しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「灰色の仮面」 折原一 

2009年05月19日 | 読書
「灰色の仮面」 折原一    講談社

フリーライターの山岸陽介はある夜、マンションから助けを求める女性の声を聞くが本気にせずに立ち去る。
しかしその後、気になりそのマンションに行き、助けを求めた部屋で女性の刺殺体を発見する。
驚いて立ち去ろうとした時、同居していた友人が帰って来て、慌てて窓から逃げ出すが顔を見られる。
山岸は最近連続して起きた、白いマンションに住む女性が襲われて殺される事件の殺人犯人にされる。
その日から、山岸は悪夢に悩まされる。それは殺人者が女性を襲う場面だった。
そしてその殺人者は自分を憎悪して、「殺してやる」と迫って来るのだ。



少々現実味のない物語の展開、と言うか、現実味のない山岸という人物。
そして、夢の中で登場する連続殺人者。
夢か現実かはっきりしないのだが、それが折原一さんの書き方。
なんとなく予想を付けつつ読み進めて行く。
普通そんな行動は取らないだろうと思う山岸の行動が物語を軽く見せるが、じわじわ怖さが強くなっていく。
山岸と殺人者の対決はなかなか緊迫感があって、どきどきした。
そして、ラスト近くには、思ってもいなかった殺人の種明かしまであり、最後は慌しく事実が二転三転。
結局ラストもすっきりとはしないのだが。
しかし、このラストが単行本と文庫本では違うらしい。
違うラストも気になる。

ということで、文庫本の方も読む。
読んだばかりなので、変わったラストの方だけしか読まなかったのだが。
曖昧な部分がはっきり書かれて、きちんと完結していた。
確かにすっきりはするけれど、もやもやのまま終わった方がそれまでの雰囲気には合うかも。

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