しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「訪問者」 恩田陸 

2011年04月26日 | 読書
「訪問者」 恩田陸    祥伝社

山の中にひっそりたたずむ古い洋館に、雑誌記者の井上唯之とカメラマンの長田が訪れる。
最近急死した映画監督、峠昌彦の子ども時代の話を聞くためだ。
峠昌彦は、その洋館にあった小さな育児施設『愛華苑』で育てられていた。
実業家朝霞大治郎の後を継いだ、長女の朝霞千沙子が建てた洋館と施設で、昌彦の母は千沙子の後輩だった。
その千沙子は、3年前に洋館の隣にある湖で死亡していた。
今住んでいるのは、千沙子の兄妹、千蔵、千次、千衛、千恵子。そして千恵子の夫の協一郎
話が一段落した時、千次が井上に本当の目的は何かと聞く。
千次は「訪問者に気を付けろ」という差出人のない手紙を受け取っていた。





「訪問者」のタイトル通り、各章の始まりが「来客を告げるベルが鳴った。」
星新一さんの、「ノックの音が」みたいだ。
星さんのは、そこから全く違う物語が始まる。
しかし、こちらは特にこのフレーズにしなくても、と言う感じ。
タイトルを強調したかったのか。
各章のタイトルは、絵本にあるもの。
何となく意味はあるのだが、どうして絵本なのだろう。
ちなみにタイトルは、
「せいめいのれきし」「ももいろのきりん」「ちいさいおうち」「かわいそうなぞう」「ふるやのもり」「おおきなかぶ」
有名なものばかり。

閉ざされた洋館で起こる物語。
登場人物も限られ、会話で進んでいく物語なので、お芝居っぽく感じる。
登場人物はいまひとつ似ていて曖昧。
年配の兄弟の設定だから仕方がないのか。
目で姿を見られたら、その心配はいらないかも。

面白くない訳ではないのだが、あまりのめり込めない。
設定がいまひとつ、つまらなく感じてしまう。
最後に真相が分かった時も、そんな手間をかけなくても大丈夫な場所のように思えた。
土地を売らない理由も、はっきり言った方が危険はないのに。
仇になっているし。
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