しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「バーニング・ワイヤー」  ジェフリー・ディーヴァー 

2013年08月09日 | 読書
「バーニング・ワイヤー」  ジェフリー・ディーヴァー   文藝春秋
 The Burning Wire        池田真紀子・訳

突然の閃光と業火―それが路線バスを襲った。
送電システムの異常により、電力が一つの変電所に集中、爆発的な放電が発生したのだ。
死者一名。これは事故ではなかった。
電力網をあやつる犯人は、ニューヨーク市への送電を予告なしに50%削減することを要求する。
だがそれはNYに大停電を引き起こし、損害は膨大なものとなると予想された。
FBIと国土安全保障省の要請を受け、科学捜査の天才リンカーン・ライムと仲間たちが捜査に乗り出した。
しかし敵は電気を駆使して罠をしかけ、容易に尻尾をつかませず、第二の殺戮の時刻が容赦なく迫る。
一方でライムはもう一つの大事件を抱えていた―
宿敵たる天才犯罪者ウォッチメイカーがメキシコで目撃された。
カリフォルニア捜査局のキャサリン・ダンスとともに、ライムはメキシコ捜査局をサポートし、ウォッチメイカー逮捕作戦を進めていたのだ。
ニューヨークを人質にとる犯人を、頭脳を駆使して追うリンカーン・ライム。
だが彼は絶体絶命の危機が迫っていることを知らない―。
        <カバー折り返しより>






リンカーン・ライムシリーズは、やっぱり面白い。
思いがけない展開は期待通りで、次に何が起こるのかと、先に進むのが待ちきれない。
何度も同じような手法で騙されているのに、また同じ。
でもそれで、ワクワク感が増して行く。
今回の敵が操るのは電気。
今では生活に欠かせないとても便利な物が、手が付けられない脅威になる。
漏電、感電、など頭にはあるが、あまり直接の怖さは日々感じている訳ではない。
こんなことが起こりうるのかと思うと、かなり怖くなる。

原発に対する問題も話題にあり、今の社会にタイムリーなテーマでもある。
標的になったのは、電力会社アルゴンクイン。
働いていた、電気技師のレイ・ゴールトの主張したいことも、理解出来る。
会社である以上、何よりも追及するのは利益なのだろうか。
そうではない、経営者も中にはいると思うが、
3・11で、原子力発電を止める方向の国もある。
当事国が原発再稼働に動いているのは、電力会社の問題。
利益と損失のことだけしか考えていなとしか思えない。

ライムと仲間たちも、オールスター出演。
しかし今回の捜査は、今一つこれが決めて、というのが少なかったような気がする。
何となく、メリハリ少なく進んだような。
仲間たちも色々あった。
デルレイは良かったけれど、プラスキーはちょっと心配。
次回作では、今までとまた少し変わったライムに出会えそうだ。
ウォッチメイカーも、このままとは思えない。


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