中原聖乃の研究ブログ

研究成果や日々の生活の中で考えたことを発信していきます。

地球研フォトコンテストで大賞

2019-01-12 14:32:01 | 研究報告

昨年の話ですが・・・11月に行われた地球研審査報告会の最終日、地球研フォトコンテストの結果が発表されました。

なんと、私は「大賞」を受賞しました。来年度の地球研年報の表紙になるそうです。これです。

11年ぶりに訪問した調査地マーシャル諸島メジャト島で、子供たちに案内してもらって島を見て回りました。子供たちのなかの一人エブリンは海が見えると急に駆けだしたので、私もつられて走っていたら、広い砂浜にでるとエブリンは立ち止りました。じっと海を見つめる後ろ姿に、なんとなく写真を撮ってしまいました。でもこのあとエブリンは私を振り返って、ニコッとほほ笑んだのです。その時の笑顔がいまだに忘れられません!実はこの写真の前日、私は飛行機で首都マジュロからメジャト島にやってきたのですが、その時同じ飛行機にエブリンも乗っていて、私の前の席でした。エブリンは飛行機に乗ってやってきたことを思い出していたのでしょうか。

大賞をもらってとてもありがたかったのですが、本当は私はこちらの写真のほうを気に入っていました。

2013年、心優しい漁の名人エドゴーとメジャト島小学校の校長先生をしている奥さんがご夫婦で、メジャト島から30分ほどの小島に行って、投網漁のついでにサンゴのかけらや薪を集めたりするというので、私も連れて行ってもらったのです。滞在先のメジャト島のお母さんにお弁当を作ってもらいました。この写真は、その時の写真です。少しでもかっこよく撮ろうとしてじりじりと動いていると、網を持って構えながら、ちらちらと何度もこちらを見るのです。私はそれを、「カッコよく撮れよ」というサインだと勘違いし、さらにいいアングルで撮ろうと、サンゴの砂の上をジャリジャリと音をたてながら、動き続けました。たまりかねたエドゴーは「サト、動くんじゃない!」とシャウトしました(笑)私の足音で魚が逃げるんだということに初めて気づきました。投網漁の写真はこちら。ただ、この2年後エドゴーさんは急逝されました。奥さんはこの写真を大きく引き伸ばしてひつぎに入れたと、風の便りに聞きました。

エドゴーは、2010年、6年ぶりにマーシャル諸島に行った私に、タコノキ羊羹の作り方を初めて饒舌に語った人で、その時、保存食とその分配をテーマに調査しようとピンと来たのでした。エドゴーのおかげです。