中原聖乃の研究ブログ

研究成果や日々の生活の中で考えたことを発信していきます。

プチビワイチに挑戦

2019-12-01 15:13:55 | 日記

 

 

先週末(11月23・24日)、びわ湖の南湖を自転車で回るという旅をした。びわ湖を自転車で1周するのをビワイチというが、190キロもあるので私は断念し、今回は南湖だけ1周(50キロ)した。地球研からびわ湖まで片道40キロくらいあるので、全行程で130キロくらいかな。

 

今回は地球研の方に一日だけ伴走をお願いする。実は昨年から滋賀県庁の方にビワイチへの挑戦をすすめられていたが、技術的にも体力的にも無理そうだったので、1年間少しずつトレーニングしてきた。

絶好のサイクリング日和のなか、比叡山に上る朝日ととともに地球研を出発。いつも車で走る道を、ゆっくり自転車で通るのは楽しい。街並みや家の造りを見ながら移動できるのは、自転車ならでは。スダジイとかあったら、栄養補給がわりに食べよう!と思っていたが、市原を過ぎ静原を出るころには、もうそんな余裕はない。ひたすら遅れないでついていくのがやっと。。。そして大原に到着。

大原から150メートル高い途中峠に向かう。途中峠に到着するともう疲れ切り、写真を撮るのを忘れる。途中峠を過ぎたあたり、福井方面と滋賀県方面の分かれ道にイチョウの木がある。イチョウは樹形が目立つし、落ち葉が腐敗しにくいので、冬でも黄色の落ち葉が目印となって、道しるべとして使われたのだろう。帰りは一人なので、道を間違えないようにしないと。

あんなに大変だった岩倉から途中峠だが、堅田までは下り坂をぶっ飛ばし、ほんの30分ほどで到着する。堅田到着は10時半。所要時間は、予定していた5時間よりも2時間も早い3時間。

せっかくなので、堅田の古い街並みを散策する。前回の調査時に気になったが入れなかったお茶屋さんに立ち寄る。ここのお茶は、なんでも、最澄が中国から持ち帰ったお茶の種を育てたお茶の木を分けて(たぶん挿し木で)植えたものからできた茶葉なのだそうだ。とってもおいしい!お家の歴史から水草の話までずいぶんと話し込んでしまう。このお茶屋さんの看板は、なんと、100年近く前に作られた田船の底板を再利用したもの。かつて、この集落あたりにあった多くの農家は、船で東側のびわ湖まで水草を取りに行き、そのまま水路を伝って、集落を越えて、西側の内湖を通って、田んぼに水草を運んで肥料にしていた。船大工の店も2軒あったが、いまは営業していない。このあたりでも藻を採っていたし、お茶屋さんの奥様はびわ湖の北のほう出身だったが、ここよりもさらに取っていたそうだ。

長い間茶筅を売っているお茶屋さんに巡り合わず、今回たまたまお茶屋さんがあって、いろいろなお話が聞けてよかった。話は変わるが、京都は生活空間の中にあるフツーのちゃんとしたお茶屋さんが少ない。名古屋にいたときは、歩いていける距離に何軒かお茶屋さんがあり、九州のお茶も売っていたので、意外だ。

堅田の家の屋根は、切妻の屋根だけど、まっすぐではなく緩やかにカーブしている。これはこの地方独特のデザインかと思ったら、木の曲がりにそって自然にカーブしているだけかも、と言われる。なるほど~、曲がり方が一様ではないので、たぶんそうだと思う。この家は「木の気持ちに寄り添った家です」と言って売り出したら、儲かりまっか?そういえば、以前ピアノの調律師さんに、ピアノに使われた木材が育ったところと、ピアノを置いている家の環境とが合わないと、いくら調律をしてもすぐにくるってしまう、と聞いたことがある。日当たりの良い場所で育った木、湿気の多いところで育った木、それぞれに特性があり、ピアノは一台一台個性があるのだそうだ。ならば、ピアノに使われている木が育ったところが分かるようにすればいいのに、と言うと、材木の流通過程でわからなくなるので、そんなことはできないのだそうだ。ピアノとか、家とか、船とか、桶とか、、、はたまた吹奏楽の楽器のリードとか、、、用材の特質を生かしてモノづくりをし、さらに木にとって居心地がいい場所で使ってあげると、もっと満足のいく道具になるのだろう。

さてさて、12時を過ぎたので、そろそろプチビワイチに出発することにする。。。30メートルも行かないうちに、な、な、なんと、パンクしてしまう!パンクした場所は、湖族の里資料館の駐車場の真ん前。絶好のパンク修理スポットだ。まさかこんなことになろうとは思いもよらず、パンク修理キットを買っていなかった。修理キットを買ってきてもらい、その間私は、前回お邪魔した「湖族の里資料館」に挨拶に行き、これまた前回お世話になった「竹虎」でてんぷらうどんを食べる。準備を怠り、ご迷惑をおかけし、お詫びの言葉もございません。ごめんよ~、Hさん。テキパキとパンク修理をしてもらい、1時半にやっと出発。堅田についてから早3時間。

びわ湖は平たんだからチョロい。と思った私が馬鹿だった。エネルギー切れで、自転車から降りる足がおぼつかない。朝ごはんは2膳、卵二個、野菜サラダ。昼ごはんはてんぷらうどん。途中、バナナだの、まんじゅうだの、よーかんだの、バウムクーヘンだの、いろいろ食べていたけど、ぜんぜん追いつきません。本当にいろいろ食べていて、ブログを書きながらびっくりしました。あまりの陽気に、のども渇き、ガス入りミネラルウォーターで渇を入れたいと買ったが、これはサイクリングには不向きでした(笑)

夕暮れの琵琶湖をヨシ越しに眺めながら、最後の難関びわ湖大橋を渡り、ようやく今日のお宿、きよみ荘に到着。風呂に入り、近江地鶏のすき焼きをいただいて、やっと人心地つく。倒れこむように眠りにつく。。。

きよみ荘は、地球研の私の所属するプロジェクトOpenチームサイエンスにかかせない存在。きよみ荘のご主人は、ずいぶん前から、ボランティアで、浜に打ち上げられた水草の清掃をやっていらっしゃる。なので、朝は手伝おうと思ったのだが、なんだか疲れてできず。そして、さらにわがままを言って、大原まで車で送っていただく。大原からはほんの1時間で地球研に到着。プチビワイチ完走!と、胸を張って言えないところがお恥ずかしいところですが。

帰宅後、猛烈におなかがすき、月曜日に職場でお昼にみんなで食べようと思っていた、大原の道の駅で買った栗おこわと大福二つをあっという間に平らげ、強烈な睡魔に勝てず、眠りこける。翌月曜日も火曜日も体がだるく、仕事にならなかった。机に座って、ただただ前を向いている状態。。。というわけで、この土日はたまった仕事を地球研で片付けております。

 

 
 
 
 
 
 
 
 

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