「屍者の帝国」 伊藤計劃×円城塔

「屍者の帝国」　　伊藤計劃×円城塔　　　河出文庫　　　

屍者復活の技術が全欧に普及した十九世紀末、医学生ワトソンは大英帝国の諜報員となり、アフガニスタンに潜入し、その奥地で彼を待ち受けていた屍者の国の王カラマーゾフと邂逅。
王より渾身の依頼を受け、「ヴィクターの手記」と最初の屍者ザ・ワンを追い求めて世界を駆ける―
意識とは何か？魂とは何か？
話題のエンターテインメント超大作。
　　　　＜文庫本カバー見返し側より＞

伊藤計劃の未完の絶筆を円城塔が完成させた奇蹟の超大作。





物語は、屍者の帝国が何処にあるのか探りながら、その帝国を作り上げた人物に迫る。
吸血鬼ドラキュラやフランケンシュタインの物語も反映され、遊び心も満載。
屍者の集団は、今ならＡＩロボットに置き換えられる。
屍者は永遠ではなく、消耗して消えていく。
ロボットならそうではない。
屍者も自らの意志を持たないものとされていたが。
ラストのフライデーの思考は、ＡＩロボットにも当てはまる事なのかも知れない。
そして、そのどちらも発達すれば、人類の滅亡に繋がるのだろうか。