しましましっぽ

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「沈黙のパレード」  東野圭吾 

2020年06月22日 | 読書
「沈黙のパレード」  東野圭吾  文藝春秋   

静岡県の小さな町でゴミ屋敷と呼ばれた家が火事で焼け、そこから2体の遺体が見つかる。
火事の前に白骨化していたと見られた。
一方はそこに住んでいた老女で、もう一方は3年前に失踪届が出ていた東京の菊野市の並木佐織。
佐織は失踪当時19歳で、老女とも面識はなく静岡にも行ったことはないと言う。
その老女の息子は蓮沼寛一。
23年前、12歳の本橋優奈が誘拐殺害された事件の犯人とされ逮捕される。
当時30歳の蓮沼は完全否認し、徹底的に黙秘を決め込む。
決定的な証拠がなく、蓮沼は裁判で無罪になる。
若手としてその事件に関わっていた草薙は、今回の事件を担当することになる。
そして、いくつかの状況証拠で蓮沼が佐織殺しの犯人と目星が付くが、決定的証拠は出ず、検察は起訴を見送る。
そんな中、蓮沼は菊野市に現れる。
そして、草薙の友人、湯川も菊野市の大学の研究施設に居た。







ガリレオシリーズとは知らずに読み始める。
草薙刑事と内海刑事が出て来て「あれっ」と思ったら准教授から教授になった湯川が登場。
途端にテレビドラマのように、登場人物たちが動き出す。
この物語も映像化されるのだろうか。
仮装パレードも、見どころのひとつになりそうだ。
普通に生活していた人たちの起こる悲劇。
その後の事も、それほど突拍子のない事は起こらず、納得しながらの展開。
23年前の誘拐殺人事件も係り、ドンデン返しもいくつかある。
それぞれの人物の感情も丁寧に描かれているので、入り込める。
人の気持ちは理解出来ないもの。
若いから周りが見えずに突っ走ってしまう時もある。
やはり思うのは、どんな時でもカッとならずに、冷静に話し合う事の大切さだろう。
その中で蓮沼は流石に異質。
「心臓に針金が生えている」と表されたが、凄い人物を作り上げたものだ。

先が気になる展開で一気読み。
何だか社交的になった湯川教授も面白い。

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