しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「白夜行」 東野圭吾

2005年10月04日 | 読書
「白夜行」 東野圭吾

東野圭吾さんの本はどれも面白く徹夜本だ。
この「白夜行」も文庫で850ページもあるが、ほとんど一気に読んでしまった。
被害者の息子、亮司と容疑者の娘、雪穂の19年に及ぶ物語。
ふたりの周りで事件がたくさん起こるが、それがすべて明確になる訳ではないので、
謎が幾つも残り読者が想像して行く部分も多い。

謎のひとつは、寺崎は車の中からライターが見つかったと言う事は、事故を起こす様に、
仕組まれたと言う事。方法は分からないけれど、睡眠薬を飲まされたとか。
となると、文代も同じ手口で殺されたのか。
江利子が標的になった理由は。ただの嫉妬だったのか。
奈美江の預金を下ろしたのは、ホテルで待たせた2日間。奈美江を殺したのは誰?
榎本が奈美江を殺す理由は・・・それより、預金を下ろした人物(仲間)の方が怪しいか。
などなど。

亮司と雪穂の繋がりが示されるのは、中学時代のパッチワークの小物入れが最初だが、
その後ははっきりした事は書かれない。でも、しっかり繋がっている事は感じる。それが
重要な要素だから。
ふたりの心情が語られる事はなく、周りにいる人の視線で行動が語られる。
心の闇を描いた作品。ふたりの行動は納得出来る部分もあるが、共感は出来ない。

始めに読んだのは、2年6ヶ月前。その後、舞台で「白夜行」をするので、観に行く前に予習として
2回読んだ。3回と言う事。2回目は1部の8章までのつもりだったが、結局最後まで読んでしまった。
始めに読んだ時と違いは、二人にはやはり共感出来ないが、
雪穂も亮司も、こんな人生を歩まなければならなかった事を、凄く可哀想に思えた。
雪穂と亮司の絆の深さも感じた。
しかし、読みながら、これをどうやって舞台でやるのだろう、と言うのが最大の謎になった。
時間が前後したり、回想したりするかなり入り組んでいる話だから。

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