しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「サイボーグ009 完結編  2012 009 conclusion GOD‘S WAR Ⅲ THIRD」  

2014年07月01日 | 読書
「サイボーグ009 完結編  2012 009 conclusion GOD‘S WAR Ⅲ THIRD」  
 石ノ森章太郎 小野寺丈     角川文庫         

第1章
2012年2月に、東京は大地震と大津波に襲われる。
その後に、海から鰐の胴体のシーサーの顔つきという得体の知れない巨大な生き物が内陸に向かう。
空からは突然出現したブラックホールから、巨大な身体に裂けて見える口には牙、角を生やした邪鬼が舞い降りる。
その鰐モドキと邪鬼は、人間を捕食し始める。
サイボーグたちは、ひとりでも救おうと奮戦するが。
数の多さと、食いつく力の強さに、サイボーグたちも危険が迫る。
東京は、通信網も途絶え、この惨状は他には伝わらない。
そして、最後に巨大なモアイが出現する。

第2章
あれから半年。
復興の日々が始まり、サイボーグたちは故郷の国に帰って行く。
しかしそこで、精神に働きかける何かがあり、悪の方向へ行動が向かう。
そして、神と呼ばれた者たちが出現して、人間を襲い始める。
イワンはサイボーグの力をパワーアップさせていた。

エピローグ
1998年1月28日。
石ノ森章太郎は、60歳と3日で息を引き取る。
201X年。
東京の名残が微かにある街で初老の男がスケッチをしている。
側の海岸では6人の男性が海辺で戯れている。










神々との戦いは、天変地異から始まる。
大地震・大津波の後にやってきたのは、悪魔のような集団。
これは神とは言えない。鬼だ。
かなり残酷な様子は、今までのサイボーグ009とは違った雰囲気に感じる。
この邪悪さは、デビルマンか幻魔大戦の様相。
天使編などからは、戦う相手は優しく美しい天使の様相だったのに。
そして、各地に登場する神話の神たち。
そうか、世の中には神と呼ばれるものがこんなにいたのだと再認識。
なぜこのようなことになったのかは、地球という惑星が宇宙でどのような存在だったかで説明される。
その構想は、流石と思わせる。
イワンが強化する力も、なるほどと思った。
最後に明かされる、何故その様になったかの種明かし。
人間は何故良い心と悪い心を持っているのか。
そんな種明かしでもある。
自分が何かで罰せられる時、その理由がはっきりして納得の行くものなら理解出来るだろう。
ただ反論の機会を与えられず、それ以上になんの説明もなかったら。
その罪が遥か過去の先祖の代のものだったら。
創造主だからと言って、勝手に命を奪っていいのだろうか。
まあ、ノアの前例があるから有りなのだろうが。
そう考えると、人間も殺す為に命を生み出している。
食肉、毛皮。
結局は同じなのか。
最後まで読んで、それぞれのエピソードのこともよく分かる。
ラストは、戦ったサイボーグたちの精神が安らぎを得たと言うことだろう。
しかし、すべての人に光の子の精神があるのなら、みんなここに来ているということだ。
やはり、光の子の解決の仕方に問題があったのだ。
寿命を作った時点で、萩尾望都さんの『マージナル』のように、子孫を増やさない手段を取れば良かったのに。
それなら、その時点で閉じ込めた数だけで処理出来た、とか。

漫画にもなっていて、そちらも読もうかと思っていたが。
今回小説の方を読んで、漫画はいいかと思ってしまった。
続きを書くことは、大変な苦労だったようだ。
構想ノートがあっても、逆にそれに縛られてしまう部分もあったと思う。
読み終わり、未完のままでも良かったのかも知れないと思ったり。
ただ、構想ノートには何が書かれていたのか知りたいと思う。
ファンはやっぱり我が儘だ。

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