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しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「Another アナザー」 綾辻行人 

2010年07月29日 | 読書
「Another アナザー」 綾辻行人     角川書店

榊原恒一は中学3年の春、母の実家がある夜見山市の北中学校に転校する。
母親を生まれた時に亡くし、父親の陽介と2人暮らしの恒一。
陽介が仕事でインドに長期で行くことになったからだ。
4月20日の転入の日、恒一は“原発性自然気胸”の発作を起こし入院する。
その病院で、恒一はひとりの謎めいた少女と出会う。
夜見山北中の生徒で、「ミサキメイ」と名乗る。
5月6日に恒一は登校が許され、3年3組に転入する。
そのクラスで、「ミサキメイ」を見つけるが、他のクラスメイトは「ミサキメイ」が見えていないようだった。
夜見北中3年3組には、26年前から続く謎がある。
その根源に“ミサキ”と言う名前の生徒が係わっていた。





『呪われた3年3組』の物語。
呪いと言うからにはホラーだが。
この呪いには、とても忠実なパターンがある。
それが、怖さより、ゲーム的な感覚になり、人もたくさん死ぬのだが、あまり悲惨さを感じない。
“どーして”と思っても、そういう現象だからと、登場人物と同じような感想を持つ。
駒がひとつずつ減って行くような感じで、ストーリーを追って行く。
登場人物にはあまり個性がなく、メイの存在感だけが際立つ。
ひとクラスの物語なら、もっと色々な人がいて、色々なことが起こりそうだ。
動いている人物はわりと限定されている。
そんなところも、ゲーム的。
物語も、なかなか核心に行かないのが少々もどかしい。
もう少しコンパクトに進んで行っても大丈夫そうな。
そして、かなり限られた中での呪い。
他の対策はなかったのか。
クラスをABCにしても駄目だったそうだが、3組は作って空っぽにするとか。
5組もあるなら、1組の人数を振り分けてしまえそうだが。
26年、もっと色々試してみたらと思ってしまった。

最後に分かる、死者は意外な人物だった。
叙述トリックが使われているとは。
確かに、曖昧な箇所や人物描写で違和感はあったのだが、油断した。

しかし、似たような設定の物語もあり、綾辻さんらしくない感じがした。

メイが「エヴァンゲリオン」の綾波レイを思い起こさせる。
プラス、コナンの灰原愛ちゃん。
レイも眼帯してたような。
人を寄せ付けないような雰囲気は、まさにそう。

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