中原聖乃の研究ブログ

研究成果や日々の生活の中で考えたことを発信していきます。

授業後のできごと

2015-06-06 06:38:12 | 日記

 昨日はとってもうれしいことがあった。授業後、学生さんが「先生の本、面白いので、ふつうに読んでます」と言ってくれた。教師にとってこれほどうれしいことはない。いつも一生懸命聞いてくれていたので、ちょっと気になっていた。自分でもいろいろ考えているようで、なんとも頼もしい。これからもちゃんと授業をしなければ、と思う。

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 学部生の頃、アメリカ文化を専攻していた私は、夜間大学の学生だったため、とれる授業が限られていて、仕方なく「イギリス文化史」をとった。これがとても面白く、仕事の関係でいつも30分以上遅刻していたにもかかわらず、堂々と前に座っていた。この先生、本当に研究が好きらしく、しかもたまに広島弁で「ジェントルマン資本主義ちゅ~のは・・・」とか、勢いあまって教壇から落ちたり、、、まるで漫才師みたいだったが、黒板をまるで絵巻物のように使って講義をされていた。充実した内容で私はわくわくして授業を受けていた。バスでたまたま一緒になった先生が、後から降りる私を待っていて「いつも一生懸命聞いてくださって、ありがとうございます。」と言ってくださった。私は天にも昇る気持ちになったものだ。最期のレポートも渾身の力を振り絞って極上のレポートを書き上げた、、、が、授業最終日レポート返却の日に、仕事でトラブってしまい、授業の終わりまでに間に合わなかった。すると友人、「私のレポートが一番すばらしいと名前を読み上げられていたよ」

 10年後、たまたま知り合った先生が、そのイギリス史の先生と同じ共同研究のメンバーだった。共著とお手紙を託した。数日後、私のことを覚えているという伝言を知り合いの先生を介していただいた。授業に間に合わなかったとき、今生の別れと思ったけど、、、うれしいつながりでした。この学部の時の先生と言うのは、イギリス史の秋田茂先生です。

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 私はまだまだ勉強不足で、充実した最高の内容で授業をすることはできていないと思っている。せめて学生さんが、もっと知りたいと思う授業を展開しなければ、と思う。でもまずは、一生懸命に聞いてくれている学生さんには、自分から声をかけてみよう!  


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