しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「消えたニック・スペンサー」 メアリ・H・クラーク  

2005年12月04日 | 読書
ジェン・ストーン社の社長・ニコラス・スペンサーが乗った専用機が墜落し、
死体は見つかっていないが、死亡とみられた。
ニックが力を注いだ夢の抗癌ワクチンの開発に成功したと報道された直後の事故だった。
しかし、その2週間後、会社の資産がニックに流用され、抗癌ワクチンも失敗していた事が表面化する。
その為、二ックの事故は偽装で、失踪したのではないかとの噂が流れる。
コラムニストのカーリーは、ニックの妻リン・スペンサーの義理の妹にあたり、二ックと会った印象から、本当の人々を騙したのか、真実を知り記事にしようと調査を始める。
カーリ―ワクチン開発の基となったニックの父親の研究資料が何者かによって持ち去られた事実を突き止める。
またそれを知った人々が事故に合ったり行方不明になって行く。
そして、リンの不可解な様子。
そして、ジェン・ストーン社に投資し、すべてを失った男、ネッド・クーパーが
ニックの関係者に復讐心を抱き、カーリーにも迫っていた。

何となく、緊迫感の薄い作品。
悲惨な事もたくさん起こるのだが、それがあまり伝わってこない様な、平坦さを感じてしまう。
事件を追及して行くと言うより、なんとなく調べていたら分かって来た。みたいなムードがあるからか。ネッドの壊れた心をカーリーが感じていれば、また違ったのかもしれない。
が、カーリーの恋愛話しが緊迫感を薄めてしまった気もする。
あまり盛り上がらないまま、結末までいってしまう感じ。
クラークにしては、いまいち。
タイトルも今回は平凡。原題は「The Second Time Around」2度目と言う事らしい。

しかし、抗癌ワクチンは本当に開発されるといい。
投資の為ではなく、開発を助ける為に、その資金援助の意味で株を買っていた人達の気持ちが
一番心に届いた。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「白夜行 第2部」 スタジ... | トップ | 「フリークス」 綾辻行人   »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事