しましましっぽ

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「死にがいを求めて生きているの」 朝井リョウ 

2021年07月05日 | 読書
「死にがいを求めて生きているの」 朝井リョウ  中央公論新社  

「螺旋プロジェクト」平成
重度の脳挫傷による植物状態が続いている南水智也。
その智也をほとんど毎日見舞に来る、堀北雄介。
2人は幼稚園の時からの幼馴染だと言う。
雄介は“あの時に助けられなかった”事を悔やみ、智也の人生がもう1度動き出す時に絶対に立ち会いたいと、担当の看護婦白井友里子に話す。
前田一洋は小学4年で転校した学校で智也と雄介と同じ組に入り、2人と仲良しになる。
正反対な性格に思える2人が友達なのが不思議だった。
雄介は競争や目立つことが好きで、智也は控え目だった。
そんな2人だが、中学・大学と付き合いは続く。
そこには、智也のある思惑があった。






2人の状況や関係が、他の人の物語〔各章の主人公〕の中で描かれて行く。
各章の主人公もそれぞれ悩みや望みを抱える、同級生や年上のディレクター。
それで、雄介の性格や立ち位置が分かって行く。
智也はその雄介をフォローする存在。
最後の章が〔南水智也〕で、やっと智也の心情が分かる。
これが、「螺旋プロジェクト」なので、海族山族に絡められて行く。
智也が海族で、雄介が山族。
平成の海族山族は、日々の暮らしの中に紛れて探さないと分からないほど。
対立する相手との関係を、どう考えるか。
反発し合う存在だが、吐きたくなるほど不快感はないのだ。
それならば、何とかなるのでは。
「螺旋プロジェクト」も4冊目なので、海族山族についての情報や、リンクしている部分が出て来るのは楽しみなのだが。
平成の海族山族の物語は、青春物語と言うような「生きがい」や「存在価値」についての話でもある。
どうも自分はこの手の話は苦手で、実際に読むのが進まなかった。
苦手な分野があると「螺旋プロジェクト」は面白のかと、この先迷う。
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