しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「事件当夜は雨」 ヒラリー・ウォー  

2009年02月06日 | 読書
「事件当夜は雨」 ヒラリー・ウォー   創元推理文庫
  THAT NIGHT IT RAINED     吉田誠一・訳 

アメリカ、コネチカット州ストックフォードという小さな町。
1960年5月12日、土砂降りの雨の夜。
果樹園の経営者、ヴィクター・ロベンズがノックする音に戸口を開け射殺される。
撃ったのは、大きすぎるオーバーを着て、古ぼけた黒のフェルト帽を目深にかぶった、幽霊のような男だった。
捜査を担当したのはストックフォード警察署長、フェレッド・C・フェローズ。
一見手掛かりが多そうな事件だったが、全てが漠然とし男の正体が分からない。
ヴィクターが殺される理由も見つからない。
フェローズと部長刑事ウィルクスは推理を働かせながら、真相を探っていく。



いつも何も分からないところから始まる事件が多いが、今回は違うのかと思ったら、結局そうなった。
捜査の方法として、容疑者を全て書き出し、犯行が不可能な人物を消していく。
なんだか途方もない感じもするが、小さな町なので容疑者も限られるからなのだ。
他所から来た事も考えられるので、その方面の係わりもピックアップするが。
そう言うところは時代を感じるが、そのひとつひとつ細かく捜査していく過程も面白い。
捜査が行き詰まると、いつもの成層圏に飛び出す推理を働かせる。
しかしそれも、しっかり証拠を掴んで確実に捜査してくので、納得が出来る。
今回は最後に容疑者が2人出て、供述から矛盾点を見つけていく。
同じものを読んでいる読者にも分かる、はず。
確かにその話は変だと思ったものもあったが、それが次に繋がっていかない。
この部分がやはり面白く、最後に成る程とフェローズに感心させられた。

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