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しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「震える山」 C.J.ボックス 

2010年07月28日 | 読書
「震える山」 C.J.ボックス    講談社文庫
  OUT OF RANGE           野口百合子・訳

ワイオミング州猟区管理官、ウィル・ジェンセンが自宅で死亡しているのが見つかり、自殺と判断される。
ウィルの管轄のティートン郡ジャクソンは、広大で難しい地域。
後任に、トゥエルヴ・スリープ郡のジョー・ピケットが推薦される。
ジョーはウィルを尊敬していて、自殺とは信じられなかった。
ジャクソンに赴任したジョーは、ここ6ヶ月で人が変わったようなウィルの話を聞く。
そして、ウィルが抱えていた問題に向かい合って行く。

ジョー・ピケットシリーズ、第4弾。



大自然と野生動物。
そこに、人間の自分本位な考え方が入り込んでトラブルになる。
今回もそんな図式が見える。
ごちゃごちゃしたシカゴが舞台の物語を読んだ後に読む。
同じアメリカとは思えない環境。
当たり前だが、アメリカは広い。
自然や野生動物の姿の描写は楽しめる。大変なこともあるけれど。
しかし、人間の姿は変わらない。
今回も、かなり悪質な人間が登場。
ウィル・ジェンセンの死を巡るサスペンス物としても楽しめる。
そして、家族から離れたジョーの苛立ちが。
妻のメアリーベスとの気持ちのズレ。
遠距離恋愛が難しいと言うのがよく分かる、絵に描いたような気持ちのすれ違い。
お互いに理不尽な気持ちになって、思いやりがなくなって来る。
連絡がなくて苛付くのは、本当に相手が心配なのか、心配させられていることに腹が立つのか。
まあ、はっきりどちらとは言えないのかも知れないけれど。
だから人との付き合いは難しい。
そんな事も考えてしまう物語。

このシリーズは面白い。
第4弾と言うのは、邦訳で4弾と言う事で未訳がたくさん。もっと読みたいシリーズ。


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