しましましっぽ

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「遮断 警視庁失踪課・高城賢吾」  堂場瞬一

2014年07月11日 | 読書
「遮断 警視庁失踪課・高城賢吾」  堂場瞬一    中公文庫    

厚労省高級官僚である六条舞の父親が失踪した。
事件性はないと思われたが、一億円の身代金要求が届き様相は一変する。
現金を用意して引き渡しに挑むものの、あえなく失敗に終わる。
同時期にくせ者新メンバー田口はインド人技術者の失踪事件を調べていた。
鍵は外国人労働者の就労斡旋なのか。二つの事件の関係は?
<文庫本裏カバーより>

高城賢吾シリーズ、第7弾






『裂壊』に続き、失踪課の身内が関係する事件。
官僚が失踪したが、その後何もなかったのかの様に戻って来る。
その間何があったか警察には言おうとしない。
しかも、その間にいたずらとは思われるが、身代金要求の脅迫電話が掛かっていた。
またその妻は、身代金1億円を自宅の金庫から出して来る。
その一方で、インド人技術者の失踪が、官僚が手掛けていた政策と関係があるかのように起きていた。
何があったのだろう、どんな陰謀が隠されているのだろう。
なかなか面白い事件で、先が気になって読み進められる。
ただ、今回も結末は突っ込み所が色々あるけれど。
それよりも気が削がれたのは、その官僚が失踪課の六条舞の父親だったこと。
その為に、高城も舞を気遣ったりするのだが。
今までの、舞の失踪課での存在からすると、急に仲間意識が強くなるのは不自然な気がする。
どうしても取って付けたようなそういうシーンでは、違和感が漂ってしまう。
こんな風に身内の関係者でなくても良かったのにと思った。
そして、妻が持っていた1億円。
その本来の使い道にしようとしたことを考えても、それは駄目だろう。
政治家には建前でも“清廉潔白”が必要なのに。
そんな事にも考えが浮かばなかったとしたら、愚かだ。
そして、インド人技術者の事件も。
まあ、現実はこちらの方が有りかも知れない。
“小説のように都合よく”とは行かないけれど、あまりにも意味深で。
これは、新しく失踪課に加わった田口がどんな人物か書きたかった為の事件、か。



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