しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「第四の壁 アナザーフェイス3」  堂場瞬一 

2014年01月07日 | 読書
「第四の壁 アナザーフェイス3」  堂場瞬一   文春文庫   

警視庁刑事総務課の大友鉄。
学生時代に所属した劇団、夢厳社の創立20周年の記念公演に、義母聖子と息子優斗と観に行く。
演目は、大友も演じたことがある「アノニマス」。
劇団の揉め事を描いた作品で、1部の終わりで劇団の代表、伏見がナイフで刺されて死ぬ場面で休憩に入った。
大友はその時、何か違和感を覚えた。
そして、幕の端から女優の箕輪早紀に手招きされる。
舞台では、伏見役を演じていた、夢厳社の代表でもある笹倉逸朗が本物のナイフで刺され死んでいた。
大友は自ら志願して、この事件の捜査に参加する。

「アナザーフェイス」シリーズ第3弾。







かつて役者をやっていたことが、刑事になっても役に立っているという大友。
その学生時代の様子が少し分かる物語。
ただ、変装上手だったとか、役者としてはどうだったとかはあまりない。
シナリオ通りに事件が起こっていて、そのシナリオの存在に何かあるという疑問。
面白さを盛り上げる感じはあるのだが。
何となくそれも、ただそれだけと言う感じで終わっている。
そして殺人の理由も、あまりにも安易というか。
頭の中や酔った勢いで、殺してやると口にしそうな感じだが。
それを実行に移すにはもっと何かがあったのではと思うが、そこまで深くは書かれていない。
実行の方法もそう。
事件が解決しても、犯行の方法がさらりと書かれているだけ。
これが成功したのは、ただラッキーだっただけではないだろうか。
だからトリックなどなくて、事件の面白さは半減。
大友が何故刑事になったのかを、書きたかった物語なのかも知れない。


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