しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「殺人者の顔」   ヘニング・マンケル 

2012年01月19日 | 読書
「殺人者の顔」   ヘニング・マンケル       創元推理文庫 
   MORDARE UTAN ANSIKTE           柳沢由実子・訳

雪の予感がする1月8日の早朝、小さな村から異変を告げる急報がもたらされた。
駆けつけた刑事たちを待っていたのは、凄惨な光景だった。
被害者のうち、無惨な傷を負って男は死亡、虫の息だった女も「外国の」と言い残して息をひきとる。
片隅で静かに暮らしていた老夫婦を、誰がかくも残虐に殺したのか。
ヴァランダー刑事を始め、人間味豊かなイースタ署の面々が必死の捜査を開始する。
曙光が見えるのは果たしていつ・・・・・・・?
スウェーデン警察小説に新たな歴史を刻む名シリーズの幕があがる!
     <文庫本1ページ目より>

刑事クルト・ヴァランダー シリーズ第1弾




わずかな手掛かりから、じっくりと取り組んで少しずつ何があったかを探り出していく。
出て来た事実から、考えて推測する。
地味な捜査を続けて行く、イースタ署の刑事たち。
派手さはないが、そんな様子が好感が持てる。
登場人物や、その地域の物語も事件と並行して面白い。
必要以上に凶悪な犯行に、何故を疑問と戸惑いを持つヴァランダー。
もう自分は古い人間なので、このような自分に理解出来ない犯罪を追うのは、若い刑事になるだろうという考え方も、何となくわかる。
田舎には田舎の犯罪、都会には都会の犯罪があるはず、と言う。
その堺がなくなってきている狭間の時代。
私生活でも色々あって、混乱しているヴァランダー。
そんな様子を応援しながら、物語にどっぷりと入っていける面白さ。

スウェーデンという国のことも、移民問題を含め分かってくる。
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