいは細かくてうまいなーと思った。
及川雪穂は、解りやすい雪穂だった思う。他人と接している時は明るく、誰からも好かれる雪穂。でも心は違うから、それを隠している事を、多少わざとらしさで見せ、誰も見ていない時に本当の心を素早く表情で現わす。雪穂は誰にも江利子にも心を開く事なく、生きている。と言うか、江利子を友達とは思っていない。
舟見雪穂はあまり表情を表に出さず、そこから怖い表情になるので、結構怖い雪穂。何を考えているのか解からない。持ち味の柔らかい雰囲気と言うのは確かにあるけど、暗過ぎた。
江利子もそれぞれの雪穂に合ってたと思う。及川雪穂と三上江利子は雪穂の方がリードして、江利子はどちらかと言うと従っている。舟見雪穂と関戸江利子は、江利子が結構活発でおしゃべりな感じでリードしていた。雪穂は少し引いて目立たない様にしている。

追加の感想として、
山本亮司の難点は動き。江利子を襲う時に横切る影が…遅い…あれじゃ、襲えないんじゃないかな。
そして、金城から電話を受けて急いでいると言いながら、急いでない。
だから、高根松浦を殺して、処理するのは、かなり大変だったと思う。
あれだけぼろぼろになって戻ってきたのもわかる。
お弁当を食べる時、いただきますをしていた行儀のいい亮司だったのに、後半はなくなったのは、亮司らしくないってチェックが入ったのかな。
「いただきます」、良かったのに。
笠原亮司は江利子を襲う時の影の素早い動きや、マリオを処分しに行く時に、友彦が来た時にはもう出入口の所まで来ていて納得。煙草の灰を受ける時もさっと手を出してスマートだった。
及川雪穂ははビジュアルで目を奪われる。雪穂は美しい事が絶対条件だから結構大事な事。
小学校の時の堅い表情、でも美少女。中学の時のセーラー服姿はもう、普通に似合っている。離れた学校から写真を撮りに来るのも分かる。
大学になってカツラを被るが、これがちょっといまいちの感じもするが、でも綺麗になった。大人になったと感じられる。前で見ても、後ろで見ても、美しさに変わりない。女性にない不思議な美しさがある。  
舟見雪穂は始めの大阪店オープンの白いコートの時はすらりとした長身で、立ち姿は綺麗だと思った。
でも、舟見さんの女役は私にはしっくり来ない。どうしてだろう。普段の舟見さんは可愛いし、カッコウもいいのだけれど、女性になると・・・。少年だといいけど。だから小学生の時はよかった、少年に近いから。
ダンス部の説明会の時は三上さんが可愛くて、そちらに目を奪われてしまった。 
なので、山本亮司と及川雪穂の「杳」方が好きだった。
及川さんが2部に出ないのが残念だ。

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